PRESS

Photo: PRESS

リアム・ギャラガーの復活を誰が予測できただろうか? おそらく、フィルムメーカーのチャーリー・ライトニングはその1人だろう。彼はオアシスが最後となるアルバム『ディグ・アウト・ユア・ソウル』をリリースした2008年からリアム・ギャラガーと仕事をしてきた。リアム・ギャラガーはオアシスの解散を経て、新たなバンドであるビーディ・アイの結成/解散を経験し、活動をしばらく休止した後で、2017年にソロ・デビュー・アルバム『アズ・ユー・ワー』で見事に復活を果たし、同作はプラチナムに認定されることとなった。

チャーリー・ライトニングが監督を務めたドキュメンタリー作品『アズ・イット・ワズ』では、リアム・ギャラガーの激動の10年間が描かれているほか、今年リリースされるニュー・アルバムついての情報も収められている。『NME』ではチャーリー・ライトニングへのインタヴューを敢行して、リアム・ギャラガーの復活劇や、映画の制作過程、オアシスの再結成の可能性、そして来たるニュー・アルバムについての話を訊いた。

ーーリアム・ギャラガーの浮き沈みをそばで見てきたわけですね。

「それこそがこの映画を特別なものにしていると思っているよ。この映画は、僕の視点から見た10年以上にわたる彼の物語になっている。彼の行動のすべてを記録してきたから、どういうわけか成功しなかった、個人的には素晴らしいと思っていたビーディ・アイの2作目の失敗から、結婚生活の終焉、隠し子の一件に至るまで、すべてが収められているよ。そのすべてが、彼に一気に押し寄せたんだ」

ーーリアムの復活を予測していましたか?

「(2016年発表のオアシスのドキュメンタリー映画)『オアシス:スーパーソニック』が公開された時は、少しリアムのことが話題になったよね。だけど、当時はリアムが今のような道を辿ることになるなんて誰も予想していなかったと思う。人々はソングライターとしてのリアムの能力を過小評価していたんだ。彼は豊富な音楽の知識を持っているんだよ」

ーー素晴らしいのは、リアム・ギャラガーが今やさらに若いファンを獲得したということです。

「(2017年5月22日にアリアナ・グランデのマンチェスター・アリーナ公演を襲った)テロ事件の後で、リアムがマンチェスターのO2リッツで公演をやった時の雰囲気はものすごかったね。リアムは亡くなった人々を追悼するために22本のロウソクを立てて、“Live Forever”をアカペラで披露したんだ。いろいろな意味で、国中が彼に注目していた。彼はそういう注目を集める人の1人なんだよ。今でもそういう男の1人なんだ。あれは本当に素晴らしい瞬間だったね。僕が感動したのは、若い人たちが集まっていたということだよ。(ロンドンの)フィンズリー・パークでの公演も観に行ったけど、バケットハットを被って丸いサングラスをかけた若者たちが、缶ビールを片手に彼を観ていたんだ。彼は偽りのない男だからね。リアムは口で言っている通りの男なんだ」

ーーリアム・ギャラガーについての一番の誤解は何だと思いますか?

「彼にも優しさがあるということかな。本当に心のあたたかい人なんだ。それを目にしたことがある人はそう多くないけどね。僕が映画を作る時には、自分がその人の中に見たものを観客にも見てもらいたいと思っている。たとえその人についての評判を聞いていたとしても、僕が思うその人の愛すべきところを観てもらいたいと思っているんだ。正直にならずには作れなかったよ」

ーーリアム・ギャラガーは昨年、『ザ・サン』紙でパートナーのデビーと喧嘩をしたことが報じられていました。映画の撮影期間に起きていたことですが、映画には登場していませんでしたね。この一件に言及しようとは思いましたか?

「タブロイド紙が報じていたのは事実とは異なる話だよ。僕たちが取り入れたいと思うようなことではなかったね」

ーードキュメンタリーではリアム・ギャラガーが実家に帰って母親のペギーと話すという心あたたまるシーンもありました。

「あれはリアムのアイディアだったんだ。言うまでもなく僕としても撮りたいものではあったんだけど、彼の側から提案してもらう必要があった。自分の心を裸にして、誰かを受け入れるというのは難しいことだからね。ペギーは素晴らしい人だよ。こころよく迎えてくれたんだ。多くの人たちが外観を撮影したことはあったけど、誰1人として中は撮影したことがなかったからね。僕としても緊張していたよ」

ーー実家でのシーンに監督からの指示などはあったのでしょうか?

