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マイケル・ジャクソンの性的虐待疑惑について取り上げた4時間にも及ぶドキュメンタリー映画『リーヴィング・ネヴァーランド(原題)』が現地時間1月25日にサンダンス映画祭でプレミア上映されている。

映画は、少年時代にマイケル・ジャクソンと長い付き合いがあったという現在30代の男性ジェームズ・セーフチャックとウェイド・ロブソンを取材したもので、彼らは1990年代にマイケル・ジャクソンから性的虐待に遭ったと語っている。

『リーヴィング・ネヴァーランド』の中で、この2人の男性は母親の付き添いのもとでインタヴューを受けており、映画ではマイケル・ジャクソンが彼らに贈った「ラブレター」や音声メッセージも使用されている。

プレミア上映に出席した取材陣はソーシャル・メディアでドキュメンタリーの詳細を報じている。「TMZ」の報道によれば、映画は2部に分かれており、前半部はジェームズ・セーフチャックとウェイド・ロブソンの主張を追ったもので、後半部ではこの疑惑をめぐってマイケル・ジャクソンが直面していた裁判を取り上げている。

映画では、マイケル・ジャクソンが「ネヴァーランドに近づく者があったとき、少年たちに服を着るように知らせるアラーム」を設置していたことや、彼が当時9歳のジェームズ・セーフチャックと模擬結婚式を挙げていたことも語られている。「二人の不滅の愛」を表すため、結婚証明書と指輪を贈られたとジェームズ・セーフチャックは語っている。

また、作品でウェイド・ロブソンは、2005年にマイケル・ジャクソンが子どもへの性的虐待疑惑で7つの訴え(後に無罪となっている)に直面していた際、彼がマイケル・ジャクソンの側に立つ証言した理由を明かしている。ウェイド・ロブソンは当時の裁判で、自分は20回以上ネヴァーランドに宿泊し、マイケル・ジャクソンとベッドを共にしたが、性的虐待を受けることは一度もなかったと証言している。

『リーヴィング・ネヴァーランド』でウェイド・ロブソンは、当時マイケル・ジャクソンが脅しによって「余波をこうむる恐怖」を自分に植え付けたため、そのように証言しなくてはならないような気持ちになっていたと語っている。ジェームズ・セーフチャックとウェイド・ロブソンの2人は、マイケル・ジャクソンが亡くなった際、その遺産管理団体に対して民事訴訟を起こしたが、遺産管理団体は歌手の行いに対して法的責任を負うことはできないとして、2017年に2人とも訴えを棄却されている。

今回の映画祭では、観客が映画の内容にショックを受けてしまうのに備え、メンタルヘルスのカウンセラーを動員していたとも報じられている。

マイケル・ジャクソンの遺産管理団体はドキュメンタリーの公開を受けて声明で次のように述べている。「『リーヴィング・ネヴァーランド』はドキュメンタリーではありません。これはマイケル・ジャクソンがその生涯や死後も耐えてきたタブロイドによる誹謗中傷です。本作は20年前に起こされた立証されていない疑惑を扱い、事実のように取り扱っています。これらの主張はよく知られた2名の偽証者によって起こされた裁判がもととなっていて、この裁判は最終的に裁判官によって棄却されています。2名の人物はこんなことが起きたことはなかったと宣誓供述もしています。彼らは自身の主張を裏付ける独自の証拠や立証を提供していません。つまり本作は2名の偽証者の発言に依拠しただけのものなのです」

『リーヴィング・ネヴァーランド』は今年イギリスではチャンネル4で放送される予定となっている。

一方、先日マイケル・ジャクソンの甥が彼の「真実を明かす」ためのドキュメンタリー・シリーズを公開するため資金を募っていることが報じられている。

甥のタージ・ジャクソンによれば、この「問題作」のシリーズは叔父のマイケル・ジャクソンが生涯にわたって「裏切られ、罠にはめられ、ゆすりを受けていた」ことを明らかにするものになるという。このプロジェクトは叔父の死後、彼が関わった子どもたちをめぐって向けられることとなった事実に反する虐待疑惑に反論するものになるとタージ・ジャクソンは語っている。

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