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スウェードは通算8作目となるニュー・アルバム『ザ・ブルー・アワー』の詳細を発表している。

2010年の再結成からの「3部作」の3作目にして最終章である『ザ・ブルー・アワー』はアラン・モウルダーがプロデュースを手掛けており、バンドは新たなサウンドの領域を探求している。

「『ザ・ブルー・アワー』とは、1日に訪れる、日が陰り、夜の帳が降り始める時間のことです」とバンドは声明で述べている。「楽曲には物語が秘められているものの、それが明かされることはありませんし、きちんと説明されることもありません。しかしながら、スウェードのこれまでのアルバムと同様、それはいつだって彼らのソングライティングに当てはまることです。バンド、情熱、そしてノイズ。それが『ザ・ブルー・アワー』なのです」

バンド9月21日にリリースされる同作について、「純粋に進化を遂げた、広がりのある決定的な作品群」としており、フロントマンのブレット・アンダーソンによる「ヴォーカル運びや独特な歌詞世界はかつてないほど自信に満ちており、バンドは彼らにしか表現できないダイナミックでドラマティックな陰鬱感を、内臓から抉られるような彼らのピークともいえる力強さをもって表現している」と評している。

「実のところ、僕らは先々週の金曜日にミックスを終えたばかりなんだ」とブレット・アンダーソンは『NME』に語っている。「書き上げるのに1年を要してね。それが僕にとっては大変なところなんだ。一度曲になってしまえば、ある程度楽しめるんだけどさ。曲はすべてソングライティングの文脈の中で組み立てていかなきゃならないわけでね。誰もアンビエントなスウェードのアルバムなんか聴きたくないわけでさ。だから、そういう作品じゃないよ」

それでは『NME』によるブレット・アンダーソンのインタヴューをお送りする。

――いかにして今回の新作はこれまでに聴いたことのないサウンドになったのですか?

「僕らは(再結成後にリリースした)『ナイト・ソウツ』や『ブラッドスポーツ』から多くのことを学んだんだ。『ブラッドスポーツ』でシーンに復帰した時は、ポップやロック・ミュージックを書いた方がいいんじゃないかっていう気持ちがまだ少しだけあってね。メインストリームなんてもう存在しないも同然だから、メインストリームを喜ばせるつもりなんて毛頭なかったけど、『ナイト・ソウツ』では大胆なギャンブルに打って出たんだ。あれは紛れもない『アルバム』だったからね。人々が好むのはおべっかを使わない音楽なわけで、おかげで今回のアルバムではとても自由にやれたよ。さらにちょっと思い切ったほうへ舵を切ってみたんだ」

「思うに今の僕らは、きちんと向き合って興味深いことをやっていれば、何をしていたって問題ないっていうキャリアの段階にいると思うんだ。おかげで極端なこともやれるわけでね。このアルバムはとても入り組んだアルバムで、前作よりも遥かに複雑で、多様性に満ちたアルバムなんだ。まさに旅のようでね。コーラスやスポークンワードに、それから会話形式だったり、これまでに使ったことのない要素もたくさん入っているんだ。多様なアイデアを繋ぐために、フィールド・レコーディングも多用しているよ」

――このアルバムのキャラクターを喩えるならどんなキャラクターですか?

「かなりダークで厄介なキャラクターだと言えるね。これは1人の子供の視点から書かれたアルバムとも言えるんだ。僕のミューズはこのところ息子なんだけど、僕は息子について彼の瞳を通して描いているんだ。息子は自伝の『コール・ブラック・モーニングス(原題)』を書くきっかけにもなっていてね。前の2作でも息子は僕のインスピレーションだったし、これはその続きでもある。僕はいつも異なる視点から曲を書いていてね。本作について言えば、子供時代の恐怖というテーマがその多くを占めていて、あらゆる点で不愉快なものになっているんだ。スウェードは不愉快なものであるべきなんだよ。それこそがスウェードのようなバンドの存在意義だと思うんだ。愉快なものにしようとしたところで、それがハマることはないんだよ。僕らはスウェードという世界の住人である必要があって、それってすごく感じのいい場所ではないんだ! 不法投棄されたゴミが田舎道に散らばった、高速道路沿いの田園風景のような場所なんだ。金網のフェンスが張り巡らされていて、そこには腐敗したアナグマの死体が転がっている。僕はある特定の場所を舞台にした曲を作りたいと思っていてね。初期の曲は都会的だったけど、今回は僻地と言えるんじゃないかな?」

――不愉快な要素はどこで見つけるのですか?

