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ザ・フーのギタリストであるピート・タウンゼントは今は亡き元バンドメイトのキース・ムーンとジョン・エントウィッスルについての物議を醸した発言について釈明している。

ザ・フーは通算12作目となるニュー・アルバム『WHO』を12月6日にリリースすることが発表されており、新作からは先日、3曲目のシングルとなる“I Don’t Wanna Get Wise”の音源が公開されている。

セルフタイトルとなる来たる新作について語った米『ローリング・ストーン』誌によるインタヴューで、ピート・タウンゼントは現行のツアーで演出の1つとしてスクリーンに映し出されるキース・ムーンとジョン・エントウィッスルの映像に懐かしさを感じることはあるかという質問に答えている。

「ザ・フーのファンの人たちは嬉しくないだろうけど、彼らが亡くなったことはありがたかったと思っているんだ」と彼は語っている。

ピート・タウンゼントはそう感じる理由について次のように答えている。「彼らは一緒に演奏するには難しい人たちだったからね」

「彼らが自分たちのためにバンドを作ろうとしたことはなかったわけでね。思うに、バンドを一つにしていたのは、僕の音楽的な規範だったり、リズム・プレイヤーとしての僕の音楽的な能力だったんだ」

ピート・タウンゼントはキース・ムーンとジョン・エントウィッスルの音楽的な素養について疑問を呈しながら、次のように続けている。「ジョンが弾くベースは(オリヴィエ・)メシアンのオルガンのような音だったんだ。あらゆる音や倍音が抜けてしまうところがあってね。彼が亡くなった後で、彼なしで何度か公演を行った時に、ベースに入ったピノ・パラディーノは決してそうなることはなかったわけでさ……それで『おお、まだやれるぞ』と思ったんだ」

「キースについて言えば、僕の仕事はテンポを保つことだった。彼はそうしなかったからね。そういうわけで、彼がなくなった時には、『ああ、僕はもうテンポを保たなくていいのか』っていう感じだったよ」

当該の発言がオンラインで広く報道されたことを受け、ピート・タウンゼントはフェイスブックに自身の発言を謝罪する声明を投稿している。

「人として、友人として、そしてミュージシャンとしても、僕はキースやジョンのことを他の人たちが思っている以上に恋しく思っているよ」

ピート・タウンゼントは続けてキース・ムーンとジョン・エントウィッスルが亡くなったことには今も「怒りを覚えている」とした上で次のように述べている。「時にそういう思いがこみ上げてきてしまうことがあるんだ。自分勝手かもしれないけど、それが僕の気持ちなんだ」

「キースやジョンの家族、特に(息子の)クリス・エントウィッスルと(娘の)マンディ・ムーンに対して、今回の記事や、そこで使ってしまった不注意な言葉を謝罪したい。ここ3ヶ月の間に多くのインタヴューをこなしていたから、集中力や根気がなくなってきてしまっていたんだ」

「僕は自分自身を許したいと思う。彼らも僕のことを許してくれると願っているよ。僕は2人の父親たちを愛していたし、それは今もそうだ」

ピート・タウンゼントによる投稿はこちらから。

https://www.facebook.com/OfficialPeteTownshend/posts/1725209417609383

ザ・フーの元ドラマーであるキース・ムーンはアルコール依存症の離脱症状の治療のために使っていた薬の過剰摂取のために1978年に32歳で亡くなっている。一方で、バンドのベーシストを務めていたジョン・エントウィッスルはコカインによって引き起こされた心臓発作によって2002年に57歳で亡くなっている。

先日、ピート・タウンゼントはザ・フーとして長きにわたって活動できているのはロジャー・ダルトリーとの「心からの関係」がその大きな理由だとして次のように語っている。「今でも共通しているところはほとんどないけど、お互いのことを心から気にかけているんだ」と彼はロジャー・ダルトリーとの関係性について語っている。

一方、ザ・フーは先日、ロンドンに新設されたミュージック・ウォーク・オブ・フェームに設置された最初の石に名前が刻まれている。

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