スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンが、デヴィッド・ボウイが90年代にどんな扱いを受けていたかについて自身の思いを語っている。
これは先月サンフランシスコ公演のライヴの前に開催されたVIPセッションで語られたもので、VIPセッションではファンからの質問に対して、ビリー・コーガンが自ら答えるものとなっている。
ビリー・コーガンはキャリアのなかで音楽を進化させながら、期待に応えることについて、90年代のデヴィッド・ボウイを引き合いに出しながら語っている。
「何年だったかはっきりとは覚えてないけど……1993年か95年だったかな。コートニー・ラヴが僕にこう言ったのを覚えてる。『真のファンはたったの20万人ほどしかいなくて、他はただのファン気取りよ』ってね。最近はかつてないほど流行に敏感な人が多くて、かっこいいと思うバンドの曲を聴いてる人がたくさんいる。でも、実際のところ、本当に真の音楽ファンやバンドのファン――リリースされたすべての曲を聞いて、それらを心から理解しようとするファン――は思っているよりも少ないんだ。ほとんどの人たちは腰掛けさ。彼らは何枚かのアルバムを聴いたら、次のバンドに乗り換える。好奇心を持続させることは、本当に、すごく難しい。だから、その日の終わりにはもう、どんなアーティストだろうと関係ないって感じなんだよ。そういう人たちともうまく付き合っていかなきゃいけないんだ」
「1990年代に、僕はデヴィッド・ボウイのことを少し知る機会があったんだ。僕たちは同じレーベルに所属していて、いろいろな所ですれ違ったよ。その頃、彼はひどい扱いを受けていたんだ。見ていられないほどにね。でも、彼はやるべきことをやりながら少しずつ居場所を探して、最終的には見つけた。90年代の終わりに向けて復活して、次の段階に移行したんだ。第3段階というのがふさわしいかな。第1段階で、デヴィッド・ボウイは信じられないほどの人気と商業的成功を収めた。でも、最初のブレイクを果たした“Space Oddity”の前に12枚か13枚ほどのシングル曲が失敗に終わってることを忘れちゃいけないよ。初めはまったく注目されてなかったけど、遂に人気者となったんだ。彼はある程度の間は人気者だったけど、70年代の終わりになってアルバム『ロウ』と『ロジャー』をレコーディングして、なんだか芸術的になったんだよね……もしかしたら僕の話は間違ってるかもしれないけど、80年代初めは基本的にブレイクしていたと思うよ。その流れで『レッツ・ダンス』が生まれた。『俺はまた並外れた人生に戻るんだ』と言わんばかりにスタジアムで歌い始め、再び人気が出たのさ。これが第1段階と、第2段階だよ」
「こんな体験をしていたら、『そうだ、アコースティックギターを使おう!』なんてそう簡単には言えない。みんなの期待と、これまでの栄光の重みがすごいからね。これは僕の解釈だけど……古い音楽に対して新しい音楽を見出したり、そうやって物事のバランスを見つけようともがいてる間、彼に対する扱いはとても、とてもひどいものだった。僕の言葉で何を伝えようとしているかと言うと、彼は尊敬に値するにもかかわらず、然るべき扱いを受けていなかったということだよ。『好きじゃない』という意見は理解できるけど、彼が誰であるかを忘れてしまったかのように、人々は彼をぞんざいに扱っていた。だから、彼がそれを乗り越えて、人生の最後に向けて屈せずにやり通し、最高の音楽を作り出せたことは素晴らしいよ。『信じられない、彼は本当にあのファッキンなボウイだ』と人々に思い出させて、彼らの関心を引き戻すなんてすごいことだよね。残念なことにそれが僕たちの知る限りでは最後となったけどね。とにかく彼が立ち向かい、戻ってきて良かった。人々が何と言うか想像もできないよ」
3月26日に行われた公演では、2000年以来初めてスマッシング・パンプキンズのライヴにジェイムス・イハが参加している。
ビリー・コーガンとジェイムス・イハが共演するのは約16年ぶりで、オリジナル・ラインナップでの解散以降、緊張関係が続いていた。しかし、ロサンゼルスで行われた公演でそうした反目は解消されたようで、ザ・ローリング・ストーンズの“Angie”のカヴァーなども披露している。
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