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レディオヘッドはバンドのドラム・クルーが亡くなったステージ崩壊事故についての審問が終了して、悲劇的な事故を二度と起こさないようにするための28の勧告が言い渡されたことが明らかになっている。

バンドのドラム・クルーを務めていたスコット・ジョンソンは2012年の6月にトロントのダウンズヴュー・パークで公演を行うための準備を進めていたなか、ステージが崩壊したことが原因で亡くなっている。ドンカスター出身の33歳だった彼はキーンを初めとした多くのツアー・アーティストと仕事をしてきていた。この事故では他に3人がケガをしている。

2013年、カナダのオンタリオ州の労働局は労働安全衛生法に違反した疑いで、ライヴ・ネイションと足場を組んだ「オプテックス・ステージング・アンド・サーヴィス」と技術士のドメニック・カリアリを起訴している。ライヴ・ネイションは訴訟の中で違法行為はしていないと否定している。数年にわたる延期を経て、裁判は2017年に「停止」されていた。

今回、3週間におよんだステージ崩壊事故についての審問が終了して、同様の事故を繰り返さないための法的な拘束力を持たない28の勧告が言い渡されたことが明らかになっている。BBCによれば、28の勧告の中には、業者間でライヴ事業者に向けた最善のガイドラインを制定するためのグループを設立することを提案したものもあるという。

亡くなったスコット・ジョンソンの父親で、UKで足場の安全向上を呼びかける活動を行っているケン・ジョンソンも審問に応じている。ケン・ジョンソンは審問後、息子が亡くなる事故が起きてしまった後でも変化が起きなければ「失望するでしょう」と述べている。

「私たちにしてみれば、人生が変わってしまったことをある種受け入れており、感情面での上下も予想されますが、そこから抜け出す方法は見つけ出せないでいます」と彼は述べている。「少なくとも、これである程度の区切りはつくと思っています。(ステージ事故から)7年の間、スコットや事故について話すことのなかった日はその内の1ヶ月にも満たないでしょう。今後そのような会話をする必要がなくなるかもしれないと思うと、とても楽しみです」

レディオヘッドのドラマーであるフィリップ・セルウェイは先日、ステージ崩壊事故についての審問が始まったことを受けて、その審問で自分たちの抱える「怒りと苛立ち」について語ったと報じられている。

「司法機関がスコットや彼の遺族、この業界の他の労働者を裏切ったのです」とフィリップ・セルウェイは審問で語っている。

事故についてフィリップ・セルウェイはバンドメンバーも「最高潮にまで達するガラスの割れる、ものすごい大きな音を聴いた」とし、その後、何が起きたかが分かったと語っている。「この崩壊によってこれまで安全だと感じていたところも危なくなってしまったのです」と彼は続けている。

彼は続けてバンドがリスクを少なくするためにステージをデザインする方法を変えたとし、第三の事業者が関わる時はいつでも安全を確保するためのツアー・エンジニアを雇っていると述べている。

レディオヘッドは昨年、スコット・ジョンソンが亡くなった事故についての説明責任を果たすよう呼びかけている。

フロントマンのトム・ヨークは昨年の7月にステージ崩壊事故が起きて以来初となるトロント公演で観客に次のように呼びかけている。「僕らはトロントで公演をやりたいと思っていたんだけど、ステージが崩壊して、仲間であり友人の1人を失ったんだ」

「君たちの街では説明責任を負う人たちがその責任を果たしていないままでね。その沈黙っぷりといったら、ひどいものなんだ」

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