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レディオヘッドのフロントマンであるトム・ヨークは現地時間5月21日に行われた第71回アイヴァー・ノヴェロ賞の授賞式で新曲“Space Walk”を初披露している。
トム・ヨークは第71回アイヴァー・ノヴェロ賞でジ・アイヴァーズ・アカデミーのフェローシップを受賞している。これは楽曲や映画音楽の卓越性、文化的影響力、そして永続的な重要性を表彰するものとなっている。
トム・ヨークはロンドンのグロヴナー・ハウスでハリー・スタイルズの紹介を受けて登壇している。ハリー・スタイルズは紹介のスピーチでトム・ヨークについて「私たちがみんな登ろうとしている魔法のような音楽の山の頂上にいる」として、「“Talk Show Host”で童貞を失いました。“Talk Show Host”のイントロで童貞を失ったんです」と語っている。
授賞式の後半でトム・ヨークはピアノを基調としたソロの新曲“Space Walk”と、レディオヘッドのアルバム『イン・レインボウズ』に収録されている“Jigsaw Falling Into Place”のアコースティック・ヴァージョンを披露している。
5月22日にソロ・アルバムをリリースしたギタリストのエド・オブライエンは先日、トム・ヨークが年内にソロ・アルバムをリリースする予定だとも語っている。
トム・ヨークはフェローシップの受賞スピーチに先立って受賞は「おそらく間違いだろう」と最初は思ったと語っている。
そして、長年にわたる多くのコラボレーターに賞の像を捧げて、トム・ヨークは「自分はソロ・アーティストではない」と改めて強調している。
その中にはザ・スマイルのドラマーであるトム・スキナー、長年のプロデューサーであるナイジェル・ゴッドリッチ、ギタリストのジョニー・グリーンウッド、アーティストのスタンリー・ドンウッドも含まれている。
「一人だと堂々巡りのような感じなんです」とトム・ヨークは語っている。「一緒に仕事をしている人たち、そのクリエイティヴな関係は、私にとって非常に貴重で、同時に非常に繊細なものです。彼らには最大限の敬意を払っています」
トム・ヨークは賞を妻と子どもにも捧げ、事前に用意したスピーチ原稿を読み上げている。スピーチでトム・ヨークはメジャー・レーベルやストリーミング・サービスなど、音楽業界のトップにいる人たちを批判している。
スピーチの全文は以下の通り。
「私としてはどの世代にも反抗して、業界に反旗を翻し、みんなの間違いを証明するという、神から与えられた権利があると思っています。音楽や楽曲を通して物語を語り、独自の価値観で歳を重ね、どこでも自分のスタイルを追求することが真に意味するところを伝えていくということです。それは可能なことだからです。それこそが音楽に血を通わせるものであり、それこそが音楽が時代を超えて生き続ける理由なのです」
「そのためには業界自体がそうした人々を信頼しなければなりません。彼らは傷つきやすく、大抵は私のようにめちゃくちゃで、援助を必要としています。この業界は彼らが成長して、リスクを負い、間違いを犯すことを許容する知恵を持たなければなりません。私の見解ではそれこそがまさに業界の仕事だと思います」
「私も、バンドも、マネージャーのブライアン、クリス、ブライス、ジュールズのおかげで成長する期間をもらえたことがどれだけ幸運なことだったか、重々承知しています。彼らは私たちのために闘ってくれました。そして、不思議なことに、昔のレコード会社、老舗のEMIはかなり寛容に対応してくれました。それらはすべて報われたはずです」
「私たちは幸運に恵まれず、食い物にされて吐き捨てられる多くの他のアーティストを見てきました。アーティストが自分の声を見つけ、技術を磨き、それが自分をどこへ導くのかを知るには時間がかかります。そうしてようやく素晴らしいことが起こるのです」
「この業界がリスク回避的になり、支援できなくなっていることを懸念しています。私としてはまったく理解できません。多くのクリエイティヴ産業、アート、映画、演劇にも同じことが言えます。おかしなことにどれも近視眼的な自己破壊の道を辿っています」
「一方で『ファイナンシャル・タイムズ』紙を手に取ると、ストリーミング・サービスの株価の高騰や前世代の少数アーティストのカタログに付けられた途方もない価値、そしてそれらを取り巻く金融狂騒劇について目にします」
「それは彼らにとってはいいことなのでしょう。しかし、彼らが言うような音楽業界への投資ではありません。むしろ正反対です」
「あの人たちはレコード制作にどれだけの労力が費やされたかを理解しているのだろうかと思うのです。もしかしたら、買収した音楽の伝記やその音楽にまつわる歴史について読んでみるべきかもしれません」
「新人アーティストには何も残らない、この異常な金の流れになぜ誰も疑問を抱かないのだろうかとも思います」
「音楽業界のトップの人たちは音楽の泉が枯渇した時、未来の世代がどうなるのかを考えていません。それは必ず起こるでしょう」
「その代わりに自己満足的なプレイリストによって活気ある音楽シーンという概念や新しい音楽への口先だけの賛辞が横行しています。しかし、大多数のミュージシャンには持続可能な収入源の素振りさえ見られません」
「そして、彼らは90年代にメジャー・レーベルがやっていたような、卑劣で不透明な会計操作を今も続けています」
「だから、音楽業界とストリーミング・サービスのトップにちょっとだけ思い出してもらいたいのです。本腰を入れてやってくれ。次はどこからおいしいバック・カタログを手に入れるつもりなんだ?」
「次世代のアーティストとそのファンを軽視するばかりなら、この業界は最低な奴らと共に滅びるでしょう。忘れないでください。私たちがいなければ、あなたたちには何の価値もないのです」
これまでにジ・アイヴァーズ・アカデミーのフェローシップを受賞したのはポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、ケイト・ブッシュ、アニー・レノックスらといった顔ぶれで、一昨年にはブルース・スプリングスティーンがイギリス国外のソングライターとして初めて受賞し、昨年はU2がアイルランド人のアーティストとして初めて受賞している。
今年の授賞式では死後となる形でジ・アイヴァーズ・アカデミーのフェローシップがジョージ・マイケルにも授与されており、ワム!のバンドメイトだったアンドリュー・リッジリーが代理で受け取っている。
ソングライター・オブ・ザ・イヤー賞はサム・フェンダーが受賞しており、ジ・アイヴァーズ・アカデミー初の会長に就任したエルトン・ジョンがプレゼンターを務めている。
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