Shamil Tanna 2016 /PRESS

Photo: Shamil Tanna 2016 /PRESS

2017年1月1日に新作『リフレクション』をリリースするブライアン・イーノだが、同作のプレミアム・エディションとして、iOS、Apple TV対応アプリでもリリースされることが明らかになっている。

アプリ版は、これまでにブライアン・イーノが手がけた『Bloom』や『Trope』といったアプリ同様、音楽家でありプログラマーのピーター・チルヴァースと共同開発されたもので、『77 Million Paintings』や『The Ship』といった代表作を生んだソフトウェア・プロジェクトのコンセプトを拡張させ、自動生成的な音楽や画像を楽しめるアプリとなっている。

ブライアン・イーノはアプリについて以下のコメントを寄せている。「『リフレクション』は、私にとって最新のアンビエント実験作で、これまでのところ最も精巧な作品となっている。私がアンビエント・ミュージックを手掛けることになった当初の意図は、エンドレスな(=無限の)音楽、すなわち、聴き手が望む限りずっとそこに流れている音楽を作ることだった。そして、その音楽が流れている間ずっと、常に異なる展開を生み出し続けることも求めていた。『流れる川のほとりに座っている時のように』だ。つまり、そこにあるのは同じ川だが、流れる水は常に変わり続けているということ。しかし、録音作品はアナログ盤であれカセットであれCDであれ、その長さが限られており、再生する度に毎回、まったく同一の内容を聴くことになる。そのため私は従来、音楽を作り出すシステムを開発しても、その後30分もしくは1時間の音源を録音し、それをリリースしなければならないという制限を受けてきた。アルバム形式での『リフレクション』は、アナログ盤もCDも、そのようなものとなっている。しかし『リフレクション』の制作に用いた本アプリには、そういった制限がない。本アプリによっ て、『リフレクション』という音楽作品の、エンドレスかつ無限に変化し続けるヴァージョ ンを生み出すことができるのである」

彼は次のように続けている。「こういった種類の曲の制作は3つの段階に分けられる。まず第1の段階が、音の素材 及び旋法(モード)の選択、つまり一連の音程関係の選定である。これらは次の段階で、アルゴリ ズムのシステムによりパターン化され、探査が行われる。そのアルゴリズムのシステムは変動し、 最初に私がそこに入力する要素を並べ替えながら、絶えず変容を続ける音楽の流れ(もしくは川) を生じさせる。第3の段階が、試聴だ。一旦システムを作動させると、実際、何週間にも及ぶ長い 時間を費やして、私はその作用を確かめ、素材やアルゴリズムを実行する一連の規則を微調整す る。それはガーデニングと実によく似ている。つまり、種を蒔き、その後、好みの庭に育つまで、 世話をし続けるのだ」

アプリの開発を担当したピーター・チルヴァースは次のように語っている。「コンポジション(作品)をソフトウェアに取り込むことにより、ある特別な機会を得ることができた。1日の時間帯によって、規則自体を変更することが可能になったのだ。午前中にはハーモニーがより明るく、それが午後にかけて徐々に変化し、夕刻までには本来のキーに到達する。明け方には新たに導入された条件によって音がまばらになり、全体の速度が落ちるんだ」

ブライアン・イーノの新作『リフレクション』は、CD、アナログ、デジタル配信、iOS、 Apple TV対応アプリのフォーマットで、2017年1月1日に全世界同時でリリースされる。

国内盤CDは高音質UHQCD(Ultimate High Quality CD)仕様で、セルフライナーノーツと解説書が封入される。

リリースの詳細は以下の通り。

Labels: Warp Records / Beat Records
artist: BRIAN ENO
title: Reflection
ブライアン・イーノ『リフレクション』
release date: 2017/01/01 SUN ON SALE
国内盤CD: ¥2,400+tax

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