ザ・フーのフロントマンであるロジャー・ダルトリーは最近の音楽についての自身の考えを明かしており、ロックは「死んだ」とし、「語るべきことを言っているのはラッパーだけだ」と主張している。
現在72歳のロジャー・ダルトリーは、カリフォルニアで行われたデザート・トリップ・フェスティヴァルで『ザ・タイムズ』紙の取材に応じている。コーチェラ・フェスティヴァルと同様の会場で、2週に渡って週末に開催されたこのフェスティヴァルには、ザ・フーだけでなく、ボブ・ディラン、ザ・ローリング・ストーンズ、ポール・マッカートニー、ニール・ヤング、ロジャー・ウォーターズが出演している。
ロジャー・ダルトリーは最近の音楽シーンのジャンルの変遷を顧みて次のように語っている。「何が悲しいって、ロックがデッド・エンドに達してしまったってことだよ……語るべきことを語ってるのはラッパーだけなんだ。大半のポップスが意味がなく忘れていいものでしかないんだよ」
彼はこう続けている。「新しいポップ・スターは現れるけれど、そんなこと覚えてられないことは確かさ」
ロジャー・ダルトリーは2014年のコメントのなかでも現代のミュージシャンの世代は「苦悩と決意」を欠いていることを嘆いている。
『メール・オン ・サンデー』紙のインタビューの中で、彼は70年代のモッズやパンクと比較される音楽的ムーヴメントが存在しないことを断言し、批判対象としてワン・ダイレクションの名を挙げていた。
「俺たちは今、そのまんまな世界と一緒にいるだけだ。そしてワン・ダイレクションを手に入れたんだ」彼は更に次のように続けている。「苦悩や決意についての何かしらの真の感覚について書いているアーティストはどこにいるんだい?」
「今のところムーヴメントなんてものはないよな。俺たちにはモッズがあったし、パンクもあった。でも、今ではムーヴメントを起こすっていうのは難しいことなんだよ。IS(イスラム過激派組織)でもない限りな」
ザ・フーは昨年のグラストンベリー・フェスティバルの最終日のヘッドライナーを務め、ライヴの最後でピート・タウンゼントが前夜のカニエ・ウェストのステージ上で自らを「現存する世界で最も偉大なロックスター」と称した発言を皮肉る一幕があった。ピート・タウンゼントは最終曲“Won’t Get Fooled Again”を「ビッグで反抗心のある」曲だと紹介し、「つまり世界一のロック・スターは誰だ?」と問いかけてオーディエンスを盛り上げた。
10月9日に行われたデザート・トリップのライヴ中に、ピート・タウンゼントは、ザ・フーにとってアメリカでの初のヒット曲となった”I Can See for Miles”について言及しており、「本当に信じられないくらい昔のことだ」と語っている。さらに冗談半分で、「俺たちは1967年版のアデルであり、レディー・ガガであり、リアーナであり、ビーバーだったんだ」と語っている。
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