10位 フルーム


ザ・チェインスモーカーズと共に今年のロラパルーザのヘッドライナーの一角を務めたことに驚いた方もいるかもしれない。けれど、現在最も自由に、最もクリエイティヴな形で活動しているオーストラリアのDJ/プロデューサーがフルームだ。2016年にセカンド・アルバム『スキン』をリリースした後で休息期間に入っていたフルームは今年3月、スロータイやソフィーらが参加したミックステープ『ハイ・ディス・イズ・フルーム』をリリースしてみせた。ロードやロンドン・グラマー、チェット・フェイカーなど刺激的なアーティストとのコラボレーションを重ねてきたフルームは、EDMが飽和した現在のシーンでアートとポップ・ミュージックをダイレクトに繋ぐ存在となっている。大規模なステージ・プロダクションも含めて、きっとサマーソニックでも新しい地平を見せてくれるはずだ。

9位 フォール・アウト・ボーイ


欧米のアーティストは夏のフェスティバル・シーズンを連続した日程で回っていくことが多いが、今回のフォール・アウト・ボーイの来日は違う。今回のサマーソニックのライヴは5月以来となり、この後の日程も入っていない。日本での2公演限りのライヴのためにバンドが動いたということだ。これまでサマーソニックに何度も出てきれくれたアーティストが20周年となる年にこういう形で出演してくれるのは本当に嬉しい。昨年はキャリア初となる日本武道館公演を実現させ、レディング&リーズ・フェスティバルでもヘッドライナーを務めた彼らは数々のアンセムとヒット・シングルを持っているバンドであり、きっとラウド・ミュージックを求めるオーディエンスの期待に応えてくれるはずだ。

8位 ディスクロージャー


フレンドリー・ファイアーズの“Heaven Let Me In”を共同プロデュースしたり、カリードの“Talk”のプロデュースを手掛けたりと、プロデュース・ワークでは名前が漏れ聞こえてくるものの、自身の音源ということでは1年前に立て続けにリリースした5曲以降は沈黙を保ってきたディスクロージャーがサマーソニックにDJセットで出演する。今年はマッド・クール・フェスティバルやソナーにもDJセットで出演していて、そうした形で動くことを決めていたのだろう。ディスクロージャーというと自身の洗練された音楽を見事に肉体化してみせたライヴ・パフォーマンスを求めてしまうところがありつつも、きっと彼らのヒット曲を交えたセットでマウンテン・ステージの夜を盛り上げてくれるだろう。

7位 タッシュ・サルタナ


いわゆるループ・ペダルを使ってギターもサンプラーも1人で演奏し、ニクいギター・ソロまで決めてみせる凄腕パフォーマンスをベッドルームで撮影してみたら、YouTubeで5000万回を超える再生回数を記録してしまっているタッシュ・サルタナがついに日本にやってくる。世界各地で大規模な会場を次々とソールド・アウトさせている彼女だが、もちろん、そのパフォーマンスの衝撃、芸としてのインパクトもあるのだけれど、彼女の音楽を素晴らしいものにしているのはやはりその楽曲だ。間やグルーヴをしっかりと湛えた彼女の音楽は、単なる天才プレイヤーという認識を超えて、1人の音楽家としての素養に気づかせてくれる。それが生ではどんな響きをもつのか、ぜひこの目で確かめたい。

6位 ブロックハンプトン


今年のサマーソニックでもそのブランニューな存在感はピカイチと言ってもいいかもしれない。カニエ・ウェストのファンサイトで知り合ったメンバーを中心に構成されるヒップホップ・コレクティヴならぬ「インターネット初のアメリカン・ボーイバンド」、ブロックハンプトンの初来日が実現する。昨年9月にリリースされたメジャー・デビュー・アルバム『イリデセンス』のリリースにあたってRCAと多額の契約金で契約を結んだことも話題となった彼らだが、8月23日には新たなアルバム『ジンジャー』がリリースされることも決定している。これまでのライヴ映像を観る限り、遊び心溢れるパフォーマンスによるステージになることは間違いないので、デジタルの空間で産声を上げたブロックハンプトンの世界がどんな肉体を得るのか体感したい。

