U2やザ・ローリング・ストーンズなどとの仕事で知られるスティーヴ・リリーホワイトがLUNA SEAの新作『CROSS』の共同プロデュースを手掛けたことを受けて、ここではスティーヴ・リリーホワイトとSUGIZO(Gt/Violin)の対談をお送りする。スティーヴ・リリーホワイトと言えば、U2の初期3作『ボーイ』、『アイリッシュ・オクトーバー』、『WAR(闘)』をはじめ、『ピーター・ガブリエル III』、デイヴ・マシューズ・バンドの諸作など、数々のヒット作を手掛け、グラミー賞も5度受賞している名プロデューサーだが、その手腕はLUNA SEAが結成30周年のメモリアル・イヤーにリリースする通算10作目のニュー・アルバム『CROSS』でも発揮されている。
『アナと雪の女王2 オリジナル・サウンドトラック』収録曲“Into the Unknown”でフィーチャーされたことで、さらに注目度が高まったノルウェーのシンガー・ソングライター、オーロラが11月の最終週に初来日公演を行った。
今年でデビューから25周年を迎え、すっかりベテランの領域に突入したジミー・イート・ワールドだが、彼らは今も、飽くなき探究心で常に先を見据えながら旅を続けている。ベーシストのリック・バーチ曰く、「今を生きて、この旅を大切にしながら、目的地に囚われ過ぎないように進んで行くことこそが自分たちにできるベスト」であることを自覚している彼らにとって最新作『サヴァイヴィング』は、そんな彼らの姿勢をそのまま体現したようなアルバムになっている。来年3月にはダウンロード・フェスティバル・ジャパン2020での来日も決定している彼らだが、ここに掲載するレーベルによるリック・バーチのオフィシャル・インタヴューでは、本作での新たな「チャレンジ」や前作と同じ制作陣を起用した理由などに触れながら、最新作に込められた思いが紐解かれている。
フォールズにとって2019年に入ってから2作目となる、壮大にして渾身のアルバム『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト・パート2』のリリースが控える中、『NME』のアンドリュー・トレンデルはすっかり臨戦態勢に入った彼らのもとを訪れ、「退行の10年」やその後の世代に残されるものについての話を聞いた。
今年1月にリリースしたシングル“Don’t Call Me Up”が記録的なヒットとなり、イギリス人女性アーティストが今年リリースしたシングルの中で現時点で最大のヒットとなっているメイベル。9月4日にデビュー・アルバム『ハイ・エクスペクテーションズ』で日本デビューを果たしたタイミングで彼女に話を聞くことができたので、『NME Japan』ではメイベルに「今の自分を形作ることになった5曲」を挙げてもらった。その後のインタヴューでは両親であるネナ・チェリーとプロデューサーのキャメロン・マクヴェイから受けた影響や、ヒット曲“Don’t Call Me Up”のインスピレーションとなった体験についても語ってくれている。
11月に待望の来日公演が行われることを記念してNME Japanでは最新作『デルタ』リリース時の『NME』による独占ロング・インタヴューを掲載します。本国イギリスをはじめ欧米ではすっかりアリーナ・バンドとなった彼らを貴重なサイズの会場で観られる機会を前に、ぜひ彼らの歩みを感じ取ってもらえたらと思います。
2018年の9月に最新作『フォー・クライング・ アウト・ラウド』の長きにわたるワールド・ツアーを終え、バンドとして休息期間に入ったカサビアンだが、ギタリストでソングライターのサージ・ピッツォーノがそこで止まることはなかった。本名であるセルジオ・ロレンゾ・ピッツォーノの頭文字を冠したソロ・プロジェクトであるザ・S.L.P.を始動し、初となるセルフタイトルを冠したソロ・アルバムをこの度完成させている。「すぐに退屈してしまうタイプ」だというサージ・ピッツォーノがバンドのオフの期間を利用して完成させたアルバムは、既に書き上げていたという「一方その頃……」を意味する“Meanwhile…”がコンセプトになった3曲の隙間を埋めるように作り上げた「ロード・ムービー」のようなアルバムになっている。
