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デヴィッド・ボウイは失われたと考えられていたジギー・スターダストとして初めてテレビ番組に出演した当時の映像が新たなドキュメンタリーで放送されることが明らかになっている。

デヴィッド・ボウイはよく知られた「トップ・オブ・ザ・ポップス」でのパフォーマンスを行う1ヶ月前の1972年6月に、伝説的なITVの「リフト・オフ・ウィズ・アイーシャ」で初めてジギー・スターダストとしてテレビ出演を果たしている。

当時の映像はテレビ局に保管されておらず、二度と観ることができないと考えられていた。しかしながら、当時の視聴者の一人が番組を録画していたことが明らかになり、当時の映像を保存したテープが発見され、BBCで放送される新たなドキュメンタリー『デヴィッド・ボウイ:ザ・ファースト・ファイヴ・イヤーズ ー ファインディング・フェイム(原題)』でこの映像が放送されることが明らかになっている。番組の監督を務めるフランシス・ウェイトリーは『ラジオ・タイムズ』誌に対し、テープについて高温の環境で保存されていたために「焼けてしまって」いたとして、数十年の期間を経て劣化が進んでいたことを明かしている。

「ファンにとっては、聖杯のような映像です」とフランシス・ウェイトリーは述べている。「そのまま再生すれば壊れてしまうので、慎重に復元する必要がありました。放送されれば、誰もが衝撃を受けることになるでしょう」

番組の映像はデジタルで保存するためにITV系列のグラナダTVから送られてきた144のテープのうちに入っていたものの、技術者の手違いで誤って削除されてしまっていた。この映像はその後二度とテレビで放送されていないものの、当時番組を観た視聴者の多くの心に刻まれている。

「とても衝撃を受けたのを覚えています」とBBCのマーク・ライリーはかつてデヴィッド・ボウイの伝記の著者であるデヴィッド・バックリーに語っている。「祖母はテレビに向かって、労働党の政治番組でしか言わないような悪口を叫んでいました。私は興奮を隠せませんでした。人生が変わるような瞬間を体験していたのです。大げさに聞こえるかもしれませんが、当時6歳だった私は大きな衝撃を受けたのです」

『ジギー・スターダスト』からベルリン時代の終わりまでというクリエイティヴ面でのピーク期を描いた2013年放送の『デヴィッド・ボウイ 5つの時代』や、『ザ・ネクスト・デイ』や『ブラックスター』といった最後の時期の作品について追った2017年放送の『デヴィッド・ボウイ 最後の5年間』に続く本作は、デヴィッド・ボウイが名声を得る前の時期を振り返るもので、長編ドキュメンタリー3部作の最後となる作品であり、フランシス・ウェイトリーが監督とプロデューサーを務めている。

『デヴィッド・ボウイ:ザ・ファースト・ファイヴ・イヤーズ ー ファインディング・フェイム』では、非常に密接な関係にあった生涯の友人であるクリスティーナ・アマデウス、かつての恋人であるヘルミオーネ・ファージンゲール、これが最後のインタヴューとなったリンゼイ・ケンプ、プロデューサーのトニー・ヴィスコンティ、かつての恋人で友人だったダナ・ギレスピー、生涯の友人だったジェフ・マコーマックとジョージ・アンダーウッド、プロデューサーのマイク・ヴァーノン、初期のプロデューサーだったトニー・ハッチ、ザ・スパイダー・フロム・マーズの最後の現存するメンバーであるミック・ウッドマンジーらの独占インタヴューが使われているという。

『デヴィッド・ボウイ:ザ・ファースト・ファイヴ・イヤーズ ー ファインディング・フェイム』は来月BBCで放送される。

一方、デヴィッド・ボウイは2000年のグラストンベリー・フェスティバルのパフォーマンスを収録したライヴ作品『グラストンベリー 2000』が昨年の11月にリリースされている。

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