5位 チャーチズ


最近は最新作『ラヴ・イズ・デッド』に収録されている“Graves”がテレビ番組「テラスハウス」の新オープニング曲に起用されて、お茶の間にも浸透しつつあるチャーチズだが、今年はデフトーンズが主催するフェスティバルにセカンド・ヘッドライナーで出演することも決定している。その振れ幅たるやすさまじい。しかし、真摯に音楽を聴いてきた人なら分かるブレなさや凛々しさがチャーチズの音楽にはある。チャートだけを賑わしているエレクトロ・ポップにはない作家性がこの人たちにはあるのだ。先日もステージでのコスチュームが露出度が高いと批判を受けて、すぐさまソーシャル・メディアで反論していたフロントウーマンのローレン・メイベリーだが、常に優れた作品をリリースしてきた3作からなるディスコグラフィーの下に、自身の姿勢を曲げないパフォーマンスをしてくれるはずだ。

4位 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ


レッド・ホット・チリ・ペッパーズの前回の来日は2016年のフジロックフェスティバルだが、実はこの時は”Dreams Of A Samurai”でアンソニーがマイクを投げつけた場面などもあり、レッチリらしさが全開のステージとは言えない部分があった。なので、今回のサマーソニックではそのリヴェンジをどうしても期待してしまう。ちなみに、6月にはニューヨークでプライベートなショウを行ったり、7月には学校のチャリティのためのライヴなどを行っているが、フルスケールのライヴということでは3月にYouTubeでも中継されたエジプト公演以来となる。レッド・ホット・チリ・ペッパーズがライヴ・バンドとしてどれだけ優れているのかは言うまでもないが、サマーソニックの20年を祝福してくれるようなステージを期待したい。

3位 フォールズ


ギター・ロックというジャンルがチャートの中心的役割から離れて久しいが、そんなものはどこ吹く風、自身の音楽を独自に追求し続け、今まさに新たな高みに到達しつつあるのがフォールズだ。3月に最新作『エヴリシング・ノット・セイヴド・ウィル・ビィ・ロスト・パート1』をリリースし、10月には『パート2』をリリースすることも決定している彼らだが、『パート2』から公開されたリード・トラック“Black Bull”からも感じ取れるように、『パート2』は「よりヘヴィ」で「ギターがより強調されているし、盛大なリフも入っている」とのことで、今回のサマーソニックは幾度とない肉体改造を経て、160キロの直球ストレートを投げてくる、そんなフォールズを観られる機会となっている。最近のセットリストを見ると、“My Number”、“Spanish Sahara”、“What Went Down”といったキャリアを彩ってきた楽曲も演奏されているので、きっと素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるはずだ。

2位 ブリング・ミー・ザ・ホライズン


2015年の『ザッツ・ザ・スピリット』、そして今年1月にリリースされた『アモ』と大傑作を2作連続でリリースしたことでブリング・ミー・ザ・ホライズンは完全にシーンから抜き出たバンドとなった。しかも、彼らは自分たちの属していたシーンに従うのではなく、「あいつらのパロディーになりたくないがために、シーンから出て行かないといけない」とロック・シーンから敢えて距離を置くことで、そうした進化を成し遂げてみせた。そうしたブリング・ミー・ザ・ホライズンの最新型を観られるのが今回の来日タイミングだ。悲しいことに前作『ザッツ・ザ・スピリット』時はオーストラリアのフェスティバルがキャンセルになった影響を受けて来日公演が実現しなかった。今年5月にロンドンで行われたオール・ポインツ・イーストでは初となるフェスのヘッドライナーを務めた彼らだが、日本のファンの念願に応えてくれるステージを見せてくれるはずだ。

1位 ザ・1975


今、最も旬で勢いのあるアーティストをこの目で目撃できる機会と言って間違いないだろう。サマーソニックにザ・1975が帰ってくる。翌週には本国でレディング&リーズ・フェスティバルでの初のヘッドライナーとなるステージも控えている彼らだが、そこでは「あらゆることをやろうと思ってる」とし、「最高である必要があるんだ」と語っていた。つまり、今回のサマーソニックはその前哨戦となる可能性があるわけで、今ピークに向かいつつある最高の状態のバンドを観られる機会と言ってもいい。なにより昨年、『ネット上の人間関係についての簡単な調査』で『NME』のアルバム・オブ・ザ・イヤーに輝き、来年2月には噂されていた新作『ノーツ・オン・ア・コンディショナル・フォーム(原題)』のリリースが控えているという、多くのバンドの5倍くらいのクリエイティヴィティが爆発している今のザ・1975を早く観たい。

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