先日、『パート1』が今年のマーキュリー・プライズにノミネートされたが、フォールズが今年リリースする『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト』という2部作は2019年のUKロックを代表する作品として語られていくことは間違いないだろう。『パート2』がつい先日、10月18日にリリースされることも発表されたが、「守られないものはすべて失われる」という意のアルバム・タイトルは2019年という時代の核心に突き刺さるものとなっている。政治も、経済も、環境も、ヒューマニティも、途轍もないスピードで拙速な変化が行われ、一方で未来は先すぼみなものに見えていく。驚異的なライヴ・バンドとして知られ、サマーソニック2019での来日も決定している彼らだが、その前にこの2部作が見据えているものは何なのかを明らかにすべく、NME Japanで行った超ロング・インタヴューを掲載する。
UKにおける若手アーティストたちの登竜門として知られる、ブリット・アウォーズのブリティッシュ・ブレイクスルー賞。今年の2月に行われた第39回ブリット・アウォーズ授賞式でその栄冠に輝いたのは、スコットランド出身のトム・ウォーカーだった。元々はロック・バンドの一員だったというトム・ウォーカーは、ソロ・アーティストたちが台頭していった時代に呼応するようにシンガー・ソングライターとしてのキャリアをスタートさせると、3月にリリースしたデビュー・アルバム『ホワット・ア・タイム・トゥー・ビー・アライヴ』で全英1位を獲得するなど、アデルやサム・スミス、エド・シーラン、ラグンボーン・マンといったUKのシンガー・ソングライターの系譜を着々と歩んでいる。
リアム・ギャラガーの復活を誰が予測できただろうか? おそらく、フィルムメーカーのチャーリー・ライトニングはその1人だろう。彼はオアシスが最後となるアルバム『ディグ・アウト・ユア・ソウル』をリリースした2008年からリアム・ギャラガーと仕事をしてきた。リアム・ギャラガーはオアシスの解散を経て、新たなバンドであるビーディ・アイの結成/解散を経験し、活動をしばらく休止した後で、2017年にソロ・デビュー・アルバム『アズ・ユー・ワー』で見事に復活を果たし、同作はプラチナムに認定されることとなった。
2013年発表の『モダン・ヴァンパイアズ・オブ・ ザ・シティ』以来6年ぶりとなる通算4作目のアルバム『ファーザー・オブ・ザ・ブライド』は、全18曲におよぶヴァンパイア・ウィークエンドにとってこれまでで最も収録曲数の多いアルバムとなっている。2019年というストリーミングの時代において、フロントマンのエズラ・クーニグ自身、楽曲数が多いことで聴かれる確率が低くなる曲ができてしまうことは自覚しているとしながらも、「そうする必要があった」アルバムであることを強調している。
レディオヘッドのエド・オブライエンは先日、英国王立鳥類保護協会による新たなプロジェクト『レット・ネイチャー・シング』の発表会見に出席している。
最も地に足が着いたメンバーだったベーシストのワルター・ジャーヴァース が抜け、2015年の『ホワット・ウェント・ダウン』以来、陣営が大きく変わることとなったフォールズだが、彼らは結束力を強め、3月8日に『パート1』がリリースされた2枚組の鋭利なアルバム『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト』を携え、帰ってきた。『NME』のアンドリュー・トレンデルはヤニス・フィリッパケス率いるバンドに会いに行き、友情や野心、アルバム、混沌とした世の中で生き残る秘訣についての話を聞いた。
とても楽しく、贅沢なアルバムが完成した。トレヴァー・ホーンのニュー・アルバム『Trevor Horn Reimagines – The Eighties Featuring the Sarm Orchestra』だ。80年代屈指の売れっ子プロデューサーとして数々のヒット曲を手がけた「80年代を創った男」が、その80年代を代表するヒット曲を、豪華ゲスト・ヴォーカリストを迎え、生のフル・オーケストラでカヴァーするという企画アルバムだ。
