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2008年にユニバーサル・スタジオ・ハリウッドで起きた火災でユニバーサル・ミュージック・グループが保管していた多くの音源が消失していたと報じられたことを受け、ニルヴァーナのクリス・ノヴォゼリックやホール、エミネムらが報道に言及している。

火災は2008年の6月1日に発生したもので、およそ24時間後に消し止められたこの火災によって映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のセットを含む多くのセットが損害を受けている。この火災ではユニバーサル・ミュージック・グループがマスター音源を保管していた倉庫「ビルディング6197」にも火の手がおよんでいる。

『ニューヨーク・タイムズ』紙によればUMGは当時、11万8230個の「資産を消失」して「およそ50万曲の音源」を失ったといいい、その中にはニルヴァーナやR.E.M.、サウンドガーデン、ベック、ジャネット・ジャクソン、エミネム、ナイン・インチ・ネイルズら多くのアーティストの未公開音源も含まれていたという。

今回、火災で音源が焼失したことが報じられたアーティストの1組であるニルヴァーナのクリス・ノヴォゼリックはツイッターでこの報道に言及して、バンドの『ネヴァーマインド』のマスター音源は焼失してしまったのかという質問に次のように答えている。「永遠に消えてしまったと思うよ」とクリス・ノヴォゼリックは返信している。

R.E.M.は現地時間6月11日にソーシャル・メディアに声明を投稿している。「当時起こったことやバンドの音源への影響について有益な情報を手に入れようとしているところです。入手できたら、さらなる情報をお伝えします」

多くのアーティストにとって今回の報道は寝耳に水だったようで、ホールの代理人は「ピッチフォーク」に対し てマスター音源が焼失していたことを「(記事が掲載された現地時間6月11日の)朝まで知らなかった」と語っている。

また『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事には音源が焼失したアーティストとして名前が挙げられていなかったものの、エイジアのキーボーディストであるジェフリー・ダウンズはツイッターで、エイジアのマスター音源を誰も見つけられないのはこの火事が原因なのかもしれないとした上で、次のようにツイートしている。「とても悲しいよ。UMGはこのことを10年以上も黙っていたんだ」

一方で、音源が焼失したとして名前が挙げられていたアーティストの一人であるエミネムは幸運にも音源のバックアップを取っていたようで、エミネムのスポークスマンを務めるデニス・デニヒーは『デトロイト・フリー・プレス』誌に次のように語っている。「すべてではないかもしれませんが、ほとんどのマスター音源はバックアップを取っていたことを確信しています」

『ニューヨーク・タイムズ』紙は当該の記事の中で「アーティストやその管理団体との内輪の会話を公に明かすことはない」とするUMGのスポークスマンの発言も紹介している。

その後、ユニバーサル・ミュージック・グループは現地時間6月11日に『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事に対する声明を『ヴァラエティ』誌に掲載して、当該の記事について「多くの不正確な事実や、誤解を招くような記載や矛盾、火事やその被害範囲についての根本的な誤解」があると述べている。

「10年以上前にNBCユニバーサル・スタジオが所有する施設で発生した火事についての詳細を私たちが公に言及できる範囲には制限がありますが、不幸にも起きてしまった火災によって、商業的にリリースされた音楽が使用できなくなるような影響は出ていませんし、アーティストへの報酬にも影響は出ていません」と声明には綴られている。

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