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元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズは「アス+ゼム・ツアー」でのドナルド・トランプ大統領を批判する演出に対する批判に反論している。

「アス+ゼム・ツアー」では、『アニマルズ』収録の“Pigs (Three Different Ones)”のパフォーマンスを行う際、背後のスクリーンに羊の格好をしたドナルド・トランプ大統領や、ライフルの代わりにディルドを持ったドナルド・トランプ大統領、クー・クラックス・クランのフードを被ったドナルド・トランプ大統領、ナチスの敬礼をするドナルド・トランプ大統領に加え、垂れ下がった乳房と小さなペニスのドナルド・トランプ第と横領までもが映し出されている。さらに、ロジャー・ウォーターズが「ha ha, charade you are(ハハ、見え透いた嘘つきめ)」という一節を歌う際には、スクリーンのドナルド・トランプ大統領の顔の上に「CHARADE(見え透いた嘘つき)」の文字が重って映し出されている。

また、「私の勝利だ!」という吹き出しがつけられ、目がお金のマークに変わっているドナルド・トランプ大統領と共に「機械へようこそ」と書かれた巨大スクリーンの周辺に、ピンク・フロイドの象徴的なブタのバルーンが飛び交うという演出も行なわれている。豚のドローンの裏側には「戦争の豚の貯金箱」と書かれている。

ロジャー・ウォーターズはまた、ドナルド・トランプ大統領による過去のメキシコとの国境に築く壁や9.11についての発言を初め、税制改革案や女性蔑視発言、娘であるイヴァンカについての発言を「ファック・トランプ」という言葉と共にスクリーンに映し出している。

上記のような演出は、アメリカの共和党支持者の多い州での公演を中心に批判を集めている。これらの批判について、ロジャー・ウォーターズは「CNN」に対して次のように語っている。「ちょっと驚いているよ。僕の曲を50年間もきちんと理解しないまま聴いていた人がいるなんてね」

ライヴの間は政治的なことから目を背けたいと願うファンについてはどう思うか訊かれると、ロジャー・ウォーターズは次のように答えている。「ケイティ・ペリーのライヴへ行くか、テレビで『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』を観てればいいさ。僕の知ったこっちゃない」

ロジャー・ウォーターズはまた、ドナルド・トランプ大統領を批判する演出のせいでアメリカン・エキスプレスがスポンサーから撤退してしまったことを明かし、400万ドル(約4億4,000万円)の損失があったことを明かしている。

CNNによるインタヴューの全編はこちらから。

ロジャー・ウォーターズは6月2日に、1992年の『死滅遊戯』以来、25年ぶりとなるロック・アルバム『イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント?』をリリースしている。新作はナイジェル・ゴッドリッチ(レディオヘッドポール・マッカートニー、ベック、U2他)がプロデュースとミキシングを担当しており、レコード盤、CD、デジタルの形態でリリースされている。

ロジャー・ウォーターズは先日、アルバム制作前に取り組んでいた、北アイルランドに住む一人の男が孫娘と共になぜ子供たちが殺されているのかを探るというラジオ劇の脚本の執筆や、トランプ政権への嫌悪感がアルバム制作のインスピレーションになったことを明かしている。「このアルバムには、2〜3曲そういうアイデアから書いた曲があってね」とロジャー・ウォーターズは語っている。「ナイジェル・ゴドリッチに、今回のようなロックンロール・アルバムを作りたいなら、僕が取り組んでいたラジオ劇の脚本に落とし込んでいたような演劇的なアイデアは理想とは言えない、って説得されたんだ」

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