ダイアン・ウォーレンはビヨンセの新作『ルネッサンス』に参加しているソングライターの数について言及した発言を謝罪している。
現地時間8月1日にダイアン・ウォーレンは「1曲に24人もソングライターがいるなんてどういうこと?」とツイートしている。このツイートは24人がクレジットされた『ルネッサンス』収録の“Alien Superstar”に言及していると見られている。
“Alien Superstar”のクレジットにはハニー・ディジョン、ジェイ・Z、ラッキー・デイ、ラビリンス、070シェイクらが含まれているが、その多くは他のアーティストのサンプリングや引用によるものだと思われる。この曲ではライト・セッド・フレッドの“I’m Too Sexy”がサンプリングされており、そのためリチャード・フェアブラスとフレッド・フェアブラスとロブ・マンゾーリがクレジットされている。バーバラ・アン・ティアーの国立劇場でのスピーチもサンプリングされており、彼女もクレジットされている。
Ok, it's prob samples that add up the ammount of writerrs
— Diane Warren (@Diane_Warren) August 1, 2022
ダイアン・ウォーレンのツイートには批判が寄せられており、偉大な芸術は孤独で生み出されるという考え方を否定することになったブラック・ミュージックでのコラボレーション・カルチャーの歴史について多くの人は指摘している。
ビヨンセと長年にわたってコラボレーションを行ってきたプロデューサー/シンガーのザ・ドリームは次のように述べている。「ブラック・カルチャーには多くのソングライターが関わることについてだよね。それは僕らが物事を始めることを許されていなかった時に始まったからなんだ。だから、サンプリングをやり始めて、それはアートフォームになり、アメリカのブラック・カルチャー/ヒップホップで大きな部分を占めるようになった。あの時代がなかったら、どうなっていたか? これでいいかい?」
作家にして活動家のラケル・ウィリスも次のように述べている。「あまりの多くのソングライターがいるとミュージシャンが言っているけど、サンプリング、引用、参照、影響というのは、あらゆるアートの側面において重要です。コラボレーションというのは対応が難しいものです。素晴らしい才能は単独でのみ成立するというのは白人的、資本主義的、家父長制的な考え方です」
ダイアン・ウォーレンはこれらの意見を受けて次のようにツイートしている。「ビヨンセを中傷しているわけではない。彼女とは一緒に仕事をしてきたし、尊敬している。誤解を与えたのなら謝るわ」
米『ローリング・ストーン』誌でダイアン・ウォーレンは次のように語っている。「ビヨンセの新作は大好きよ。彼女は素晴らしい画期的なアーティストで、一緒に仕事をしてきたし、ものすごく尊敬している。『ルネッサンス』に携わったすべてのコラボレーターが称賛されるべきだと思う」
Ok, I meant no disrespect to @Beyonce, who I've worked with and admire. I'm sorry for the misunderstanding
— Diane Warren (@Diane_Warren) August 1, 2022
また、ビヨンセは新作『ルネッサンス』で使われていた障がい者差別と思われる歌詞を変更することが明らかになっている。
アルバムの収録曲“Heated”には後半で「Sp***in’ on that ass, sp** on that ass」という一節があり、これが批判を受けることとなっていた。
アメリカでは「sp*z」は口語で「頭がおかしくなる/クレイジーになる」に近い意味で使われるが、脳性麻痺のような症状で経験する痙攣を表す医学的に使われる「spastic」という言葉からきている。この言葉は脳性麻痺のような障がいを持つ人を揶揄する意味で使われることが多い。
今回、批判を受けてビヨンセの広報担当者はスカイ・ニュースに対して歌詞を変更しようとしているとして、「傷つけることを意図していたわけではない」と述べている。
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