ニュー・アルバム『ボーディング・ハウス・リーチ』の制作は、まずアパートの一室で「ギターやピアノを使わずに曲作りをする」というアイディアからスタートしたという。なので、21世紀唯一無比のギター・ヒーロー、ジャック・ホワイトのアルバムであるにもかかわらず、本作はこれまでのディスコグラフィーと較べても、いわゆるギター・リフが極めて少ない作品となっている。しかし、このアルバムを聴いた人の多くは、これぞジャック・ホワイトのアルバムであり、「ギター」・アルバムだと思うのではないだろうか。
この人ほどビジネスとしての側面のロックにこだわり続けるアーティストはなかなかいないだろう。そして、その新たなリリースがこれまた規格外の内容で話題を呼んでいる。キッスのジーン・シモンズは自身のロック生活50年を記念して、手渡しによるボックス・セット『ジーン・シモンズ:ザ・ヴォールト・エクスペリエンス』をリリースする。お値段は通常のボックス・セットが2000ドル(約22万円)。さらに、一緒にスタジオに入ってエグゼクティヴ・プロデューサーになれる「ザ・エグゼクティヴ・プロデューサーズ・エクスペリエンス(25000ドル:約270万円)」と自宅にジーン・シモンズを招くことのできる「ザ・ホーム・エクスペリエンス(50000ドル:約550万円)」なるものも用意されている。ボブ・ディランやヴァン・ヘイレン兄弟とのコラボレーションも聴くことのできる、このボックス・セットについてLOUD PARK 17での来日時に話を聞かせてもらった。
ミューズの「ドローンズ・ツアー」のサポート・アクトへの抜擢や、今年のグラストンベリー・フェスティバルではリアム・ギャラガーと同じステージに出演するなど、デビュー以来順調にキャリアアップを果たしてきたナッシング・バット・シーヴスは、今の時代においてもイギリスならではの真っ当なロック・サウンドを真正面から奏でられるということを証明してきたバンドである。
ロックンロールの裏の裏を知り尽くしたヤクザ者が、ダンス・ミュージック界の貴公子を連れて、更なる悪役(ヴィラン)として帰ってきた! クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジにとって通算7作目となった『ヴィランズ』は今年を代表する傑作である。
9年ぶりとなる来日公演の前にはF1のシンガポール・グランプリでのパフォーマンスが控え、今年の春にはロラパルーザ・チリへの出演を含む南米ツアーを行うなど、間もなく結成40周年を迎えるデュラン・デュランは、現在進行系で今もワールドワイドの第一線で活躍している。
レディオヘッドのトム・ヨークと、フランツ・フェルディナンドとスパークスによるFFSをヘッドライナーに迎えた2015年の初開催から2年。今年で3年目を迎えるHostess Club All-Nighterは、開催が正式に発表される前から恒例行事のようにファンの間でラインナップの予想が始まっていた。蓋を開けてみれば、セイント・ヴィンセントとモグワイという2組の素晴らしいヘッドライナーを筆頭に、待ちわびていたファンも垂涎のラインナップが発表されている。開催を数週間後に控え、『NME JAPAN』では独自の視点から見所を考察してみた。ここに、3年目を迎えるHostess Club All-Nighterにおける10の見所を紹介しよう。
弱冠18歳のソングライター、デクラン・マッケンナが本日7月26日にデビュー・アルバム『ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?』で日本デビューを果たしている。
ボサボサの髪の隙間から明るい画面を何時間も見つめるのが得意な世代の人間が、90年代ならではの「優美な」ギターや不機嫌なヴォーカル、そして8人家族が寝泊まりできるほど大きいエフェクター・ボードによるシューゲイザーに共感できるものを見出してきたことは驚くにあたらない。しかし、新参者はどこから聴き始めれば良いのだろうか? ここに紹介するのは90年代から続くシューゲイザー・シーンから『NME』が選んだ10枚だ。
海外では7月21日に、日本では7月26日にフォスター・ザ・ピープルの通算3作目となるニュー・アルバム『セイクレッド・ハーツ・クラブ』がリリースされる。
本日6月21日に4曲入りのEP『BY YOUR SIDE EP』でFIVE NEW OLDがメジャー・デビューを果たすのを記念して、NME Japanではアーティスト自身によるプレイリスト企画をお送りします。
今年2月にケイティ・ペリーが『ウィットネス』からの最初の楽曲となる、ウルトラキャッチーな“Chained to the Rhythm” をリリースした際、それは何かが生まれ変わったようだった。
カサビアンの新作『フォー・クライング・アウト・ラウド』は、原始的なギター・ロックの幸福感に満ちあふれている。このアルバムは、私たちの生きる混沌とした時代、そして彼ら自身の混沌とした時期に対するパーティー・アルバムだ。
いよいよ来週に来日公演を行うポール・マッカートニーだが、来日公演を前に日本独占でロング・インタヴューに答えてくれた。
先日4月12日にセカンド・アルバム『ニマイメ』をリリースしたスコット&リバースですが、昨年の来日時にお話を聞く機会があったので、NME Japanでは日本語でのロックに挑戦しているリバース・クオモに「好きな日本の楽曲10曲」を訊いてみました。素敵なエピソードのある曲や初来日時の思い出の曲など、貴重なエピソードを披露してくれました。リバース・クオモも、スコット・マーフィーも全編日本語で10曲について語ってくれています。
