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ルーファス・ウェインライトは、レナード・コーエンへの心のこもった追悼のための長文の文章を再び発表し、レナード・コーエンを「手の届かない存在」、「人間離れしている」などと評している。

ルーファス・ウェインライトは、11月7日に82歳で亡くなったレナード・コーエンと親族関係にあり、2011年にはレナード・コーエンの娘のロルカを代理母として子供をもうけている。ルーファス・ウェインライトはレナード・コーエンの楽曲“Hallelujah”のカヴァーをリリースして商業的成功を収めており、2001年の映画『シュレック』のサウンドトラックに収録された同曲はヒットを収めている。

ルーファス・ウェインライトは『ザ・ガーディアン』紙に愛溢れる追悼原稿を寄せている。

「18歳でロサンゼルスに移って、彼の娘のロルカに会うまで、彼のことは知らなかったんだ」とルーファス・ウェインライトは綴っている。「それに、20代の後半になって映画『シュレック』のサウンドトラックで“Hallelujah”を歌う話が来るまで、ちゃんと彼の曲を聴き始めることもなかったんだ。そこから掘り下げ始めて、いかに彼が手の届かない存在か分かったんだ」

レナード・コーエンの人となりについてルーファス・ウェインライトは以下のように述べている。「僕は彼のユーモアが大好きだったんだ。彼は例えばこんなおかしなことを言うんだ。『キリストは『口に入るものより口から出るもののほうが重要だ』と言ってる』なんてね。彼は人に会うときも、とても感じがよかった。手を握って『こんにちは』『調子はどう?』なんて訊かずに、笑顔で『君には僕らのことが絶対にわからないだろうね』なんて言うんだ。もちろん、からかってるんだけど、本物のエッジも含まれてるんだよね。一度トイレかなんかの業者がとんでもないミスをして、彼がものすごく怒ったのを覚えているよ。月明かりについて一点の曇りもないような歌詞を書くような詩人が、見事な言葉選びで口喧嘩の相手を打ち負かしていた様子は驚くべき光景だったね」

「それから、僕が彼の部屋のために日本の絵を買ったことがあるんだけど、彼は立ち尽くしたまま、その上に手を置いて、動かずに、2分ほどじっと見つめていたんだ。僕にはそう理解するのが限界で、うん、脳卒中かなんかでも起こしたのかな? でも、彼はこの絵でトランス状態に入っているようだった。彼はいつも不思議なことをする人でもあったんだ」

近親関係についてもルーファス・ウェインライトは以下のように明かしている。「彼はとても幸運な祖父だ。ある日、僕らはただ静かに座っていて、(ウェインライトの娘でコーエンの孫の)ヴィヴァが遊んでいるのを眺めていたのを覚えてる。彼はすごく笑顔だった。彼はいつもヴィヴァの父親である僕に優しかったよ。彼は僕のことを人にこう紹介してくれたんだ、『こちらはルーファス、僕の家族の一員だ』ってね」

最後にルーファス・ウェインライトは次のように締めくくっている。「今、あの人を失ってしまったのは悲劇だと思っている。周りにそんなに賢明な人がいないなかで、彼は本当に頭のいい人だったんだ。40代の時にミュージシャンとして大きな変貌を遂げ、スピリチュアルな存在となった彼に、40代の男として訊きたかったことがたくさんあるんだ。ソングライターとしても、人間としても、彼に訊くことができないのが悲しいよ。彼は本当に多くのことを知っていたからね。人間離れしている人がいなくなってしまった、そんな感じなんだ」

レナード・コーエンは今年11月、享年83歳でこの世を去っている。

今年6月にルーファス・ウェインライトが1500人のコーラス隊と共に“Hallelujah”をカヴァーした映像はこちらから。

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