「うん、少しだけ促したところがあった。リアムが昔、ノエルと共有していた寝室で撮影したシーンがあるんだけど、僕はその時にこう言ったんだ。『自分の兄弟と話をしなくなったのは残念ではないのかい?』とね。そうしたら、リアムにこう言われたんだ。『いいか、これは(11人家族をテーマにした1970年代から80年代の初頭まで放送されていたアメリカのドラマ)『わが家は11人』じゃないんだ』ってね」

ーーリアムはオアシスの再結成を示唆していますが、そうなった時はドキュメンタリーを撮影したいと思いますか?

「参ったな。撮影したくない人なんているのかい? 2人が一緒にステージに立って、自分たちの曲を演奏して、やるべきことをやってくれるわけでね。バンドとして彼らがしていたことをやってくれるんだ。まるでザ・ビートルズだよ。再結成が実現するかは分からないけどね。リアムとノエルがまた仲良くなる必要があるわけでさ。身勝手にファンとしての意見を言えば、再結成はきっと素晴らしいのだろうけど、家族だったり個人的な観点から言えば、彼らが問題を解決してくれることを願っているよ。言っていること分かるかい?」

ーーニュー・アルバムのサウンドは『アズ・ユー・ワー』と近いものがあるのでしょうか?

「ああ、100%ね。壮大なものになっているよ。『アズ・ユー・ワー』と地続きのものなんだ。『ディフィニトリー・メイビー』と『モーニング・グローリー』を見てみた時に一つはよりパンクっぽくて、一つはよりビッグなアルバムなわけでさ。これっていうのは進化のわけでさ。みんなが新作にガッカリすることはないと思うよ。みんな、圧倒されるんじゃないかな」

ーーリード・シングルのサウンドはどうですか?

「自分としては“Wall Of Glass”よりもいいと思うね。よりハードなんだ。『アズ・ユー・ワー』と地続きのものなんだけど、よりビッグなんだよ。2度目ということはより信頼を得ているわけでね。ファースト・シングルはすごくキャッチーなんだ。ブリッジがものすごくて、壮大なサビがあるんだ。素晴らしいよ」

ーーリアムはかつて、『アズ・ユー・ワー』について「顎を突き出したような音楽」だと語っていました。

「ストリートを練り歩く時のための曲だよね。まさにそんな曲なんだ、スタジアム向けの楽曲としても聴こえるはずだよ。そういうヴァイブなんだ。それって『ディフィニトリー・メイビー』と『モーニング・グローリー』の違いでもあるよね」

ーー映画で使われている新曲“Once”についてもう少し教えていただけますか?

「素晴らしい曲だよ。このアルバムの(『アズ・ユー・ワー』に収録されている)“For What It’s Worth”なんだ。『You only ever get it once(それができるのは一度だけだ)』という歌詞があるんだけどさ。それを聴いて、人生で得ることのできる体験について考えたんだ。2度目のチャンスもあるけどさ。でも、1度しかないんだよ。あと、自分としてはノエルに対して歌っているとも考えられると思ったよ」

『アズ・イット・ワズ』は現地時間6月6日にロンドンのアレクサンドラ・パレスでワールド・プレミアが行われることが決定しており、当日はリアム・ギャラガーがパフォーマンスを行う予定となっている。劇場では6月7日に上映される。

作品の概要には次のように記されている。「オアシス時代の目も眩むような、まさに“Champagne Supernova”と言える時期の成功から、追放されて、退屈さと酒、法廷闘争による音楽的につらい日々の中で迷い、窮地に立たされたロック史上最も偉大なフロントマンの1人を描いた感動的なストーリー」であり、「リアム・ギャラガーがノエル・ギャラガーの陰から抜け出して世界屈指のバンドから1人でスタートし、裸一貫で、隠れる場所などない中で最高のカムバックを果たすためにすべてをかける」様が描かれているとしている。

Copyright © 2019 TI Media Limited. NME is a registered trademark of TI Media Limited being used under licence.

関連タグ