彼らが公開している動画の数々を見ていると、ザ・チェインスモーカーズでいることはさぞかし気分がいいに違いないと感じてしまう。31歳のアレックス・ポールと27歳のドリュー・タガートの日常は、とにかく楽しそうに映るのだ。2人が時間を費やしていることと言えば、ビアポン(ピンポン珠が入ったグラスのビールを飲め
ジーザス&メリー・チェインのジム・リードは、最新のインタヴューで兄でありバンドメンバーのウィリアム・リードとの関係性がニュー・アルバムに与えた影響などについて語っているほか、この世界には自分たちの「居場所なんてない」と感じていることを明かしている。
前作『インディ・シンディ』の前にはキム・ディールの脱退があった。最新作『ヘッド・キャリア』のリリース直前にはギタリストのジョーイ・サンティアゴがアルコールとドラッグの問題を治療するためにリハビリに入った。けれど、ここのところのピクシーズを見てると、どこか健全な印象を受けるのはなぜだろう? 23年ぶり
昨年のちょうどこの時期、ニューヨークで『NME』の取材に応じたマット・ヒーリーは、自身のバンドであるザ・1975の新作について「世界がこのアルバムを求めている」と語っていた。
クイッフだった髪形を変え、ベースボールキャップの下からカールを覗かせたブルーノ・マーズは、こちらが席についてもいないうちに、自身のサード・アルバムをどう思うかについて尋ねてきた。どんな音響設備を使って、どこで聴いたのか、どの曲が一番好きか、ミキシングの出来はどうかなどを彼は知りたがっていた。
やあ、アメリカ。そっちでは何が起こってるんだい? 現地時間11月8日にアメリカ大統領選がついに行われ、ドナルド・トランプ大統領の誕生が決定した。これに先駆けて行われたジョニー・エンサル記者によるインタヴューでは、結果を予測するかのごとく、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングが、女性の性器を触る男が自由の国のリーダーになるかもしれない理由を語っていた。
2000年代において最もハードにパーティを繰り広げてきたキングス・オブ・レオンは、直近の3年間については飲酒を控え、フード・フェスティバルを開催し、家族の関係修復に注力してきた。通算7作目となるアルバム『ウォールズ』のリリースを控えて、記者のマーク・ボーモントが彼らの拠点ナッシュヴィルに向かい、フォロウィル一家がいかにもう一度家族になったかについて話を聞いた。
ユナイテッド・ネイションズ・オブ・サウンド名義でのアルバムから約6年ぶりとなる新作『ジーズ・ピープル』を今年5月にリリースしたリチャード・アシュクロフトがいよいよ来日を果たす。今回、来日直前となるタイミングで「NME Japan」では独占インタヴューを奪取することができた。
バスティルのフロントマンであるダン・スミスは、我々と少しも違わない。本当に。シェア・ハウスに住んでいて、アメリカのポッドキャスト「シリアル」を聴いている。
祈祷師のような雰囲気を持つリチャード・アシュクロフトは、1990年代を代表する最も成功したバンドの一つであるザ・ヴァーヴのフロントマンを務めていた。その後、ソロへ転向し、さらにその後は姿を消してしまった。しかし、6年に及ぶ孤独を経て彼は帰ってきた。彼は興奮している。マーク・バーモントがその姿を目撃してきた。
1995年3月1日、ロンドンのとある駐車場に大型の黒のリムジンが静かに入ってきた。そのそばでは、2人の若者がスチール製の高いフェンスに顔を押し当てている。すぐ横にはウェンブリー・スタジアムのツイン・タワーがそびえている。彼らは早口で喋り、腕時計を確認しながら、自分たちのヒーローを一目見ようと落ち着かない様子で待ち構えていた。
1年と少し前、ゼイン・マリクはワン・ダイレクションを脱退した。それ以来、彼はポップスターであったガールフレンドと別れ、フランク・オーシャンのプロデューサーとソロアルバムを制作した。彼の家の奥庭にあるパブで長椅子に腰掛けながら、ギャヴィン・ヘインズが彼に話を聞いた。
メイヤー・ホーソーンやラファエル・サディークなど、60〜70年代のクラシック・ソウルやAOR、そしてスマートなブルーアイド・ソウルの遺産を受け継ぎながら、90〜2000年代のヒップホップ以降の感性でそれらを見事に組み合わせてみせるアーティストたちが近年熱い支持を集めているが、そんな系譜の最新アーティストと言えるのが、4月に初来日を果たすザ・ジャック・ムーヴスだ。
ケンドリック・ラマーやフライング・ロータスのライヴやレコーディングに参加してきたブランドン・コールマンが4月に来日公演を行うのを記念して、NME Japanでは昨年『NME』に掲載されたケンドリック・ラマーのカヴァー・ストーリー・インタヴューを掲載します。
ロンドンで観た彼女たちのライヴは素晴らしかった。2011年、友人同士だったカルロッタとアナによってスペインのバルセロナで結成されたハインズは、そのたたずまいからも想像のつく通り、男勝りの演奏技術によって魅せるようなバンドではない。しかし、ドラムやギターやベースを手にとって、バンドをやるという、何度となく繰り返されてきたクリシェが、このバンドの前では一度限りの奇跡としてロックンロールの性善説を伴って甦る。
ザ・1975のヴォーカル、マット・ヒーリーは正真正銘のロックスターだ。おちゃらけたように、おもしろいことを言いながらも、75分間のニュー・アルバムで世界の「ニーズ」を彼らは満たしてみせた。ダン・スタッブスがニューヨークで彼に会ってきた。