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デヴィッド・ボウイの初となる銅像をデザイン・制作したアンドリュー・シンクレアは、先日銅像に落書きされた「理不尽な蛮行」に言及し、銅像のプロジェクトは「ファンの愛によって」実現したものだとしている。

銅像は現地時間3月25日に公開され、エイルズベリーのマーケット・スクウェアに設置されている。デヴィッド・ボウイは1970年代初頭、エイルズベリーのコンサート会場、フライアーズでジギー・スターダストとしての初パフォーマンスを行ったとされている。

しかし、公開から48時間を経たずして落書きの被害に遭っており、左横には「RIP DB」と書かれたほか、銅像の前の地面には「ホームレスに食事を与えるのが先だ」と書かれている。

「とても腹立たしい気持ちでした」とアンドリュー・シンクレアは『NME』に明かしている。「理不尽な蛮行を本当に憎く感じています。このプロジェクトはファンによって実現したファンのためのものであり、ボウイのご家族や思い出のためのプロジェクトなのです。たくさんの愛と想い、そしてものすごい量の努力が詰まっています」

アンドリュー・シンクレアは続けて「ホームレスに食事を与えるのが先だ」という落書きについて言及し、資金はキックスターター・キャンペーンを通じて10万ポンド(約1500万円)を集めたとして次のように述べている。

「公共のお金はこれぽっちも費やしていませんし、公共のお金を調達しようともしていません。あの文言だったりそれに込められた意味については、本当に馬鹿げていると思います。意味が通ってないですし、理不尽な蛮行を余計に腹立たしいものにしているのです」

エイルズベリーの副町長を務めるマーク・ウィルズは先日、次のように語っていた。「私が強調したいのは、この銅像にはこれっぽっちも公共のお金が使われていないということです。まさに0ポンドなのです。すべての資金は、私自身を含む一般の人からクラウドファンディングで集められました。ホームレスや貧困は、間違いなく社会に蔓延る解決すべき悩みであり、シェルターは私が毎月支援しているチャリティーの1つでもあります」

音楽ファンからの銅像への全体的な反応について、アンドリュー・シンクレアは次のように明かしている。「いい意味で圧倒されています。数多くの人の反応の中で、気に入らないとおっしゃっていたのは2人でした。本当に信じられません。ようやく作品を展示できて、みなさんからそれを認めてもらえたことで、ホッとしています」

「ボウイはずっと私の人生にいました。正直に宣言するならば、お気に入りの2曲は“Space Oddity”と“Life On Mars”です」

銅像のデザインについて、アンドリュー・シンクレアは『NME』にデヴィッド・ボウイのキャリアを通したカメレオン的な変化を反映したかったと語っている。

「デザインとは面白いもので、しばらく考えていた後で吹き出しのように思いつくものなのです」とアンドリュー・シンクレアは語っている。「この銅像は、ボウイの変化自在なキャラクターにインスピレーションを得ました。彼は、自分自身の創造と再創造を繰り返していました。当時のファンは、ボウイの特定のキャラクターに魅了されていたのです。僕の責任は、可能な限り多くの人に響くようなものを作り出すことでした」

「エイルズベリーに縁のあるジギー・スターダストをフィーチャーするだけでなく、彼のキャリアを包括できるように他の15のキャラクターも作るのが理想でした。このデザインは、そういう彼の天賦の才能から着想を得ているのです」

銅像の除幕を務めたマリリオンのシンガーであるスティーヴ・ホガースは落書きについて次のように述べている。「アンドリュー・シンクレアが手がけた息を呑むような2体のデヴィッド・ボウイ像を、公開から48時間のうちに誰かが台無しにしたと聞いて落胆しているし、気分が沈んでいるよ」

「どうやら、スプレーで汚されたみたいだね。恥を知ってほしいね。きちんとキレイになることを願うよ。防犯カメラに頼るか、さもなくばバリケードを設置した方がよさそうだね。まったく」

デヴィッド・ボウイのファンであるアレックス・ローラントは、もし犯人が自首するならば、5,000ポンド(約75万円)をホームレスのチャリティに寄付すると申し出ている。そのプレス・リリースには次のように記されている。「銅像は1日24時間防犯カメラに監視され、犯罪を犯した男性を捉えたクリアな映像が出回っています」

先日、デヴィッド・ボウイについてはミュージカル『ラザルス』の映像作品の特別上映がニューヨークで行われることが決定している。

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