20 ボブ・ディラン
Newport Folk Festival ’63
1963年および1964年、ボブ・ディランが見せたこの偉大なフォーク・フェスティバルでのパフォーマンスは「カーディガンを着たすごいヤツ」の称号を彼に与えた。しかし、それは、クリスマス・プレゼントとしてもらったものの、サンタクロースの絵柄のついたカーペットを汚してしまう子犬のようなもので、1965年の初の「エレクトリックに転向した」パフォーマンスでは、観客からはブーイングと総スカンを浴びることにた。確かに最も評判のよかったアクトではないが、歴史的に最も重要なステージだ。
19 ホール
Reading Festival ’94
カート・コバーンの自殺とベーシストのクリスティン・ファフの死からほんの数ヶ月後、ホールはレディング・フェスティバルで演奏している。残酷で、カタルシスに溢れ、断崖絶壁の上をフラフラするような感じで、少しイカレている、ホールのパフォーマンスは、車の衝突事故のようでありながら、それでいて心がざわつくほど鮮やかだった。“Asking For It”のような曲も歌詞を変えて彼らの悲劇に言及したことで、そのステージはさらに心に突き刺さるものとなった。
18 ダフト・パンク
Wireless Festival ’07
このフランスのデュオは、“Human After All”、“Together”や“One More Time”、“Music Sounds Better With You”などのヒット曲のメドレーと、重そうなロボットみたいなヘルメット(どこに呼吸用の穴があるんだろう?)、息を呑むようなライティング演出と、いわゆる「ル・クール(Le Cool)」のセンスをハイド・パークに持ち込んでみせた。実はこの2人、あのスーツを実際に身につけていたわけではなかったという噂が、彼らの神秘的な雰囲気に拍車を掛けた。いや、失礼、「ル・ミスティーク(le mystique)」だ。
17 ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー
Monterey Pop Festival ’67
ビッグ・ブラザーでヴォーカルを務めていたジャニス・ジョプリンが、パンチのある歌声のフロントウーマンから、本物のスターになった瞬間だ。締めに歌われた6分間の“Ball And Chain”にはただただ驚くばかり。ママ・キャスが「すごい、ヘヴィーね」と言っているのが、このフェスティバルのフィルムに残されているが、それはすなわち「すごい素敵じゃない?」という意味だと確信できる。
16 フレーミング・リップス
Glastonbury Festival ’03
フワフワした毛の動物たちが踊り、巨大な張子の手が現れ、これはロックなのかアートなのか? 答えはそのどちらでもない。これはコカインをくらった「セサミ・ストリート」だ。人生を味わいつつ(彼らは「ハッピー・バースデー」を2人の観客のために歌っている)ウェイン・コインは熱烈な牧師みたいに説教していた。実に忘れがたいステージだ。
15 クイーン
Glastonbury Festival ’03
80年代の初め頃には、ほとんどの人がクイーンの荘厳なロックは賞味期限切れだと思っていた。だから、ライブ・エイドでのパフォーマンスがあまりにも象徴的だったことは大きな驚きだったのだ。フレディ・マーキュリーがあの孔雀みたいな衣装でステージに現れた瞬間、なにか歴史に残る体験が始まるのは明白だった。では、皆さんおそろいで「ALL WE HEAR IS/RADIO GA-GA/RADIO GOO GOO(僕らに聞こえるのは/レディオ・ガ・ガ/レディオ・ゴー・ゴー)」(手拍子を合わせよう)。
14 ザ・プロディジー
V Festival ’97
このバンドの人気はアルバム『ザ・ファット・オブ・ザ・ランド』で頂点に達していた(キース・フリントは公認の「トップ・オブ・ザ・ポップスを超えてる怖いヤツ」になっていた)。彼らのVフェスティバルのパフォーマンスは超満員になり、観客が押し合いへし合いするのを止めるために、ステージは15分の中断を余儀なくされた。リアム・ハウレットはのちに、これは彼らのベスト・ギグの1つだったと語っている。
13 ビヨンセ
Glastonbury Festival ’11
グラストンベリーでヘッドライナーを務めた最初の女性として歴史を作りながら、ビヨンセのパフォーマンスは、彼女が会場に着く前からすでにものすごいものになる予感があった。だから、彼女が今世紀最大級のポップ・ミュージックのバック・カタログを引っさげて、ステージを破壊するような激しく熱い姿勢で臨んでも、Y染色体が見渡す限りまったく見当たらないこの場所では、まったく問題なかった。
12 ザ・スミス
Glastonbury Festival ’84
1984年のグラストンベリー・フェスティバルのラインナップを一瞥すれば、物事が変わりゆくということが明らかになる。古くて退屈なもの(ジョーン・バエズ、タンジェン・ドリーム)と出来たての熱いもの(ザ・スミス……そうだな、本当にそうだ)が混ざり合っている。モリッシーは少し羽を逆立てたかもしれないけど、マイケル・イーヴィスは、後にこのバンドの登場で「イベント全体が変わったんだ」と語っている。(グラストンベリー愛好者のみんな、勝利のウエーブだ)
11 ペット・ショップ・ボーイズ
Glastonbury Festival ’10
PSB(ペット・ショップ・ボーイズ)は、前衛的な小道具やきらびやかに着飾ったダンサー、コールドプレイの“Viva La Vida”のポッパーズ・オクロック版、そして熱狂させるヒット曲の数々(“Go West”、“Suburbia”そして、締めの“West End Girls”)が観客をミューズ(同じタイミングでステージを行った)をすっかり忘れさせた。
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