ブルース・スプリングスティーンのカヴァー・バンドとして37年間活動を行っているザ・B-ストリート・バンドが、現地時間1月19日にワシントンD.C.で行われる予定であるドナルド・トランプ次期大統領の就任パーティーでパフォーマンスを行う理由について語っている。
ブルース・スプリングスティーンはこれまでもドナルド・トランプを批判する発言で知られ、「トランプの場合、その見せかけの姿は簡単に見抜くことができるもので、そこから見えてくるものは不安、脆弱さ、不安定さの集合体なんだ」と『ガーディアン』紙に語っている。
「僕にとっては、ほんの一瞬でも騙すことができないくらい本当に薄っぺらい装飾だよ」と、スプリングスティーンは続けている。「だけど、彼はこれまでかなり多くの人々を惹きつけてきたわけで、だからある程度は空威張りができるんだと思う。アメリカ国民にとって、彼は本当に恥みたいな存在だよ。その汚らわしさを、本当に堅くて薄っぺらい男らしさのベールで覆い隠してるだけのね」
ザ・B-ストリート・バンドはこれまで共和党、民主党の双方のパーティーや、2009年、2013年のバラク・オバマ大統領の就任パーティーでもパフォーマンスを行ってきた。そして、2013年のパフォーマンスの1週間後には、2017年1月19日に開催される大統領就任パーティーでのパフォーマンスを行う契約にサインをしたという。
多くの非難を浴びることになった今回の出演についてザ・B-ストリート・バンドのウィル・フォルテは4年前に出演を決めたことを米『ローリング・ストーン』誌に明かしている。「4年前にはこんなことになるなんて予想もしてなかったよ。メディアは僕らがトランプに雇われたって報道してるけど、トランプと取引なんて何もしていないよ! ただニュー・ジャージーの人たちのためのお祭りなんだ」
しかし、ブルース・スプリングスティーンがどう思うかについては次のように語っている。「僕らは本当に光栄だと思ってるし、感謝してるし、ここ数年もらってきた機会というのはすべてブルース・スプリングスティーンと彼の音楽のおかげであるわけだからね。ここ37年間で彼に与えてもらったものに意図的に無礼をはたらこうなんて思ってないよ。もし心配があるとしたら、それはブルースを怒らせてしまうことだよね。彼は今回の出演の裏にある話を知らないと思うんだ。それが心配だね」
今回の出演に関して覆すプランはないかと訊かれると、次のように答えている。「僕は人生においてもう十分な訴訟を抱えているからね。4人の子供もいるし、63歳だからね。他の人たちのように行動を起こすことなんてできないんだ。そういうポジションにはいないんだよ。政治がどうであるにせよ、やるべきことをやるだけだって分かってるよ」
ドナルド・トランプの大統領就任式では「アメリカズ・ゴット・タレント」の出演者であるジャッキー・エヴァンコらが国歌斉唱を行う予定であることが報じられているが、パフォーマンスを行うアーティストをブッキングするのに苦労していると見られている。
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