シェフィールド出身のブリング・ミー・ザ・ホライズンはかつて、ロック・ファンから愛と憎しみの双方を向けられるような生意気なバンドだった。彼らは今やUKにおける最高のライヴ・バンドの一つに成長している。『NME』のアンドリュー・トレンデルは、大胆で輝かしい、境界を押し拡げるような新作『アモ』のリリースに先駆けて、レディングやベルリン、ロンドンに赴き、死や離婚、新たに見出した幸福の意義による新たな改革について話を聞いた。
この1年の間にペール・ウェーヴスはUKにおける屈指の失恋ソングの作り手という評価を確立してきた。『NME』のトーマス・スミスは、デビュー・アルバム『マイ・マインド・メイクス・ノイジーズ』のリリースを控えていた彼らと、失恋映画の聖地であるイリノイ州で会い、互いの思想を音楽に落とし込む方法や、いかにヘザー・バロン・グレイシーがバンドメイトのためなら命を捧げられると思っているかについて話を訊いた。
日本盤が本日リリースされたコーダラインのサード・アルバム『ポリティックス・オブ・リヴィング』。先日はリード・シンガーのスティーヴ・ギャリガンによるインタヴューの前編をお届けしたが、今回掲載する後編では、主に楽曲の歌詞やバックグラウンドについて語られている。スティーヴン・ギャリガンが「この6年で世界中を回ってきて、そこで感じたことを反映して作った曲の集まりだ」と語っているように、幅広い世界を目撃してきた彼らは、本作で多彩なプロデューサー陣を起用している。しかしながら一方で、家族をテーマにした歌詞や、母国アイルランドの伝統的な楽器であるイーラン・パイプのサウンドを取り入れるなど、彼の言葉を借りれば「毎日の生活の中での駆け引き」という意味で名付けたというサード・アルバムは、彼らが自らのルーツに真摯に向き合った作品でもあるのだ。ここに掲載する発言から伝わってくるのは、新たなフェーズに突入した彼らが今、紛れもない自信に満ちているということだ。
デビュー以来、立て続けに2作で地元アイルランド・チャートの首位を獲得し、全英アルバム・チャートでも両作を5位以内に送り込んできたアイルランド出身の4人組バンド、コーダライン。本日9月28日にリリースされた彼らのサード・アルバム『ポリティックス・オブ・リヴィング』は、これまでセルフ・プロデュースが主だった彼らが幅広い共作陣を起用して、前2作とは「まったく違う方向」へ舵が切られた意欲作である。
引退だって? まったく、何を言っているのやら。最も偉大な存命のソングライターであり、何でもこなす素晴らしい人物で、他ならぬザ・ビートルズの元メンバーである現在76歳のポール・マッカートニーは今、ニュー・アルバム『エジプト・ステーション』を携えた新たなワールド・ツアーをスタートさせている。『NME』のダン・スタッブスがロンドンでポール・マッカートニーにインタヴューを敢行し、ジョン・レノンやチャールズ・マンソン、地球温暖化、歳を取ること、そして、「Fuh-ing」について話を訊いた。
今年2月に通算5作目となる最新作『オールウェイズ・アセンディング』をリリースしたフランツ・フェルディナンドが11月にジャパン・ツアーを行う。今年1月には新木場スタジオ・コーストで一夜限りの公演も行っているがこちらはアルバム・リリース前のプレショウで、新作を引っ提げた本格的なツアーは今度の来日公演となる。そこで、今回はフロントマンのアレックス・カプラノスに遠い記憶まで遡ってもらいながら、彼の発言を交えて、来日公演の歩みを振り返っていきたい。
アークティック・モンキーズが帰ってきた。けど、ピアノ? SF的なテーマ設定? そして、なんとリフはなし? 『NME』のケヴィン・EG・ペリーはハリウッド記念墓地でアレックス・ターナーに会い、彼の天才的な才能について困惑させ、しかし、それを永久的に照らし出し、確固たるものにさせることとなるであろう新作『トランクイリティ・ベース・ホテル・アンド・カジノ』についての話を聞いた。
