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プリンスの元レコーディング・エンジニアを務めていたジョージ・イアン・ボクシルは遺産管理団体の承諾なしに未発表音源をオンラインでリリースしようとしたとして遺産管理団体に対しておよそ400万ドル(約4億4400万円)の支払いを命じられている。

ジョージ・イアン・ボクシルは2004年から2008年にかけて4年にわたってプリンスと共に一緒に音源を取り組んでいた。ジョージ・イアン・ボクシルはプリンスが亡くなってから1年後となる2017年の4月に“Touch Me”や“Sunrise Sunset”といった楽曲を含む6曲入りのEP『デリヴァランス』を各種ストリーミング・サービスで一度リリースしていた。

しかしながら、『デリヴァランス』のリリースからすぐに、プリンスの遺産管理団体はジョージ・イアン・ボクシルに対してプリンスの死から「搾取しようとしている」として訴訟を起こしており、これを受けてリリースは取り下げられている。裁判所はジョージ・イアン・ボクシルに対してリリースの禁止命令も出している。

ジョージ・イアン・ボクシルは今回、2018年8月に裁定された仲裁裁定に基づいてプリンスの遺産管理団体に対して396万ドル(約4億4000万円)を超える賠償金の支払いを命じられている。米『ビルボード』誌によれば、現地時間4月8日にミネソタ州の連邦裁判所が判決を下したという。

遺産管理団体のエンタテインメント・アドバイザーを務めるトロイ・カーターは『ヴァラエティ』誌に今回の判決について次のように述べている。「プリンスは他に類を見ない才能豊かなミュージシャンでした。遺産管理団体はプリンスが意欲的に生み出した音楽を守ることに成功し、ボクシル氏に賠償命令が言い渡されたことに満足しています」

ジョージ・イアン・ボクシルはまた、プリンスと共作した作品の権利を遺産管理団体に引き渡すことも命じられている。

ジョージ・イアン・ボクシルについては以前、遺産管理団体が起こした訴訟の中で、共作した楽曲の権利は「プリンスのみに限定されたもの」になるとする秘密保持契約をプリンスと結んでいたとされていたことが報じられている。ジョージ・イアン・ボクシルはまた「いかなるレコーディング音源や資産を利用しない」ことや「要求があれば音源や資産の権利をプリンスに直ちに引き渡す」ことに同意していたともされている。

ジョージ・イアン・ボクシルはEP『デリヴァランス』をリリースした際、プレスリリースで次のように述べている。「彼が亡くなってから1年を迎えることを記念してリリースされる『デリヴァランス』は、あらゆることが起きている今日の世の中においてタイムレスな作品になると信じています。これらの楽曲を歌うプリンスの歌声を聴いた多くの人々に安らぎがもたらされることを願っています」

一方、プリンスは今年のレコード・ストア・デイに際して幻のカセット『ザ・ヴェルサーチ・エクスペリエンス』の復刻を含む2種類の特別な限定商品がリリースされることが発表されている。

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