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レッド・ツェッペリンは“Stairway To Heaven”が「盗作」だと訴えられていた裁判が今年の9月に再開するのに際して、コーンやトゥール、ジューダス・プリースト、リンキン・パークのメンバーらがレッド・ツェッペリンへの支持を示すために法廷助言書に署名したことが明らかになっている。

レッド・ツェッペリンは2016年にスピリットのギタリストであるランディ・カリフォルニア(本名:ランディ・ウルフ)の管財人であるマイケル・スキッドモアから彼らの1971年の楽曲“Taurus”のリフを自分たちの“Stairway To Heaven”に盗用していたとして訴えられていた裁判で、盗用していないという判決を受けて勝訴している。

しかしながら、サンフランシスコにある第9巡回区控訴裁判所は今年6月、陪審員団が“Taurus”と“Stairway To Heaven”の2曲を通して聴く機会を与えられず、楽譜上での比較で判断していたとして、この一件は新たな裁判として法廷に差し戻されるべきだと満場一致で判決を下している。

『デジタル・ミュージック・ニュース』が入手した法廷助言書によれば、今回123組のアーティストが「陪審員たちの決定がアメリカや世界各地のあらゆるソングライターや作曲家、ミュージシャン、プロデューサーに与える影響を明らかにする」ためにこれに署名している。

法廷助言書にはコーンやトゥール、ジューダス・プリースト、リンキン・パークのメンバーのほか、ナイル・ロジャースやショーン・レノン、ジェイソン・ムラーズ、マックス・マーティン、ザ・ドリーム、プライマス、ティアーズ・フォー・フィアーズ、ハート、ア・パーフェクト・サークル、プシファー、ザ・ダスト・ブラザーズ、リトル・ビッグ・タウン、オートラックスのメンバーら、多くのソングライターやアーティスト、プロデューサーが署名している。また、5000人強の会員が所属しているナッシュヴィル・ソングライター・アソシエーション・インターナショナルや、「数百人のメンバー」が所属するソングライターズ・オブ・ノース・アメリカも同様に法廷助言書に名を連ねている。

アーティストらは法廷助言書の中で“Stairway To Heaven”と“Taurus”の両曲で使われているコードやアルペジオの奏法が著作権で保護されてしまうようなことがあれば「多大な混乱」を招きかねないとして、「創造性を抑圧し、不当な訴訟を過度に助長するリスクが大いにある」と主張している。

また、アーティストらは第9巡回区控訴裁判所が再審を決定した根拠に対しても異議を唱えており、楽譜を比較する代わりに“Taurus”を実際に聴くという比較の方法では「先入観が入る可能性が大いにある」として、「現実的な信憑性を得ることができない」と主張している。

アーティストらは今回の争点となっている著作権について、アメリカ合衆国著作権局に「納本」されている楽譜に関しては著作権が適用されるものの、レコーディングされた音源については1972年まで著作権の保護が適用されないはずだと指摘している。“Taurus”は1967年にレコーディングされ、同年にリリースされている。一方で、“Stairway To Heaven”がリリースされたのは1971年となっている。

レッド・ツェッペリンは9月23日の週にサンフランシスコで意見聴取を受ける予定となっている。

一方、ケイティ・ペリーと“Dark Horse”の共作者らは先日、同曲についてフレイムによるクリスチャン・ラップ・ソング“Joyful Noise”を盗作したという判決が下された裁判に対し、今回の法廷助言書で述べられているのと類似した内容の反論を行っている。

「“Dark Horse”の作者らは今回の判決を法廷の茶番劇だと考えています」とケイティ・ペリーの弁護士を務めるクリスティーン・ラペラは現地時間8月2日に発表した声明で述べている。「著作権には一切抵触していません」と彼女は続けている。「実質的な類似性もありません」

クリスティーン・ラペラは次のように続けている。「“Dark Horse”と“Joyful Noise”における唯一の共通点は、等間隔でシとドの音が繰り返されるという(著作権で)保護されていない表現があるという点のみです。今回の判決に対しては、音楽学者を含む多くの方々が懸念を表明しています……彼らは全員のものであるべき音楽の基本要素としての基盤を所有しようとしているのです」

ケイティ・ペリーは同曲の共作者らと共に278万ドル(約2億9700万円)を損害賠償として支払うよう命じられている。

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