
Photo: GETTY
アイアン・メイデンのフロントマンであるブルース・ディッキンソンはニコ・マクブレインに代わる新ドラマーの手応えについて語っている。
ドラマーとしてニコ・マクブレインはクライヴ・バーに代わって1982年に加入しており、1983年発表の『頭脳改革』以降、すべてのアルバムに参加している。しかし、2023年1月に一過性脳虚血発作を患って、右側の肩から下が部分的に麻痺が残る形となっていた。
「ザ・フューチャー・パスト」ワールド・ツアーが終わりを迎える中で、ニコ・マクブレインは「長期間に及ぶツアーのライフスタイルにおける苦悩から身を引く」ことにしたとライヴから引退することとなっている。
後任はスティーヴ・ハリスによるハード・ロック・プロジェクト、ブリティッシュ・ライオンに参加しているサイモン・ドーソンが務めることも決定している。
今回、カリフォルニア州ハリウッドでミュージシャンズ・インスティテュートのシンポジウムに参加したブルース・ディッキンソンはサイモン・ドーソンとのリハーサルについて振り返っている。
「前回のツアーの時にすでにサイモン・ドーソンとはリハーサルをやっていたんだ。スティーヴ・ハリスのブリティッシュ・ライオンとして一緒に回っていたからね。でも、それは保険みたいなものだったんだよ。ニコ・マクブレインとツアーをできたらと思っていたんだけど、ドラム演奏というよりは、彼の身体が心配になるような時間が出てきたんだ。それで、俺たちとしては『ニコ・マクブレインが入院してしまうようなことはしたくないし、バックアップが必要だ』ということになったんだ」とブルース・ディッキンソンは語っている。
「サイモン・ドーソンを提案したのはスティーヴ・ハリスだった。それで『うまくいくか、どうやって確かめたらいい?』ということになってね。だから、ニコ・マクブレインに言ったんだ。『ツアーの途中でオレゴン州ポートランドで何日かやるけど、そこでリハーサル・スペースを借りて、うまくいくか確かめるためにサイモン・ドーソンを試してみようと思う。念の為だけどね』ってね。それでやってみた。何人かは『どうなるかわからないけど、まあ……』って感じだったんだけど、正直なところ、嬉しい衝撃だったよ。『休憩なしで通しでできるなんて!』ってね。彼は誰とも事前にリハーサルしていなかったのに、急にアイアン・メイデンになったような感じだったよ。当時のツアーの曲を通しでできたから、『いざとなったら今夜の公演だってできるぞ。なんてこった』という感じだったね」
ブルース・ディッキンソンは次のように続けている。「サイモン・ドーソンのすごいのは、ニコ・マクブレインがライヴからの引退を決めて彼の名前が挙がった時に、他のドラマーも候補には挙がっていたんだ。でも、他のドラマーを選ばなかった理由の一つは、みんな素晴らしいドラマーで、演奏には問題がなかったけど、ニコ・マクブレインのようなサウンドにしようとしていたんだよね。ニコ・マクブレインの代わりは誰も務められない。彼の代わりになろうとしちゃいけない。ニコ・マクブレインのクローンは必要ないんだ。楽曲は演奏できるけど、自分のスタイルがあるドラマーが欲しかったんだよ。リハーサルの時に一瞬、目を閉じてみたんだけど、クライヴ・バーが復帰したみたいだった。あのフィーリングがあるんだよ。ビッグ・バンドのスウィングするタイム感だよね。サイモン・ドーソンも同じような影響を受けている。『なんてこった』という感じだったね。だから、今は楽しみだよ。明日、ヨーロッパに戻って、そこから10日間ぐらいあって、リハーサルが始まるんだけどさ。通しでやってみるよ。今の宿泊先には小さなスピーカーがあるんだけど、そこに次のツアーのセットリストが入っているんだ」
アイアン・メイデンは5月27日にハンガリーのブダペストで行われる公演から「ラン・フォー・ユア・ライヴス」ツアーを開幕させる予定となっている。
アイアン・メイデンについてはバンドの50周年を記念してドキュメンタリーが製作されることも決定している。ドキュメンタリーには昨年66歳で亡くなった元フロントマンのポール・ディアノの最後のインタヴューも収録される。
広告 ザ・ビートルズのドキュメンタリー『ビートルズ ’64』がディズニープラスで独占配信!
Copyright © 2025 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.