20位 アラン・ウォーカー


幕張会場では最終日のマリン・ステージを、大阪会場では2日目のオーシャン・ステージを締め括る3組のDJ/プロデューサーによるパフォーマンス。そのトップバーターを務めるのが、トレードマークの黒いマスクで知られるノルウェー出身のアラン・ウォーカーだ。2015年にリリースした“Faded”で一躍注目を集め、新世代を担う一人としてEDMのシーンを牽引してきた現在21歳の彼から始まる流れは、メイン・ストリームですっかり市民権を得た昨今のダンス・ミュージック・シーンにおけるEDMを象徴するものになるはず。メロディを主体にしたそのプロダクションで、オーディエンスの心と身体をしっかりと掴んでくれそうだ。

19位 グレイス・カーター


“Boo’d Up”でブレイクを果たしたエラ・メイを筆頭に、同じく今年のサマーソニックに出演するマヘリアや、昨年にグレイス・カーターと共にツアーを回ったメイベルを初め、一つの潮流になりつつあるUKにおける女性R&Bシンガーのシーン。毎年期待の新人を発表しているBBCサウンド・オブ・2019で今年の3位に選出されたグレイス・カーターは、その最注目株の一人である。デビュー・アルバムこそまだリリースされていないものの、デュア・リパやラグンボーン・マンらのサポート・アクトに抜擢されるなど、既にステージの上では十分な経験を積んでいる。名曲“Why Her Not Me”を生で観られる機会を心待ちにしている。

18位 ペール・ウェーヴス


昨年、サマソニの舞台で初来日を果たした彼らが、高い演奏力と圧倒的な貫禄で観客を魅了したことは記憶に新しい。ザ・1975やウルフ・アリスを擁するダーティー・ヒットの注目株であるペール・ウェーヴスは、ゴシックな美学に浮遊感がある煌びやかなサウンドが調和して、見事なポップネスを体現しているバンドだ。2018年秋に衝撃のデビュー・アルバム『マイ・マインド・メイクス・ノイジーズ』をリリースし、大規模なUSツアーを始め全世界でパフォーマンスを行ってきた彼らが、今年のサマソニの舞台で昨年の衝撃を更新してくれることは間違いないだろう。進化を遂げた彼女たちのステージを楽しみにしたい。

17位 キャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメン


ロックンロールの力を信じ、無邪気に貫き通すキャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメンがソニック・ステージのトリを飾る。2年前のフジロックでは、シンプルな直球のギター・ロックが映える、衒いのない熱いパフォーマンスで観客を熱狂させた。今年、U2やキラーズを手がけたプロデューサーのジャックナイフ・リーを迎えたサード・アルバム『ザ・バランス』を発表した彼らは、サマーソニックの舞台でもより骨太で頼もしい姿を見せてくれるに違いない。ロックンロールがロックンロールとして存在するだけで、圧倒的な輝きを放つそのマジックを信じることバンドは、ライヴでこそその真価を体感することができる。

16位 マシン・ガン・ケリー


もうすでに白人ラッパーとして確固たる地位を築いたことは間違いないだろう。パンクからの影響を公言するマシン・ガン・ケリーは、2012年にP・ディディ率いるバッド・ボーイからデビューして以来、そのステージネームの由来にもなった矢継ぎ早のラップにロックのアティテュードを融合させながら、今でこそエモとのクロスオーヴァーが珍しくなくなったヒップホップのシーンで異彩を放ってきた。昨年から繰り広げているエミネムとの一連の論争でも話題になっているマシン・ガン・ケリーだが、先月には通算4作目となる最新作『ホテル・ディアブロ』もリリースされており、嬉しいタイミングでの初来日となる。様々なところで注目を集める彼の存在感を生で感じたい。

