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マーク・ジェイコブスは昨年の「ブートレグ・リダックス・グランジ」コレクションで発表したアイテムのデザインがニルヴァーナの象徴的なスマイリー・フェイスに類似しているとして著作権の侵害で昨年の12月に訴訟を起こされていた件で、訴訟を取り下げるよう判事に求めている。

マーク・ジェイコブスは2018年の11月に、1993年の春夏コレクションとして発表したグランジ・コレクションから25周年を迎えたことを記念して、スマイリー・フェイスがデザインされた「リダックス・グランジ・コレクション」を発表している。

マーク・ジェイコブスがデザインしたスマイリー・フェイスは、目の部分に「X」が描かれていたニルヴァーナのそれとは異なり、ブランドのイニシャルである「M」と「J」の文字が描かれたものとなっているほか、スマイリー・フェイスの上には「HEAVEN」という文字がニルヴァーナと類似したフォントでデザインされている。

米『ビルボード』誌の報道によれば、マーク・ジェイコブスの弁護士はカリフォルニア州の連邦裁判所に対してニルヴァーナはスマイリー・フェイスのデザインの著作権を保有していないとして、訴訟は無効であるとしているほか、ニルヴァーナが登録しているデザインとマーク・ジェイコブスのアートワークには明白な違いがあると主張している。

「今回の訴訟は、原告がスマイリー・フェイスのデザイン(問題とされているデザインとは異なるものであるにもかかわらず)の著作権を保有しているという誤った前提から生じたものです。事実、スマイリー・フェイスは登録されているアートワークを構成する一つの要素に過ぎず、問題とされているデザインにそれ以外の要素は使われていません」と弁護士は述べている。「これらの理由から、今回の訴訟は訴因を裏付ける主張に欠けているという点で棄却されるべきです」

原告となっているニルヴァーナLCCは、バンドの現存するメンバーであるデイヴ・グロールとクリス・ノヴォゼリックによって1997年に設立された会社で、バンドに関するマネージメントや、コートニー・ラヴが所有するカート・コバーンの遺産管理を行っている。ニルヴァーナLCCはスマイリーフェイスがデザインされたアイテムを販売したマーク・ジェイコブスに対して著作権の侵害やデザインの偽装表示、商標権の侵害、不正競争を行っているとして訴えを起こしている。

マーク・ジェイコブス側はまた、ニルヴァーナのロゴとブランドのデザインを比較した図表も提出しているほか、コートニー・ラヴや彼女とカート・コバーンの娘であるフランシス・ビーン・コバーンからマーク・ジェイコブスのインスタグラムに寄せられた好意的なコメントを引き合いに出している。

「ラヴ氏や(フランシス・ビーン・)コバーン氏はジェイコブス氏がインスタグラムにアップした、彼が問題となっているTシャツを着ている写真を含むコレクションの写真に『いいね』をしているほか、投稿にコメントもしています。ラヴ氏はジェイコブス氏が当該のシャツを着ている写真の一枚に次のようにコメントしています。『いい写真ね! どういうわけか親近感が湧いてくるわ。最高よ!』」

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