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ジョン・レノンは新作ドキュメンタリー映画『ジョン・レノン:ザ・ラスト・インタヴュー』でメタ社とコラボレーションして、生成AI技術が使われていることをスティーヴン・ソダーバーグ監督が明かしている。
『ブラックバッグ』、『エリン・ブロコビッチ』、『オーシャンズ11』シリーズといった作品で知られるスティーヴン・ソダーバーグ監督はジョン・レノンの遺族と協力して、妻であり、共同制作者でもあるオノ・ヨーコと共にアルバム『ダブル・ファンタジー』のプロモーションで行った最後のインタヴューを映像化している。このドキュメンタリーの制作におけるスティーヴン・ソダーバーグ監督の役割は、音声のみのインタビューに映像を提供することとなっている。
そのほとんどはアーカイヴ映像だが、スティーヴン・ソダーバーグ監督は作品の10%に生成AIの映像を使用して、従来のクリエイティヴな手法では不可能な、シュールな光景を描き出すとしている。
「当時は章立ての構成ができて、ジョンとヨーコが特定の体験、特定の楽曲、特定の人物について語っている部分にアーカイヴ映像を重ねていく作業に取り掛かっていました。静止画もあれば、映像もあります」とスティーヴン・ソダーバーグ監督は語っている。「そして、ジョンとヨーコが抽象的な哲学用語で語っている部分の映像だけが抜けているヴァージョンが出来上がりました」
「この部分は全体の10パーセントを占めるのですが、一つ問題があるのです。というのも、彼らの言葉を補強しつつ、比喩的なイメージを作り出す必要があるんです」とスティーヴン・ソダーバーグ監督は続けている。「それでAIを使って、テキストに合うようなイメージを作り出せるかどうか、実験を始めてみたんですが、何か面白いものができるようなアイデアを練っている時に資金が底をつきかけることになったんです」
「そんな時にプロデューサーのマイケル・シュガーが『これまでブランド各社とコンテンツ制作の仕事をしてきましたが、メタ社と話をするべきだと思います。彼らは動画生成ツールを開発しているんです』と言ったんです。それで『分かりました。ぜひ話をしてみましょう』ということになりました。彼らは前向きで、映画を観たいと言ったので、観せたところ、『素晴らしいタイミングです。というのも、開発中のツールのストレス・テストをしてくれる映像作家を必要としていたんです。もしあなたがテスト・ケースになってくれるなら、技術を提供して、映画を完成させます』と言ってくれたんです。それで『ぜひそうしましょう』ということになりました」
スティーヴン・ソダーバーグ監督はAIについて「最近、非常に感情的な話題になっていますが、それも理解できます」と認めつつも、人間を代替するような使い方はしていないと語っている。「二つの使い方があります。人を騙したり操ったり、本物だと思わせるような画像を作り出すことを目的とした使い方があります。一方で、VFXやCGIのように、写真技術的ではない使い方というのもあります」
スティーヴン・ソダーバーグ監督はジョン・レノンの遺族もこのアプローチに賛成してくれていると説明している。「ショーン・オノ・レノンに尋ねたんです。『父親はこうしたテクノロジーにどう考えたと思う?』ってね。そうしたら、彼は『積極的に使っていたと思いますよ』と言ってくれたんです。ジョン・レノンは新しいテクノロジーが好きでした。ザ・ビートルズ全員がそうです。どんなことができるか知りたくて触ってみたかったはずです。ショーン・オノ・レノンも『父はそういう人でした。最終的にどう思ったかは決して分かりませんが、触ってみたかったはずです』と言ってくれました」
新作ドキュメンタリー映画『ジョン・レノン:ザ・ラスト・インタヴュー』は今月開催されるカンヌ国際映画祭で初上映される予定となっている。
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