15位 ゼッド


2012年にソニックマニアと大阪のサマーソニックで日本のフェスに初出演を果たして以来、単独公演を含め日本のフロアを何度も盛り上げてきたゼッド。EDMの人気の高まりと比例するようにスターダムの階段を駆け上がり、今や世界各国のEDMフェスでヘッドライナーの常連となっている彼だが、ザ・チェインスモーカーズの前というスロットで2組を続けて観られるというタイムテーブルは、世界的に見ても極めて貴重なものだ。アレッシア・カーラとの“Stay”やマレン・モリスらとの“The Middle”を初めとした数々のヒット曲に酔いしれながら、20周年のサマーソニックだからこそ実現したこの希少な享楽を謳歌したい。

14位 ウィーザー


2000年に開催された第一回のサマーソニックに出演したウィーザーが、20周年を迎える今年のサマーソニックで通算5度目となる出演を果たす。1994年にデビュー作『ウィーザー(ブルー・アルバム)』をリリースしてから25年、リヴァース・クオモの圧倒的なソングライティングでもって彼らはキャリアの紆余曲折を乗り越えてきた。昨年はTOTOの”Africa”のカヴァーで自身にとって2009年以来のヒットを記録し、今年の3月には通算12作目となる最新作『ウィーザー (ブラック・アルバム)』をリリースするなど、ウィーザーは今も新たな境地に挑戦し続けている。長いキャリアを誇る彼らの新しい姿にも期待したいが、まあ間違いのないステージで両者のアニヴァーサリーに華を添えるくれるはずだ。

13位 トゥー・ドア・シネマ・クラブ


なんと今年で5回目のサマーソニック出演だという。このバンドもそのソングライティングの妙でキャリアを築いてきたバンドだ。トゥー・ドア・シネマ・クラブはバンド活動につきまとう様々な苦労を経験しながら、時に活動を休止して、自身のギター・ポップをひたすらまっすぐに追求してきた。その姿は今年6月にリリースされた通算4作目となる最新作『フォールス・アラーム』でも変わらない。オーディエンスが身体を弾ませ、一緒に歌いたくなるような楽曲を書くこと、そこから一切逃げることなく、自分たちの道を歩んできた。2016年には一番大きなステージも経験している彼らだが、今年はソニック・ステージのトリとしてステージの前に素晴らしいフロアを描いてくれるはずだ。

12位 レモン・ツイッグス


ニューヨーク出身のブライアンとマイケルのダダリオ兄弟からなるレモン・ツイッグスもまた、ロックンロールへの愛情を思い出させてくれるバンドの一組だ。2016年に弱冠10代でリリースしたデビュー作『ドゥ・ハリウッド』でクラシックかつニッチなロックンロールに愛を捧げたレモン・ツイッグスは昨年、自らが「ミュージカル」と評するセカンド・アルバム『ゴー・ トゥ・スクール』をリリースしている。共に子役出身だという2人だが、その類まれなるロック・リスナーとしての成熟度によって音楽への偏愛がロックンロール・スペクタクルを生み出すというそんなミラクルを体現してくれる。その後ろ向きではないノスタルジーを存分に堪能したい。

11位 ザ・チェインスモーカーズ


ザ・チェインスモーカーズが前回サマーソニックに出演したのは2016年で、DJセットで幕張会場のビーチ・ステージに出演していた。あれから3年、ホールジーとの“Closer”での巨大な成功を挙げるまでもなく、驚きではないけれど、なんどヘッドライナーに昇りつめてしまった。昨年はシングルを立て続けにリリースして結果的にアルバムになるという、なんともストリーミング時代のやり方でアルバム『シック・ボーイ』をリリースし、今年は同じ方法で『ワールド・ウォー・ジョイ』というアルバムをリリースしようとしている。ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーとのコラボレーションに象徴されるように現在のザ・チェインスモーカーズはロック/エモに接近するスタンスを見せている。その意味でもサポート・ドラマーを迎えたライヴ・セットがどんなマジックを起こすのかを目撃したい。

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