GETTY

Photo: GETTY

ニルヴァーナはカート・コバーンとクリス・ノヴォゼリックが1989年に受けた未公開のインタヴュー音源が公開されている。

インタヴューは、マンチェスター出身のジャーナリストでザ・メンブレインズのフロントマンであるジョン・ロッブによるもので、ニルヴァーナがファースト・アルバム『ブリーチ』のプロモーションとして全米ツアーを行っていた際にニューヨークで行われたものとなっている。

カート・コバーンとクリス・ノヴォゼリックは20分間のインタヴューの中で、ルーツとなっている故郷や、そこからいかに逃げ出したいと考えていたかについて語っているほか、ライヴをいかに楽しんでいたかや、楽曲制作の方法の変化、将来的な夢についても語っている。

サブ・ポップと契約した直後に行われたインタヴューの中でカート・コバーンは「俺は6年くらいこのスタイルで音楽を書いている」とした上で、自身やクリス・ノヴォゼリックが他のバンドへの加入・脱退を経験した後で「この2年間」はより自分たちの音楽に「真剣に向き合う」ようになったことを明かしている。カート・コバーンとクリス・ノヴォゼリックは、ワシントン州アバディーンの主要産業の一つである林業に従事する将来から逃げ出すためにバンドを結成したことを明かしている。

「寝室で座ってギターを弾いていたんだ」とカート・コバーンは林業から逃れるために行っていたことについて語っている。ジョン・ロッブからもしもニルヴァーナを結成していなかったらどうしていたかと訊かれると、彼は次のように答えている。「他のバンドで頑張っていたと思うよ……林業について芸術的な価値を一度も見出せたことがないっていうのは言えるからね」。カート・コバーンとクリス・ノヴォゼリックは、ニルヴァーナへの思いに言及して、もしもサブ・ポップと契約を結んでいなければ「自分たちでレーベルを立ち上げていたかもしれない」と語っている。

カート・コバーンは新たに書いた楽曲について「典型的なパンク・ロックのアティテュード」を持った「怒りやネガティヴィティ」についての曲とした上で、家を出てからは「怒り」を持つことが難しくなっていたと語っている。

「俺は逃避行をしているわけで、これからどんどん幸せになっていくんじゃないかって思っているよ。時々、わずかな怒りでも持てるように、自分自身で状況を難しくしようとしていることに気がつくことがあるんだ」とカート・コバーンはジョン・ロッブに明かしている。

公開されているインタヴューの音源はこちらから。

http://player.lush.com/channels/gorilla/radio/john-robb-tapes-nirvana

カート・コバーンは次のように続けている。「ほとんどの曲をアバディーンを出て書いたんだ……アルバムの曲はすべて、(同じワシントン州の)オリンピアで書いたんだよ……俺が幸せな気分になるにつれて、曲もどんどんポップになっていったんだ。恋愛での衝突や感情、感覚について歌われているはずだけど、歌詞というのは曲を書く時に俺が一番重視していない部分でね。だからそこにはまったく頭を悩ませていないんだけどさ。一つの曲に2つや3つの主題を入れることだってあるし、曲にはまったく意味をなさないタイトルを付けることもあるんだ」

ジョン・ロッブは当時のインタヴューについて『NME』に次のように語っている。「ニルヴァーナは今や、音楽史の中で最も象徴的なバンドの一つとなっています。僕が彼らを1989年にインタヴューした当時、彼らは (ニュージャージー州の)ホーボーケンにあるマクスウェルで20人の観客に向けてギグをやっていました。その後、彼らがいかにビッグになっていくのか、当時は想像もつきませんでした」

「マクスウェルでのギグが終わった翌日に、暑くて狭いアパートの一室で彼らにインタヴューをしました。インタヴューの中で彼らは若いバンドたちの野心や、自分たちの音楽、そして当時完成させたばかりだった、後の“Smells Like Teen Spirit”になったと思われる新曲について話してくれました」

インタヴューの中でカート・コバーンとクリス・ノヴォゼリックは新曲のために楽曲制作の方法を変えたことについても言及しており、ジョン・ロッブはこの発言が“Smells Like Teen Spirit”に初めて言及された時だと考えているという。

当時取り組んでいた「新曲」について、カート・コバーンは次のように語っている。「(自分たちのスタイルの)両極端が、うまい具合に混じり合ったヘヴィーな楽曲が作れると思っているんだ。単にヘヴィーで冷酷なモンスターのような恐ろしい楽曲だったり、明るいポップ・ソングとかではなくてね」

カート・コバーンとクリス・ノヴォゼリックは自分たちの「激しい」ライヴについて、ステージの上で怒りを「解放できる」として、「いいガス抜き」だと語っている。また、「アメリカをツアーするのは好き」だとしてライヴの最後にステージで楽器を壊すのを楽しんでいると語っている。

カート・コバーンは笑いながら次のように語っている。「この前の晩なんか、俺がドラムセットに飛び込むと、ビール瓶を持ったクリスがそれを投げつけてきて、ステージのあちこちがめちゃくちゃになったんだよ」

また、カート・コバーンは当時ギタリストのジェイソン・エヴァーマンがバンドに加入したことに言及して、バンドのラインナップが変わっていくことについても語っている。カート・コバーンはバンドに新たなメンバーが加入したことで「よりヴォーカルに……専念できるようになった」として、ジェイソン・エヴァーマンについてはバンドのサウンドに「多くの力」をもたらしてくれたと語っている。

ジョン・ロッブは次のように語っている。「インタヴューでは、若き日のカート・コバーンがクリエイティヴなプロセスや、ニルヴァーナの楽曲を作るのにいかに激しさをピークに持っていく必要があったかについて語っています。彼らは当時、(2人に加えて)ドラマーのチャド・チャニング、ギタリストのジェイソン・エヴァーマンという4人のバンドでした。僕は当時、ニルヴァーナと、ツアーのヘッドライナーを務めていたタッドと共に4日間を過ごしました。僕らはニューヨーク市のアヴェニュー・Bにある狭くて暑苦しいアパートで、床で寝泊りをしながら過ごしたのです。彼らのアンプを3階まで上げたり降ろしたりする手伝いだってしました」

ジョン・ロッブはこのインタヴューの音源について、当初は失くしたと思っていたことを明かしている。「あのテープは失くしたと思っていたのですが、ある時カセットテープが入った巨大なバッグを発見して、最初に取り出したのがあのテープだったのです」

インタヴューの中で、カート・コバーンとクリス・ノヴォゼリックはバンドが『ヴィレッジ・ヴォイス』紙に取り上げたことを誇らしげに語っているほか、新しい観客たちが自分たちの公演を訪れてくれるようになったことについても言及している。「みんなも気づいてくれたんだよ……俺たちがいいバンドだっていうことにね」とカート・コバーンは新しい観客について語っている。「励みになるよ……補完してもらっているような感じだね」

デイヴ・グロールは先日、クリス・ノヴォゼリックと共に再びニルヴァーナの楽曲を演奏する可能性があることを認めている。現地時間10月6日フー・ファイターズが主宰するフェスティバル「カルジャム」で、ニルヴァーナの現存するメンバーは共演を果たしており、これは2014年にニルヴァーナがロックの殿堂入りを果たして以来のパフォーマンスとなっている。

ジョン・ロッブによるインタヴューは「ジョン・ロッブ・テープス・シリーズ」と題された一連のアーカイヴのインタヴュー・シリーズから公開された最初のインタヴューとなっている。

Copyright © 2019 New Music Limited. NME is a registered trademark of New Music Limited being used under licence.

関連タグ