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ザ・ビーチ・ボーイズのマイク・ラヴは亡くなった従兄弟のブライアン・ウィルソンについて「唯一無二」と評して、「胸を痛めている」と述べている。
ブライアン・ウィルソンは亡くなったことが現地時間6月11日に遺族によって発表されている。享年82歳だった。
ザ・ビーチ・ボーイズはグループとして声明を発表しており、ブライアン・ウィルソンについて「サウンドの魂」だったと評している。ブライアン・ウィルソンのライヴに参加していたアル・ジャーディンも声明を発表して、「今、最も心が安らぐことがあるとすれば、あなたがカールとデニスと再会して、再びあの美しいハーモニーを歌っていると考えることです」と述べている。
今回、マイク・ラヴは個別にブライアン・ウィルソンに追悼の意を表明して、次のように述べている。「今日、世界は天才を失いました。私は血を分けた従兄弟である音楽のパートナーを失いました」
メッセージはザ・ビーチ・ボーイズの“Brian’s Back”を使った映像と共に投稿されている。“Brian’s Back”は1978年にレコーディングされ、1998年発表のコンピレーション作『エンドレス・ハーモニー・サウンドトラック』に収録された楽曲となっている。
「ブライアン・ウィルソンはザ・ビーチ・ボーイズの中心人物であっただけでなく、サウンドの魂でした。子どもの頃にリヴィング・ルームで初めて一緒に歌った時から、彼の音楽的才能は比類なきものでした。彼が思い描いたメロディーと音符に注ぎ込んだ感情を通してブライアンは音楽の歩みを永遠に変えることになりました」
「私たちの歩みは輝かしい時も、悲痛な時も、笑いも、複雑な感情もありつつ、なにより愛に満ちていました。どこの家族とも同じように、いい時もあれば悪い時もありました。けれど、その歩みを通して、お互いを愛することを止めたことはありませんでした。彼がピアノに座った時、スタジオで何かを思いついた時にやったことへの畏敬の念を持たなかったことはありませんでした」
「ブライアンの独自のアーティスト性と私たちのコラボレーションは世界にアメリカン・ドリームの楽観性、歓喜、自由の感覚をもたらし、夏と無限の可能性を信じさせる気分のよくなる音楽を届けました」
「彼と一緒のクリエイティヴ・スペースを体験できたことは人生でも最高の恩恵の一つでした」とマイク・ラヴは続けている。
「太陽、サーフィン、ティーンエイジャーの夢といったものを世界に伝えられたことは特権とも言える出来事でした。私の人生は『ペット・サウンズ』、“God Only Knows”、“In My Room”、“Good Vibrations”、“The Warmth Of The Sun”、彼の魂が詰め込まれた数百の作品によって永遠に変わることになりました」
「彼のおかげで私たちは弱さと才能がハーモニーとして響くことを世界に示すことになりました。彼は繊細で、張り詰めていて、愉快な人でした。そして、彼は唯一無二の存在でした」
「妻のジャクリーンと私は胸を痛めています。彼女はこの物語において多くのチャプターで私のそばにいてくれました。二人でブライアンの家族、子どもたち、彼の人生と才能に心動かされた人々に愛と祈りを送ります」
「ブライアン、あなたはかつて『Wouldn’t it be nice if we were older?(歳を取ったら、素敵じゃないか)』と言っていましたが、今は時代を超える存在になりました。あなたに本当にふさわしい安らぎの中で、あなたが生み出した天国のような音楽に囲まれて、眠りについてください。あなたのファルセットのように精霊が高く舞い上がり、あなたの翼が難なき飛翔へと羽ばたかんことを」
マイク・ラヴは次のように締めくくっている。「そのハーモニーに、その思い出に、その愛に感謝します。死は誰にも癒すことのできない悲しみを残しますが、愛は誰にも奪うことのできない思い出を残します。愛する従兄弟よ、ずっとあなたを惜しむことになるでしょう」
米『ローリング・ストーン』誌に対してブライアン・ウィルソンの長年のマネージャーであるジーン・シーヴァースは声明で次のように述べている。「ブライアン・ウィルソンはその音楽、精神、強靭さを通して世界に多くのものを与えてきました。彼は素敵で、優しい魂の持ち主であると同時に手強い競合者でもありました。彼のような人は二度と現れないでしょう。神はブライアン・ウィルソンを生み出したことで既成概念を覆してみせました。クリエイティヴ面で天才であるだけでなく、彼は私の知る中でも最も知的で愉快な人でもありました。彼の愛のメッセージはその音楽を通して永遠に生き続けるでしょう」
昨年、ブライアン・ウィルソンは認知症と診断されたことが報じられ、家族や近い友人によって自分の面倒を見ることができないということで保佐人の下に置かれることとなっている。昨年1月、妻でマネージャーを務めてきたメリンダ・レッドベターが亡くなっており、彼女はブライアン・ウィルソンの健康状態の悪化に伴い、彼の介護者として身の回りの世話を行っていた。ブライアン・ウィルソンは生涯にわたって精神疾患を抱えており、1964年には神経衰弱に陥り、ザ・ビーチ・ボーイズの通常のツアーから退き、作曲とプロデュースに専念することとなっていた。
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