10位 スイム・ディープ “Fueiho Boogie”


不条理な歌詞(「Oh cauliflower, don’t hold me down(ああカリフラワー、俺の足を引っ張らないでくれ)」)から、心がとろけるようなシンセの音まで、“Fueiho Boogie”の8分間は、あなたを飛び跳ねるような気持ちにさせる。そして、このバーミンガム出身のバンドが政治的メッセージを初めて発信した曲でもある。この曲は、客にダンスをさせるクラブなどの深夜営業を最近まで規制していた、1948年制定の日本の風営法について歌っている。


9位 ケンドリック・ラマー “King Kunta”


ケンドリック・ラマーの“King Kunta”は、畏敬の念を感じtている仲間と共に胸を張っているトラックで、Gファンクやジェームス・ブラウン、マイケル・ジャクソン、そしてアレックス・ヘイリーの著書『ルーツ』など様々な要素を、誇らしげに、意図的に参照している。しかし、文化的で歴史的な重いオマージュはすべて横に置くと、この曲を際立たせているのは、この曲独自の肩で風を切るように自信満々で好戦的で反抗的な態度だろう。


8位 ドレイク “Hotline Bling”


この曲のミュージック・ビデオでドレイクが披露したお父さんのような“ダッドダンス”は数多のミームを生み出したが、それが“Hotline Bling”の輝きを曇らせることはない。行き当たりばったりのアルバム『イフ・ユーアー・リーディング・ディス・イッツ・トゥー・レイト』の後に発表されたこの曲は、ドレイクにはまだいい部分が残っていたことを証明している。この曲では、胸を打つビートに、スムースでメランコリックなヴァイブ、そして恋人との日々を振り返りながら嘆いている歌詞が、そのいい部分に当たるだろう。


7位 ジェイミー・エックス・エックス “I Know There’s Gonna Be (Good Times)”


ジェイミー・エックス・エックスの秀逸なソロデビュー・アルバム『イン・カラー』で最もポップな瞬間は、疑う余地もなくこのクールな曲だ。メロウでオールドスクールなグルーヴに乗って、ジャマイカ出身のダンスホール・レゲエ・アーティスト、ポップコーンとアトランタ出身のラッパー、ヤング・サグの独特なヴォーカルが交互に楽しそうに飛び交っている。ロンドン、キングストン、アトランタの3者3様が合わさって、汗ばむようなサマーチューンとなっている。


6位 グライムス “Kill V. Maim”


カナダ出身のエレクトロの魔術師、クレア・ブーシェお気に入りのトラックは、完成度の高い4枚目のアルバム『アート・エンジェルズ』に収録されているこの曲だ。歌詞では安定のイカれっぷりを見せている。これは『ゴッドファーザー PART II』についての曲なのだが、マフィアのボスであるマイケル・コルレオーネが性転換して宇宙を旅するヴァンパイアになっているという設定だ。また、耳について離れないコーラス部分からは血のように怒りが滴っている。


5位 ザ・1975 “Love Me”


チャートを賑わすマット・ヒーリーの大物バンドが、待望のセカンド・アルバムから先行で公開となったこの曲を引っ提げて戻ってきた。上っ面で浅はかな自撮りの文化をポップに表現しており、マット・ヒーリーはその要点を言葉遊びで表現してみせている(「Karcrashian panache(カークラッシアンの堂々たる態度)」)。一方で、バンドメンバーの奏でる音楽は“Fame”時代のデヴィッド・ボウイや、トーキング・ヘッズ、INXSを彷彿とさせる。


4位 フォールズ “What Went Down”


「When I see a man I see a liar(人を見たら嘘つきと思え)」という一節をヤニス・フィリッパケスは内なる怒りを吐き出すために用いており、それはこれまでのフォールズでも最も力強いものとなっている。ギターは獲物の周りを徘徊し、リフの重さに合わせたドラムと共にコーラスでリスナーに飛びかかっている。“What Went Down”はオックスフォード出身のバンドが最も獰猛な部分を見せた曲だ。


3位 ジャスティン・ビーバー “What Do You Mean?”


この曲で我々は皆、ビリーバーになった。時間が傷を癒すとはいえ、素晴らしいメロディはさらに進化して、“What Do You Mean?”は完璧にポップなお菓子に仕上がっている。空気のように軽やかで、地獄のようにキャッチーだ。ジャスティン・ビーバーが世界的スターとして活躍する裏側で、女性の神秘に愛情をこめて取り組む姿を我々に垣間見せてくれている。


2位 ザ・ウィークエンド “Can’t Feel My Face”


“Can’t Feel My Face”は、ザ・ウィークエンドが臆面もなくマイケル・ジャクソンのスタイルでポップ界のスターダムに切り込んでいる曲だ。もちろん、マイケル・ジャクソンがこういった薬物乱用について歌わないだろうことは明らかだ。薬に溺れることと女性を愛することを対比させるのは新しい手法ではないが、エイベル・テスファイが中毒性のあるR&Bをスムースに取り入れたことで、陰のある題材にフレッシュさを加えている。


1位 スケプタ “Shutdown”


2015年最強のトラックは、この即興で作った自己実現の予言詩だ。スケプタは気分の高揚するコーラス(「That’s not me and it’s shutdown/Ring ring pussy, it’s shutdown(それは俺じゃねえ、シャットダウンだ/鳴らせ、鳴らせプッシー、シャットダウンだ)」)を導入に用いて、その後は肝を突くチャンスを決して逃さない。このトラックはジョセフ・ジュニア・アディヌーガがグライム界のキングとして君臨していることを再確認する以上の価値がある。

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