スウェードは通算8作目となるニュー・アルバム『ザ・ブルー・アワー』の詳細を発表している。
ニュー・アルバム『ボーディング・ハウス・リーチ』の制作は、まずアパートの一室で「ギターやピアノを使わずに曲作りをする」というアイディアからスタートしたという。なので、21世紀唯一無比のギター・ヒーロー、ジャック・ホワイトのアルバムであるにもかかわらず、本作はこれまでのディスコグラフィーと較べても、いわゆるギター・リフが極めて少ない作品となっている。しかし、このアルバムを聴いた人の多くは、これぞジャック・ホワイトのアルバムであり、「ギター」・アルバムだと思うのではないだろうか。
この人ほどビジネスとしての側面のロックにこだわり続けるアーティストはなかなかいないだろう。そして、その新たなリリースがこれまた規格外の内容で話題を呼んでいる。キッスのジーン・シモンズは自身のロック生活50年を記念して、手渡しによるボックス・セット『ジーン・シモンズ:ザ・ヴォールト・エクスペリエンス』をリリースする。お値段は通常のボックス・セットが2000ドル(約22万円)。さらに、一緒にスタジオに入ってエグゼクティヴ・プロデューサーになれる「ザ・エグゼクティヴ・プロデューサーズ・エクスペリエンス(25000ドル:約270万円)」と自宅にジーン・シモンズを招くことのできる「ザ・ホーム・エクスペリエンス(50000ドル:約550万円)」なるものも用意されている。ボブ・ディランやヴァン・ヘイレン兄弟とのコラボレーションも聴くことのできる、このボックス・セットについてLOUD PARK 17での来日時に話を聞かせてもらった。
ミューズの「ドローンズ・ツアー」のサポート・アクトへの抜擢や、今年のグラストンベリー・フェスティバルではリアム・ギャラガーと同じステージに出演するなど、デビュー以来順調にキャリアアップを果たしてきたナッシング・バット・シーヴスは、今の時代においてもイギリスならではの真っ当なロック・サウンドを真正面から奏でられるということを証明してきたバンドである。
ロックンロールの裏の裏を知り尽くしたヤクザ者が、ダンス・ミュージック界の貴公子を連れて、更なる悪役(ヴィラン)として帰ってきた! クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジにとって通算7作目となった『ヴィランズ』は今年を代表する傑作である。
9年ぶりとなる来日公演の前にはF1のシンガポール・グランプリでのパフォーマンスが控え、今年の春にはロラパルーザ・チリへの出演を含む南米ツアーを行うなど、間もなく結成40周年を迎えるデュラン・デュランは、現在進行系で今もワールドワイドの第一線で活躍している。
レディオヘッドのトム・ヨークと、フランツ・フェルディナンドとスパークスによるFFSをヘッドライナーに迎えた2015年の初開催から2年。今年で3年目を迎えるHostess Club All-Nighterは、開催が正式に発表される前から恒例行事のようにファンの間でラインナップの予想が始まっていた。蓋を開けてみれば、セイント・ヴィンセントとモグワイという2組の素晴らしいヘッドライナーを筆頭に、待ちわびていたファンも垂涎のラインナップが発表されている。開催を数週間後に控え、『NME JAPAN』では独自の視点から見所を考察してみた。ここに、3年目を迎えるHostess Club All-Nighterにおける10の見所を紹介しよう。
弱冠18歳のソングライター、デクラン・マッケンナが本日7月26日にデビュー・アルバム『ホワット・ドゥ・ユー・シンク・アバウト・ザ・カー?』で日本デビューを果たしている。
ボサボサの髪の隙間から明るい画面を何時間も見つめるのが得意な世代の人間が、90年代ならではの「優美な」ギターや不機嫌なヴォーカル、そして8人家族が寝泊まりできるほど大きいエフェクター・ボードによるシューゲイザーに共感できるものを見出してきたことは驚くにあたらない。しかし、新参者はどこから聴き始めれば良いのだろうか? ここに紹介するのは90年代から続くシューゲイザー・シーンから『NME』が選んだ10枚だ。