Photo: Brantley Gutierrez / PRESS

2024年5月に6年ぶりとなる待望の来日公演が行われることを記念して、インキュバスというバンドが30年以上のキャリアで紡いできた10曲の名曲を御紹介する企画をお送りしたい。レッド・ホット・チリ・ペッパーズやフィッシュボーンといったアーティストが醸成してきた西海岸ロックの土壌の下に90年代に活動を始めたインキュバスは、後年アヴィーチーやタイラー・ザ・クリエイターともコラボレーションすることになった天才ギタリストのマイク・アインジガーを中心とした風通しの良いバンド・サウンドに、唯一無二のフロントマンであるブランドン・ボイドのスピリチュアルとも言える歌が乗る形で数々のヒット曲を生み出してきた。彼らは現在までに全世界で 2,300 万枚を超えるアルバム・セールスを記録し、すべてのストリーミング・プラットフォームで10億回以上の再生回数を記録している。そんな色褪せないキャリアを代表する楽曲の数々がこちらになる。

Nice to Know You


2001年リリースの不朽の名作『モーニング・ヴュー』の冒頭を飾るこの曲はコーラスの歌詞を見ると別れの曲のようにも感じ取れるが、ブランドン・ボイドの説明によれば、ヨーロッパ行きの飛行機で深刻な手の麻痺を経験して、それが治った時に新たな知覚を得たという自身の身体的体験を基にしているという。アルバムからのセカンド・シングルとしてリリースされ、米メインストリーム・ロック・チャートで9位を記録している。

Promises, Promises


この曲が収録されている『イフ・ノット・ナウ、ウェン?』のジャケットにはフィリップ・プティの綱渡りの写真が使われているが、ブランドン・ボイドはこの曲で一組の男女の物語をイリュージョニストに喩えて描いている。音楽的には活動休止中にマイク・アインジガーが音楽を学び直したことで辿り着いたシンプルなサウンドを求めるバンドの意向が強く反映されている。

Anna Molly


「例外・特異」を意味する「anomaly」をもじったタイトルを持つこの曲は通算6作目となるアルバム『ライト・グレネイズ』からのファースト・シングルとしてリリースされた。サーシャ・ウェクスラーが出演したミュージック・ビデオでは亡くなった女性が解剖に回されても意志を持ち続ける様子が描かれる。それは「存在したかもしれない女性」を描いたとする曲のテーマとも呼応する。

Are You In?


『モーニング・ヴュー』のレコーディングはマリブの海の見える一軒家に機材をセッティングする形で行われたが、この曲はバンドが口論になった後、自然に始まったジャム・セッションにメンバーが一人ずつ参加していく形で出来上がっていった曲ということで、その時にブランドン・ボイドは部屋を回りながら「みんなが参加したほうがいいから、入らないか?」と声をかけたと言われている。

Love Hurts


インキュバスというバンドの大きな魅力の一つはそのスケールを感じさせるバラードだが、当初ヨーロッパだけでシングルカットされたこの曲への期待はあまり大きくなかったのかもしれない。しかし、欧州での状況を受けてシングルカットされると、世俗的な愛を超越することについて歌ったこの曲は全米オルタナティヴ・エアプレイのチャートで1位を獲得することになった。

Pardon Me


インキュバスというバンドを世に出した曲と言えるのがこの曲だろう。古い『ライフ』誌に掲載された人体自然発火現象の写真を見たブランドン・ボイドは祖母と親友を亡くし、7年付き合った恋人に浮気されていた自分を重ね合わせた。初めてラジオでのエアプレイを本格的に獲得したこの曲は米モダン・ロック・トラックスで3位まで駆け上がることになった。

Dig


個人的な問題を抱えていたブランドン・ボイドがバンド・メンバーの存在によって本当の自分を思い出したことがテーマとなっているこの曲は高校の友人によって結成された職業的側面だけではない、このバンドの出自を思い出させてくれる。“Dig”が収録されている『ライト・グレネイズ』はリリース当時は賛否が渦巻いたが、今聴くと大人のロック・バンドとして素晴らしいサウンドが鳴っている。

Wish You Were Here


この曲のオリジナルのミュージック・ビデオはザ・モンキーズの映画『ヘッド』へのオマージュとしてバンド・メンバーが橋から飛び降りるものだったが、9・11があったためにそのビデオはすぐにお蔵入りになることになった。しかし、そうした不運にもくじけず、現在かみしめている幸せの大切さを歌ったこの曲はキャリアが30年以上経った今も代表曲としての確固たる地位を維持している。

Megalomaniac


ギター・ウィザードとも言えるマイク・アインジガーのスキルが最も顕著に表れている曲とも言えるかもしれない。それはアルバム『ア・クロウ・レフト・オヴ・ザ・マーダー』のスタジオ音源からも十分感じ取れるが、ぜひストリーミング・サービスでも公開されている2004年の日本武道館公演の音源を聴いてほしい。あの興奮がもう一度日本にもやってくる。

Drive


最後に選ばれるのは当然この曲だろう。恐怖から決断を下してしまう人生をテーマとしたこの曲はインキュバスに西海岸ロックの雄としての世界的なポジションを獲得させることになった。スクラッチもサンプリングもブランドン・ボイドの叙情的なヴォーカルもマイク・アインジガーの哀愁漂うギターもバンドのエッセンスが詰まったこの曲は全米シングル・チャート9位を記録している。

来日公演詳細

2024年5月1日(水)東京ガーデンシアター
18:00開場/19:00開演
チケット:
SS席 : 14,000円
S席 : 12,000円
A席 : 10,000円

ぴあ、主催社 先行受付
2024年1月10日(水)10:00 〜1月26日(金)23:59 ※抽選受付
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2347582
https://tickets.kyodotokyo.com/asp/evt/evtdtl.aspx?dmf=1&ecd=KDT04044&ucd=&jdt=&kai=

更なる公演の詳細は以下のサイトで御確認ください。

https://kyodotokyo.com/pr/incubus2024.html

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