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ブルース・スプリングスティーンは現地時間5月14日に行ったマンチェスター公演でアメリカのドナルド・トランプ大統領を批判している。

ブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンドはマンチェスターのコープ・ライヴで予定されている3公演の初日となる公演を行っており、これは7月まで続くヨーロッパ・ツアーの初日の公演となっている。

ブルース・スプリングスティーンは公演の中で三度にわたってドナルド・トランプ政権に苦言を呈しており、「腐敗して能力のない裏切りの」現政権に言及している。

ブルース・スプリングスティーンは“Land of Hope and Dreams”でライヴを始めるにあたって観客に次のように語っている。「マンチェスターに来られて、UKに戻ってこられて最高だよ。『ランド・オブ・ホープ・アンド・ドリームス』ツアーにようこそ。栄えあるEストリート・バンドが今夜ここに来たのは、危険な時代にアート、音楽、ロックンロールの正しい力を結集させるためなんだ」

ブルース・スプリングスティーンは次のように続けている。「私の母国、愛するアメリカ、曲にしてきたアメリカは250年にわたって希望と自由の灯火だったが、今は腐敗して能力のない裏切りの政権の手中にある。今夜、アメリカという試みの最善の部分、民主主義を信じる人たち全員には、私たちと共に立ち上がり、独裁政治に声を上げ、自由の鐘を鳴らしてもらいたいんだ」

“House of a Thousand Guitars”の演奏前には次のように語っている。「権力の抑制と均衡が機能しなくなってしまった時、権力に対する最後のチェックは私やあなたといった国民だ。民主主義と独裁主義の間に立ちはだかるのは、共通の価値観に基づく国民の結束なんだ。最終的に私たちに残されているのはお互いしかない」

ブルース・スプリングスティーンは“My City of Ruins”の紹介時にこの日三度目となる政治への言及を行っている。「今はとても奇妙で危険でおかしなことになってしまっている。アメリカでは言論の自由を行使して、反対の意見を表明した人々が迫害されている。それが今起こっていることなんだ」

「アメリカでは最も裕福な男が世界で最も貧しい子どもたちを病気と死に追いやって満足感を得ている。そんなことになっている。私の国では誠意あるアメリカの労働者に苦痛を与えることでサディスティックな喜びを感じている。公正で多元的な社会をもたらした歴史的な公民権法を後退させようとしている。偉大な同盟国を見捨て、自由を求めて闘う人々に対して独裁者の味方をしている。イデオロギー的な要求に屈しないアメリカの大学への資金援助を打ち切ろうとしている。アメリカの路上から住民を排除して、法の正当な手続きなしに、彼らを外国の拘置所や刑務所に強制送還している。これが今起きていることだ」

「私たちに選出された議員の多数派は不適格な大統領と不正な政府の悪用からアメリカ国民を守ることができなかった。アメリカというものが深層で何を意味するのか、そのことをまったく考えていない。約50年にわたって自分が歌ってきたアメリカはリアルなものだし、こうした欠点にもかかわらず、素晴らしい人々による素晴らしい国家だ。だから、こうした瞬間も生き抜いていく。今は希望を抱いているんだ。それはアメリカの偉大な作家、ジェイムズ・ボールドウィンの言ったことは真実だと信じているからなんだけれど、彼はこう言ったんだ。『この世界には望むほどの思いやりはないが、十分にある』と。さあ祈ろう」

ブルース・スプリングスティーンはかねてからドナルド・トランプ大統領を批判してきており、昨年11月の大統領選挙ではカマラ・ハリス元副大統領を支持することを表明していた。

先月、ブルース・スプリングスティーンは地元ニュージャージー州で開催されたイベントでジョン・フォガティー、スモーキー・ロビンソン、ジャクソン・ブラウン、トム・モレロ、ダーレン・ラヴ、ノラ・ガスリーらと共演を果たしている。

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