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カート・コバーンはニルヴァーナとして出演した『MTV アンプラグド』で着用していたカーキ色のカーディガンを再び売りに出した人物によってその理由が明かされている。

当該のカーディガンは先日、4年ぶりに売りに出されることが明らかになっている。オークションは現地時間10月25日にジュリアン・オークションで行われる予定となっており、30万ドル(約3220万円)の値をつけると見込まれている。

カーディガンの現在の所有者で、2015年に匿名で落札していたギャレット・クレジアンは米『ローリング・ストーン』誌によるインタヴューに応じて、ロックンロールの歴史にまつわるカーディガンを所有したことであまりにも大きな重圧を感じることになったと明かしている。

「開封してすぐに、『ああ、今は私にこの一品に対する責任があるのだと』という思いが込み上げてきたのです」と彼は米『ローリング・ストーン』誌に語っている。「何年も前に子供たちが生まれた時と同じような気持ちでした。彼らと出会えた喜びを感じながらも、その後は『参ったな』とも思うわけですから」

カーディガンを一度でも着用したことがあるかと訊かれると、彼は次のように答えている。「他の人の服を着るとか、そういったことをするのって、不思議で、強烈な体験なのです。その人の立場になってみろと言われているような感じでした」

「カーディアンを着た時、私は『これは違う。私はこれを着たくない』と思いました」

ギャレット・クレジアンは続けて、このカーディガンについて他のファンとは「別の観点」から見ているとして、カート・コバーンにとって「安心」できるものだったのではないかと考えていることを明かしている。カート・コバーンは亡くなるまでのおよそ数ヶ月間、このカーディガンをたびたび着用していたことで知られている。

「言うまでもなく、当時の彼は悪い状況にありました。彼はこのセーターを日々着ていたのだと思います」と彼は語っている。「彼にとって安心できるもので、身近なものだったのでしょう。内面に葛藤を抱えていた彼にとって、このカーディガンがある程度の安心感を与えてくれるものだったという考えが私は気に入ったのです」

オークションを主催するジュリアン・オークションのダレン・ジュリアンは以前、カーディガンが洗われていないままになっているのは「とても重要」なことだとして次のように語っている。「今も染みが残っているのです。セーターにはタバコの火で焦げた跡も見ることができます」

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