10位 エルミーン (8/15 SONIC STAGE)


クリーン・トーンのギターの音色から“Crystal Tears”でライヴは始まったのだが、後ろのヴィジョンには穏やかな海の映像が映し出されている。そして、エルミーンが歌い出すと、一陣の風のようにそのファルセットが伸びやかに響き渡っていく。曲が終わって、「よろしくお願いします」と滑らかな日本語で挨拶すると、ギターのカッティングと共に“Light Work”に入っていき、そのアップテンポな楽曲に観客の身体も揺れ始める。冒頭のスキャットで観客を沸かせたのは“Mad At Fire”で、ファンクネスのある“Honour”ではバックバンドの実力もいかんなく発揮される。しかし、最大の注目を集めることになったのはサプライズで出演した藤井 風で、6月にリリースされていた“Comets + Gold”を藤井 風のピアノで披露していく。客席側は騒然とした雰囲気にも包まれたが、藤井 風がステージを去ってからもエルミーンは最後の“Reclusive”まで自身の声の魅力を発揮して、どのシンガーとも一線を画する孤高さを証明していた。

09位 mgk (8/16 SONIC STAGE)

Photo: 写真は8月15日


真っ赤な照明のなかステージの後ろにはタバコをふかす自由の女神の頭がそびえている。そこに前日とは打って変わってツンツン頭の髪型で、こちらもタバコをふかしながらmgkが登場する。1曲目は“Born With Horns”で、早速観客の手が左右に揺れる。2曲目にはフレッド・ダーストとのコラボである“Fix Ur Face”が披露され、観客をしゃがませてからジャンプさせてみせる。その後も“Starman”ではダンサーとダンスを披露してみせれば、最新シングル“JJK”ではスペシャルなサプライズがあるんだと言って、千葉雄喜本人が登場する。しかし、こうしたコラボレーションも含めて、mgkのキャリアというのは様々なフェーズを経ながら進んできたと思うのだけど、その貫禄が出ていたステージだったと思う。“I Think I’m Okay”のようなかつての楽曲に思いを馳せつつ、“Title Track”ではトレードマークのピンクのギターも登場して、代表曲“My Ex’s Best Friend”を披露した後も、ライヴを最新作『ロスト・アメリカーナ』の楽曲で締めくくっていた。

08位 スティーヴ・レイシー (8/15 SONIC STAGE)


強烈なビープ音のイントロダクションから、リリースされたばかりの最新作『オー・イェー?』のタイトル・トラックでライヴは始まった。2曲目も最新作からの楽曲となる“The Feeling”だったのだけど、マイクを扱う所作一つをとってもその繊細な人柄が伝わってくる。続く“Helmet”ではスティーヴ・レイシー本人もギターをプレイしたのだが、彼のソロ・キャリアが湛えるサウンドの浮遊感はそのギターにそもそも内在されていたものだったことを痛感する。次は彼のウィーザー愛が色濃く反映された“Doom”で、終盤は足下のエフェクターをいじっていたが、かつてのギター・キッズだった頃の面影を想像してしまう。その後は“Buttons”や“Static”といった『ジェミニ・ライツ』の楽曲も披露されつつ、終盤に披露されたのはソロ・キャリアを大きな成功へと導いた“Bad Habit”や“Dark Red”といった楽曲だったのだけど、そうした曲であっても、あくまで彼のパーソナリティの延長線上にあるのが確認できて嬉しかった。

07位 スウェード (8/15 MOUNTAIN STAGE)


ブレット・アンダーソンのフロントマンとしての矜持を見せてくれたライヴだった。ライヴは最新作に収録の“Disintegrate”から始まったのだけど、ブレット・アンダーソンはステージが待ちきれなかったという様子で出てくるなりハンドクラップを煽ってみせる。2曲目は“Trash”だったのだが、この段階でステージ下まで降りていき、“Animal Nitrate”でも観客にシンガロングを求めていく。“Personality Disorder”や“June Rain”といった最近の曲も披露されていくが、“June Rain”でも臆することなくブレット・アンダーソンはステージ下に降りていく。“Filmstar”ではコードを使ってマイクを盛大に回し、“Can’t Get Enough”では問答無用にハンドクラップを求めていく。それはオールドスクールなフロントマン像と言えなくもないけれど、ブレット・アンダーソンその人の力による普遍性のほうが上回っていて、“So Young”、“Metal Mickey”、“Beautiful Ones”というフィナーレまで、その実力を存分に発揮していた。

06位 ラテン・マフィア (8/15 BEACH STAGE)


ヴィジョンに映像が映し出されると、メンバーの楽屋裏の様子を捉えている。そのままステージに出てくるところまでが中継され、メンバーが揃ったところで一気にライヴに突入していく。フレッド・アゲインとのミックステープ制作を生配信した直後の来日となったが、こうしたライヴの見せ方もフレッド・アゲインのスタイルを踏襲している。そこからは音源以上の折衷精神を反映して、何でもありの状態で、“Siento que merezco más”や“Me estoy cayendo”といった楽曲が披露されていくのだが、メンバーは楽屋にはけて倒れ込んだり、はたまたステージ上でうずくまったり、3人の兄弟が思い思いに動き回る様子がリアルタイムで映像で映し出されていく。一時はメンバーがビーチの脇を通って客席側に入り込み、観客に囲まれることになるが、演奏はそのまま続いていく。ハイライトは“nunca he sido honesto.”あたりだったと思うけれど、今後も何かをやってくれるに違いないという確信を抱かせてくれるパフォーマンスだった。

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