テイラー・スウィフトはサプライズとなった通算8作目となるアルバム『フォークロア』をリリースしたことを受けて、アルバムの制作過程について綴った文章を公開している。
『フォークロア』は多くの曲をザ・ナショナルのアーロン・デスナーが手掛けており、ボン・イヴェールや長年コラボレーションしてきたジャック・アントノフもアルバムには参加している。
「この夏に計画していたことのほとんどが最終的に実現しなかったけれど、計画もしていなかったことが実現したの。それが通算8作目のアルバム『フォークロア』よ」と彼女はアルバムのリリースを発表した際に述べている。今回、テイラー・スウィフトはアルバムの制作過程について綴った文章を公開している。
「視覚から始まったの。いくつかのヴィジュアルが頭に浮かんで、それが私の好奇心をそそることになった。傷の周りに描かれた星。20年後も喪失の香りがするカーディガン。海にどんどん沈んでいく戦艦。子供の頃の森で揺れていた樹。『逃げよう』という押し殺した声、でも、そうはしない。8月ならではの太陽と手から零れ落ちるワインの瓶。ダンスフロアの上で回るミラー・ボール。引き寄せられるウィスキーの瓶。プラスチックで掴まれている手。良かれ悪しかれ自分の運命に結びついてくる一つの流れ。
そうしたイメージはすぐに顔や名前を持ち、キャラクターとなっていった。自分の物語を書かないでも、会ったことのない人、会ったことのある人、会いたくない人の視点でも曲を書けることに気づいたの。どれだけひどいことになるのかを考えている自分の国土ではない断崖を歩く追放された人。ポーチに立たされて謝ることを学んでいる17歳。新緑のニューヨークのハイラインを歩いている恋に夢中の少年。1942年にガダルカナル島に上陸していた私の祖父のディーン。除け者にされた街に愉快な復讐を果たす未亡人。
そうした物語は耳打ちして語り継がれるうちに伝承になっていく。歌になることもあった。現実と空想の線引は曖昧で、事実と嘘の境界はほとんど判断がつかない。憶測が時間とともに事実になっていく。神話や怪談、寓話もそう。
おとぎ話もたとえ話もそうだし、ゴシップや伝説もそう。見ている人がいる宙に書かれた誰かの秘密もね。
隔離している中で私の想像は大胆になって、その結果がこのアルバムになった。意識の流れから溢れ出た物語と曲のコレクションね。ベンを手にとることは私にとって空想や歴史、思い出に逃げる方法だった。そうした物語を私の能力を最大限に使って、ふさわしい愛と驚きと斬新さをもって語ってみたの。
さあ、これを語り継ぐかはあなた次第だわ」
アルバムのリリースに合わせて“Cardigan”のミュージック・ビデオも公開されている。ミュージック・ビデオはテイラー・スウィフト本人が監督を務めている。
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