PRESS

Photo: PRESS

日本盤が本日リリースされたコーダラインのサード・アルバム『ポリティックス・オブ・リヴィング』。先日はリード・シンガーのスティーヴ・ギャリガンによるインタヴューの前編をお届けしたが、今回掲載する後編では、主に楽曲の歌詞やバックグラウンドについて語られている。スティーヴン・ギャリガンが「この6年で世界中を回ってきて、そこで感じたことを反映して作った曲の集まりだ」と語っているように、幅広い世界を目撃してきた彼らは、本作で多彩なプロデューサー陣を起用している。しかしながら一方で、家族をテーマにした歌詞や、母国アイルランドの伝統的な楽器であるイーラン・パイプのサウンドを取り入れるなど、彼の言葉を借りれば「毎日の生活の中での駆け引き」という意味で名付けたというサード・アルバムは、彼らが自らのルーツに真摯に向き合った作品でもあるのだ。ここに掲載する発言から伝わってくるのは、新たなフェーズに突入した彼らが今、紛れもない自信に満ちているということだ。

インタヴューの前編はこちらから。

https://nme-jp.com/feature/61689/

――家族や友達との関係も、今作の大きなテーマのようですね。ここ最近に、人間同士の絆や、支え合うことの重要さを痛感させるような体験をしたのでしょうか?

「そうなんだ。ファースト・アルバムから少し歳を重ねたし、世界中を回るツアーもしたわけだからね。その間に僕たちはベスト・フレンドになって、家族ぐるみの密な付き合いをしているんだ。全体でひとつのビッグなファミリーなんだよね。だからそういうことが曲に織り込まれたのも自然の流れだったんだ。それに、家族は僕たちにとってすごく大切な存在だからね」

――そういうテーマを扱う曲のひとつ“I Wouldn’t Be”には、イーラン・パイプ(バグパイプの一種で、アイルランドの民俗音楽やポピュラー音楽に用いられる楽器)が使われています。伝統楽器を使うのは初めてではないかと思うのですが、この曲はどのような経緯で生まれたのでしょうか?

「イーラン・パイプは、僕たちのサウンドの特徴のひとつでもある気がするな。あの曲は家族や友だちとの関係について書いた曲だったしね。曲のアイディアはうちのギタリストが持ってきて、そこから膨らませていったんだ。その時、パイプを入れたらよりアイリッシュな感じが出るんじゃないかって話になってね」

――イーラン・パイプの音以外にも、例えば“Temple Bar”はダブリンにあるパブの名前ですよね? その“Temple Bar”と“I Wouldn’t Be”は、あなたがたのハーモニーの美しさが特に強く現れている曲だと思います。ほとんどアカペラと評せるくらいにシンプルなアレンジで、ゴスペルのような趣があります。前作もそうでしたが、あなたたちの曲には「合唱」がしばしば使われています。昔聖歌隊で歌っていたとか、こういった志向には何か理由があるのですか?

「うーん……単に、僕たちが子供の頃からソウル・ミュージックを聴いて育ったからじゃないかな。昔のモータウン系の曲とかね。アカペラ色の強い曲が多いでしょう? 子供の頃にそういう音源の貸し借りをよくしていたし、子供の頃から身近にあったタイプの音楽なんだ」

――メンバーの誰かが教会の聖歌隊で歌っていたとか、そういうわけではないんですね。

「子供の頃に、学校の合唱団に入っていたことはあったけどね。マークとはそこで出会ったんだ。といっても、列の後ろで小さい声で歌っていただけで、プロでも何でもなかったんだけどさ。でも、メンバー全員が歌を好きなんだ。僕たち4人を1つの部屋に入れたら、たちまち音楽を演奏し始めたり、歌ったり、ハミングしたりし始めると思うよ(笑)」

――YouTubeでビデオを観たのですが、みなさんがポーランドの街を歌いながら歩いているというものでした。観ていてとても楽しかったです。みなさんいつもあんな感じなんでしょうね、一緒になると。

「そうそう! ダブリンにグラフトン・ストリートっていうバスキング(ストリート・パフォーマンス)の名所があるんだけど、僕たちも昔はあそこでバスキングしてたんだ。いつもあそこでプレイしていたよ。バーでもプレイしていたし、どんなチャンスにも飛びついていたんだ。自分たちの曲をプレイさせてもらえるところだったら、どこへでも行っていたんだよ。それもまたアイリッシュな行動だと思うね」

――アイリッシュな行動なのですね(笑)。ところで“Temple Bar”に話を戻しますが、あなたは“Where did it all go wrong? (どこで間違ってしまったのだろう)”と問いかけながら締め括っています。このホロ苦いリフレインに込めた思いは?

