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NME Japanでは今年のサマーソニック幕張会場でベスト・アクトの1~20位を選んでみました。とはいっても、多くのアーティストが出演するサマーソニックです。すべてのアーティストを観ることはできません。なので、観られた範囲の中で、あくまで独断で、編集部で観たいと思ったアーティストのなかから、議論を重ねて、このランキングを作成してみました。みなさんのベスト・アクトとぜひ較べてみてください。

20位 カーディナルズ(8/14 MOUNTAIN STAGE)


MOUNTAIN STAGEに着くと、だいぶ厚着のユアン・マニングの姿が目に入る。暑くないのだろうかと思っていると、兄のフィン・マニングがタンバリンを鳴らし始め、ライヴは2024年発表のEPに収録されている“Twist and Turn”から始まった。次はフィンがバンドのトレードマークと言えるアコーディオンに持ち替えて、“She Makes Me Real”に入っていく。ここからは今年リリースされたデビュー・アルバムの曲が続いていくが、大きなスペースのあるロックをやるバンドだと思う。その極みとも言えるのが“Masquerade”で、昨今の風潮とは一線を画した、アイルランドはコーク出身ならではの思い切りの良さを感じる。中盤は“Roseland”やパンキッシュな“Anhedonia”といった曲が披露されていくが、このバンドの魅力が最大限発揮されるのは終盤に演奏された“The Burning of Cork”や“If I Could Make You Care”といった叙情的な楽曲で、まだまだ完成されていないからこその可能性を感じさせてくれた。

19位 クロエ・キシャ(8/14 SONIC STAGE)


3人のバンドメンバーによって“Modern Romance”のイントロが鳴らされると、短めのトップスに大胆にスリットの入ったパンツという出で立ちでクロエ・キシャが手を振りながらステージに駆け込んでくる。軽快な80年代ポップ風の楽曲に続いて披露されるのは“Sexy Goodbye”だが、その観客の視線を惹きつける一挙手一投足には天性のものを感じる。中盤では嫉妬の感情を率直に歌ったポップパンク風の“Evelyn”、エスニックな雰囲気のある“YDH”と、まったくキャラクターの違う多彩な楽曲が披露されていくが、どちらもしっかりとポップに昇華してみせる。そうしたいろんなスタイルを乗りこなしてみせる彼女の魅力はライヴの後半でも発揮されていて、ディスコ調の新曲“Question Of The Day”、バロック・ポップ感のある“21st Century Cool Girl”、膝をついて歌った切実なバラード・パートから始まった“He Likes Boys”、最後に披露された“I Lied, I’m Sorry”まで、様々な音楽性を横断するポップアクトとしての才を感じた。

18位 フローレンス・ロード(8/14 SONIC STAGE)


8月にリリースされたばかりの最新シングル“’7563”からライヴは始まった。ダイナミックなギターが炸裂するライヴ向けのナンバーだが、それをバンドは安定感のある演奏で披露していく。続くのはアイルランドらしさを感じさせる“Storm Warnings”で、“Heavy”がそこに続いていく。シンガーのリリー・アロンが初めての日本でのライヴであることを伝えながら、ベースの細やかなフィンガー・ピッキングで幕を開けたのは“Hand Me Downs”だ。今時珍しい王道のロック・バンドという佇まいのフローレンス・ロードだが、演奏も特別うまいというわけではないのだけど、しっかりと楽曲の魅力を伝えられる基礎体力があるところが嬉しい。中盤は“Figire It Out”や“Miss”といったこのバンドのキャラクターを伝える楽曲を披露しつつ、観客と一緒に腕を上げ下げした新曲“Surprise Surprise”あたりからライヴは佳境へと入っていき、“Break the Girl”を披露したリリー・アロンは「アリガトウ、ダイスキ」と言い残してステージを去っていった。

17位 グッド・ネイバーズ(8/15 MOUNTAIN STAGE)


2024年にリリースしたデビュー・シングル“Home”の大ヒットから2年を経てようやく初来日が実現したグッド・ネイバーズだが、ライヴは最初のEPにも収録されていた“Keep It Up”で幕を開ける。キャッチーさを意識した曲作りが得意な彼らだが、オリ・フォックスとスコット・ヴェリルがヴォーカルを分け合うことでそれを成立させているのがライヴだと如実に伝わってくる。ハンドクラップが広がったところで、突入した最新シングル“Superstar”でもそうした力学は変わらず、“Ripple”でも会場の熱を上げていく。この後はまったくの新曲だという“Mary Jane”も披露され、“Walk Walk Walk”ではオリ・フォックスが客席に降りてきて、全員でしゃがむパフォーマンスも行ってみせる。ライヴの終盤、満を持して“Home”が演奏されると、観客の手が左右に揺れて、最後に演奏された“Daisies”ではオリ・フォックスがフロントマンとしてコール&レスポンスで観客とコミュニケーションを取りながら、ステージを左右に走り回っていた。

16位 コーダライン(8/14 MOUNTAIN STAGE)


有終の美という言葉がまさにふさわしいステージだった。メンバーが手を上げて登場して、スティーヴ・ギャリガンがピアノの前に座ると、“Wherever You Are”からライヴは始まった。最後は観客と共にコーラスをシンガロングして、ハンドクラップからデビュー作の“Brand New Day”に入っていく。今回のツアーと10月にリリースされる新作を最後に解散することを発表しているコーダラインだが、シーンに出てきた当初の楽曲を聴くと、込み上げるものがある。そこからはセカンド・アルバムから“Ready”、サード・アルバムから“Brother”と、ディスコグラフィーを辿るように楽曲が披露されていき、“High Hopes”が終わったところでヴィジョンには赤の文字で「KODALINE」と映し出される。そう、これはその存在を記憶に残しておくための別れの挨拶なのだろう。“The One”では携帯のライトが掲げられ、“Love Like This”、“One Day”とデビュー作の楽曲が続き、最後の“All I Want”は大きなシンガロングに包まれていた。

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