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クインシー・ジョーンズは今月に予定されているロンドンのO2アリーナでの公演について、当初発表されていたマイケル・ジャクソンの楽曲を演奏するという内容から変更になっていることに対して寄せられている批判に主催者が言及している。

現在85歳のクインシー・ジョーンズはグラミー賞において79回のノミネーションと27回の受賞を誇っており、1992年には特別功労賞も受賞している。クインシー・ジョーンズはアレサ・フランクリンやスティーヴィー・ワンダー、レイ・チャールズ、フランク・シナトラ、マイケル・ジャクソン、マイルス・デイヴィスらとの仕事で知られている。また、クインシー・ジョーンズは『カラーパープル』や1969年版の『ミニミニ大作戦』、『冷血』などの映画音楽も手がけている。

クインシー・ジョーンズは今年2月、現地時間6月23日にロンドンのO2アリーナでマイケル・ジャクソンの『オフ・ザ・ウォール』、『スリラー』、『BAD』の3枚のアルバムからの楽曲を演奏する公演を行うことを発表していた。しかし、先月、一夜限りのこの日の公演のタイトルが変更された新たなフライヤーが公開されており、新たなフライヤーでは「ライヴ・イン・コンサート・フォー・ザ・ヴェリー・ファースト・タイム:クインシー・ジョーンズ・プレセンツ・サウンドトラック・オブ・ザ・80s ー アイコニック・ソングス・アンド・ディファイニング・アルバムズ」というタイトルに変更されている。新しいフライヤーにも当初記されていた3枚のアルバムからの楽曲名は記されているものの、3枚のアルバムの名前やマイケル・ジャクソンの名前は記載されていない。

新たに公開されたフライヤーと当初のフライヤーのデザインはこちらから。

コンサートの内容の変更をめぐっては、チケットを事前に購入していた多くのファンがソーシャル・メディアで不満を露わにしている。

「どうすればO2でのクインシー・ジョーンズの公演のチケットを返金してもらえますか?」とファンの一人はツイートしている。「私はマイケル・ジャクソンの3枚のアルバムを聴きたくてチケットを買ったのであって、聴いたことがない曲を含む80年代のメドレーを聴きに行くためではありません! そもそもが高額でしたし、そういうショウだって知っていたら買っていませんでした! 馬鹿げているわ!」

「私たちは2月に、O2の公式サイトで2019年6月23日に行われるクインシー・ジョーンズの公演のチケットを3枚買いました。チケットを買った後で公演が丸っきり変更になりました。虚偽広告です! どうすれば返金してもらえるのでしょうか? (チケット販売会社である)AXSの対応にはガッカリです。今も返信を待っています!」

「6月にO2で行われるクインシー・ジョーンズの公演に関して、初めに告知されていた内容とは明らかに異なっています。変更になる前に購入したチケットはどうすれば返金してもらえますか? これは消費者の権利に明らかに反しています」

「最新情報。先週、直接返金を問い合わせたことへの返信として、6月23日にO2アリーナで行われるクインシー・ジョーンズの公演のプロモーターであるセンブラから、次のようなメッセージが届いた」

「『ダン様。ショウの内容に変更はありません。2019年6月23日の日曜日に行われる公演では、時代を定義した楽曲と共にマイケル・ジャクソンの3枚のアルバムに収録された楽曲も演奏されます。従って、返金には応じかねます』」

「チケットの販売が開始された時の広告と今の広告がこんなにも違っているんだから、甚だ驚いたよ。公演が変わったのは明白なわけでね。ファンはこのために飛行機やホテルを予約したのに。マイケル・ジャクソンのファンがね。クインシーのファンじゃない」

「ハハ。私は一瞬、信じられなかった。彼が宣伝されていない他の音楽を演奏することを確信しているわ。きっと彼はマイケル・ジャクソンと距離を置く必要を感じたのよ! 返金してもらえる方法はきっとあると思うわ。彼らが否定できない別の理由を探しましょう」

しかしながら、コンサートの主催者は今回の変更について当初の告知とは変わっておらず、彼の幅広いレパートリーをさらに探求することが目的だったに過ぎないと述べている。

「O2でのコンサートが2月に発表された当初、コンサートの中核としてはクインシーが『オフ・ザ・ウォール』、『スリラー』、『BAD』で手がけた作品が想定されていました」とスポークスマンは『NME』に語っている。「その点に関しては変更になっていません。公演の内容を彼がマイケル・ジャクソンとの仕事以外で手がけてきた重要な作品にまで広げたというのが実際のところなのです。この決定は、クインシー・ジョーンズが1980年代のポップ・ミュージックに与えた幅広い影響に光を当てることを目的としたものでした。結果として、アートワークもこれらの点を反映したものとなっています」

スポークスマンは次のように続けている。「今回のコンサートは、このような形式で演奏される初めてのライヴとなっており、当初の発表とは何ら変わりなく、3枚のアルバムからの楽曲がコンサートの中核に据えられています」

今回の一件は、マイケル・ジャクソンのドキュメンタリー作品『ネバーランドにさよならを』をめぐる一連の騒動に続くものとなっている。ダン・リードが監督を務めたこの作品は、マイケル・ジャクソンから幼少期に性的虐待を受けていたと訴える36歳のウェイド・ロブソンと41歳のジェームズ・セーフチャックの証言に焦点を当てたものとなっている。『ネバーランドにさよならを』が放送された際には、世界各国のラジオ局でマイケル・ジャクソンの音楽の放送が自粛されている。一方で、ブロードウェイで制作が進められている彼のドキュメンタリーに関しては今後も予定通り制作が続けられるという。

マイケル・ジャクソンは生前、自身に向けられていたあらゆる疑惑を否定していたほか、マイケル・ジャクソンの遺産管理団体は彼に向けられたあらゆる疑惑を否定している。

2部構成になっている『ネバーランドにさよならを』は6月7日よりシーズン1が日本でもネットフリックスで配信されることが決定している。

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