「『テンプル・バー』というのはダブリンにあるバーの名前なんだけど、そこで飲みながら物思いにふけっている設定なんだ。過去に縁があった女の子に想いを馳せたりとかしてね。もしバンドをやらずに彼女とずっと一緒にいたらどうなっていたかを想像したりしてさ。こんなことが起こったんじゃないか、あんなことが起こったんじゃないか、みたいな感じ。『ハッピーな悲しい曲』なんだ(笑)」

――その曲に限らず、あなたがたの曲は切ない面を見せることがありつつも、後味がいいというか、最後はポジティヴな感覚が残りますよね。希望の一筋があるみたいな。そこが魅力のひとつだと思います。

「(照れたように)…それならクールだよ」

――一方、“Angel”は歌詞の内容から察するに、マーレイ・パークでのライヴ中に亡くなったファンに捧げられた曲のようですね。確か心臓発作を起こして亡くなってしまったとか。

「そうなんだよ。彼女に捧げた曲なんだ。…あのショウは僕たちにとって大きな公演で、終わってほっとしていたところに、その子が亡くなったという情報が入ってきたんだ。頭を殴られたような心地だったね。とてもショックだった。それで曲を書いて、彼女の家族に捧げることにしたんだ。曲を聴かせたら喜んでくれて、アルバムに載せてほしいと言ってくれた。それで載せたんだ。だからこれは、シアラという女の子に、そして彼女の家族に捧げた曲だよ」

――彼女の家族にも聴かせたのですか? その反応はどうでしたか?

「もともとアルバムに入れるつもりはなかったから、曲ができた時点で家族に渡したんだ。そうしたらとても気に入ってくれたんだ……」

――もともと入れるつもりはなかったと。彼らに勧められたのですか?

「そうなんだ。彼女の思い出にと思って曲を作って、それを家族に渡したんだよ。トリビュートとしてね。そうしたら、『この曲をリリースする予定はあるのですか? 素晴らしい曲だと思います』と言ってくれたんだ。そういうわけで……本当に悲しい出来事だったね。ご家族も本当に辛かったと思う。だから、僕たちにできることはやりたいっていう風に思ったんだ。みんなが喜んでくれてよかったよ」

――そんなお話をしてくださってありがとうございます。彼女も天国で喜んでいると思います。もちろん、もっとあなたがたのコンサートに行きたかったでしょうけど…きっと心を打たれたと思います。実際に聴きましたが、とても優美で、その悲しい出来事を知らなかった人でも感動する曲でした。

「ありがとう」

――この『ポリティックス・オブ・リヴィング』というアルバムは究極的に、2018年現在のコーダラインについて何を物語っていると思いますか?

「いい質問だね。個人的には、今のところ僕たち史上最高のアルバムだと思ってるんだ。この6年で世界中を回ってきて、そこで感じたことを反映して作った曲の集まりだね。今までより少し成熟したと思う。バンドとしても人間としても成長しつつあるから、今まで行かなかった方向に行くこともできた。全員がとても誇りに思ってるよ。それにしてもいい質問だなぁ(笑)」

――世界中を回ったといえば、フェスティバル出演を含めて、あなたたちはすでに3度来日しています。3度の日本滞在を振り返ってみて、特に印象に残っていることはありますか? それから最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本は素晴らしい国だよね。いろいろな機能が驚くほどすごい。僕たちの出身地とはかけ離れているような場所で、初めて行ったときは面食らったけど、素晴らしいスポットがたくさんあるよね。宿の近くを歩き回るだけでもーーとりわけ、大阪には隠れ家っぽいところがたくさんあって面白かったけどさーーどこへ行っても素晴らしいよ。早くまたそっちに行ってショウをやりたいね。しばらく行ってないからね。その時はできるだけ多くの場所に行きたいな」

――今回のアルバムはシングアロングできる曲も多いですし、このアルバムを引っ提げて来日されるのを楽しみにしています。

「ありがとう! 僕もそうなることを願っているよ」

新作よりさらに日本語字幕付きミュージック・ビデオが公開!

前回公開された日本語字幕付きミュージック・ビデオはこちらから!

リリース詳細

コーダライン
『 ポリティックス・オブ・リヴィング』
10月3日日本盤リリース
¥2,200+税/SICP-5658
国内盤ボーナス・トラック収録
1. Follow Your Fire|フォロー・ユア・ファイア
2. Hide And Seek|ハイド・アンド・シーク
3. Angel|エンジェル
4. Worth It|ワース・イット
5. Shed A Tear|シェド・ア・ティアー
6. Head Held High|ヘッド・ヘルド・ハイ
7. Born Again|ボーン・アゲイン
8. I Wouldn’t Be|アイ・ウドゥント・ビー
9. Don’t Come Around|ドント・カム・アラウンド
10. Brother|ブラザー
11. Hell Froze Over|ヘル・フローズ・オーヴァー
12. Temple Bar|テンプル・バー
13. Ready To Change|レディ・トゥ・チェンジ
14. The Riddle|ザ・リドル
15. Blood and Bones|ブラッド・アンド・ボーンズ

Copyright © 2019 TI Media Limited. NME is a registered trademark of TI Media Limited being used under licence.

関連タグ