「あらゆる場所で見つかるよ。人生のあらゆる地点に存在するんだ。人生における素敵なことなんか誰も聴きたくないわけでね。僕の人生がとりわけ不愉快だっていうことではないにせよ、そういうものに魅力を感じるんだ。そこにテンションがあるわけでね。押し引きっていうね。誰もハーモニーなんて書きたくないわけでね。そんなの面白くないからさ。本当のところは、僕は上手に書けないから、書かないことにしたっていうだけだけどね」

――2018年に私たちが迎えているひどくナンセンスな世情を映し出すのに適した言葉があると思いますか? また、EUを離脱するイギリスについては言及する可能性はありましたか?

「それって興味深いことだよね。僕らは武器を選び、そして戦場を選ばなければならない。特定の事象に絞らないとすれば、どんなことが書けると思う? すべてについて? 世の中について? それとも歴史かい? 僕はいつだってミクロなことについて書いてきた。どういうわけか、それはマクロなことまで明らかにしてくれるからね。人間関係について話すことは、政治的なことを描く素晴らしいキャンバスになるんだ。僕は一度たりとも『全体像』を正確に描けたことはない。そんなことできるアーティストはほとんどいないだろうね。それは政治家の役割なんだ。アーティストの役割は、もっとミステリアスなものを明らかにすることなわけでね。答えを提示するのはアーティストの仕事ではなくて、ミステリーを掘り下げて疑問を投げかけることがアーティストの仕事なんだ。僕らは自分がどのキャンバスで表現するかを選ぶ必要がある。人生の些細な部分について話すとき、僕らはそれよりも大きな真実を明らかにできるんだよ。けど、EU離脱のアンセムはないね。これが見出しになるのかい?」

――いいえ。私としては安心したのです。スウェードが不愉快になる必要があるということであれば、バンドについて回る期待は大きなものとなりますか?

「それについては僕もよく考えているよ。僕らは過去に誤った方向へ進んでしまったからね。僕らの『ア・ニュー・モーニング』というアルバムは、あらゆる意味で災難だった。本当にひどいアルバムだったよ。スウェードのファンという概念を覆して、あらゆるクリシェに抵抗しようとしていたんだ。アーティストにとっては実に興味深い問題だよね。『オーディエンスの望みにどれだけ応えて、彼らをどれだけ先導できるのか?』っていうね。それって政治家にも当てはめられるだろう? 有権者や世論、民衆の多数意見に基づいて決定を下す政治家もいるわけでね。不評な決断を下す政治家たちもいるけど、彼らだってそういうことは承知の上なんだ。アーティストとファンにも同じことが当てはまるんだよ。ファンの望みにチャレンジすることが大切なんだ。彼らに迎合してしまえば、自らのパロディと化してしまうからね。僕は常にそれを避けようとしてきた。紙一重の差なんだけどね。この差はとても興味深いものなんだ。僕らは人々を誘導して自分たちのアイディアに導くわけだけど、それを自分たちの言葉でやらなければいけないんだ。それもフレッシュな言葉でね」

――再浮上してからそうした欲求があることに気づいたのですか?/strong>

「実際のところは分からないな。僕らのファンがチャレンジされることを望んでいるという事実には励まされたけどね。彼らは僕らにできるベストなものを望んでいて、それと同時に僕らには明確なヴィジョンを持っていて欲しいと思っているんだ。アルバムを聴いたり音楽を聴いたりしている人たちが、麻痺して愚鈍になっていってるっていう定説があるけどさ。メインストリームはそうなっているのかもしれないけど、世の中全体がそうなっているっていうのはミスリーディングだと思うんだ。チャレンジされることを望んでいる人たちはたくさんいるし、アルバムという体験を望んでいる人だって大勢いるんだ。彼らには何曲かの痛み止めのようなポップ・ミュージックでごまかされるつもりなんてないんだよ。彼らが求めているのは冒険なんだ」

――最近の音楽では何を聴いていますか

「ここ最近で初めて外へ買いに出かけたアルバムは、シェイムの最新作だね。そう思わせてくれたバンドはしばらく出てきていなかったよ。『ソングス・オブ・プレイズ』は僕の一押しでね。訴えかけてくるものがあって、語りかけてくるようなエネルギーを感じるんだよ。音楽的にも素晴らしいし、ギター・プレイもファンタスティックだよね。ファット・ホワイト・ファミリーやキャベッジも大好きだよ。自分たちのサウンドを打ち出そうとしているバンドたちが何組もいるよね。今の時代にもそういうバンドのためのプラットフォームがまだ存在するのかは分からないけど、僕はそういうことにさほど関心がないんだ。だから、彼らが世の中にどう認知されていくのかは分からないけどね。僕らにできるのはフィルターを通してあげることくらいなんだ」

スウェードのニュー・アルバム『ザ・ブルー・アワー』は9月21日にリリースされる。

トラックリストは下記の通り。

As One
Wastelands
Mistress
Beyond The Outskirts
Chalk Circles
Cold Hands
Life Is Golden
Roadkill
Tides
Don’t Be Afraid If Nobody Loves You
Dead Bird
All The Wild Places
The Invisibles
Flytipping

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