5位 Where Did You Sleep Last Night?(レッドベリー)


40年代にテープに録音されたこのフォークの名曲により、ブルース歌手のレッドベリーは遂にそのスタイルを確かなものとした。この曲のカヴァーはニルヴァーナの「MTVアンプラグド」で行ったライブ中に披露されたが、パフォーマンス中でも喉を掻き毟るような苦悩に満ちたうなり声が最もカートらしい曲で、レッドベリーの青写真をニルヴァーナが哀歌としてさらに進化させた。


4位 Plateau(ミート・パペッツ)


ミート・パペッツは、ニルヴァーナのメンバーと「MTVアンプラグド」で共演を行うなどしたことから、ニルヴァーナの評価が上がるのとともに彼らも名声を得ることとなった。さらにありがたかったことに、この日のパフォーマンスでカート・コバーンはミート・パペッツのカヴァーとして『ミート・パペッツ II 』からのカットも含む3曲を披露している。


3位 Molly’s Lips(ザ・ヴァセリンズ)


究極のアマチュアイズムとも呼ばれたヴァセリンズの演奏の中でも特にこの“1988”のB面である“Molly’s Lips”の演奏は評価の低いものであった。しかし、ニルヴァーナはそのオリジナルの魅力を生かし、見事な調和を保ちつつも完璧な曲に仕上げている。


2位 Jesus Doesn’t Want Me for a Sunbeam(ザ・ヴァセリンズ)


オリジナルはザ・ヴァセリンズの“Molly’s Lips”と同じEPに含まれており、子供たちが教会で歌う賛美歌“I’ll Be a Sunbeam”を、風変わりさが特徴のKレコーズらしい拒絶の精神を織り交ぜた曲に変化させている。ニルヴァーナは“Jesus Don’t Want Me for a Sunbeam”のようなグランジの王道から外れる曲は滅多にカバーしていないが、物思いに耽ったアコーディオンのメロディがその魅力を残しつつ、カートらしく変化させている。

1 The Man Who Sold the World(デヴィッド・ボウイ)


肉体から切り離したようなヴォーカル、悲しげなメロディ、さえずりのようなサイエンスフィクションのエフェクト、デヴィッド・ボウイの“Man Who Sold the World”は、クールで荒廃的なクラシックの骨組みとも言える。「MTVアンプラグド」での魅力的なニルヴァーナによるこのカバーは原曲の不気味な雰囲気を維持しつつも、生き生きとした雰囲気に変化させている。

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