MC5は50年以上ぶりとなるニュー・アルバム『ヘヴィ・リフティング』がリリースされることが発表されている。
このプロジェクトは結成メンバーであるウェイン・クレイマーがギターとヴォーカルを担当するもので、様々なスペシャル・ゲストが参加している。
ウェイン・クレイマーは過去50年にわたって活動を続け、最後まで活動を続けるメンバーとなっていたが、今年2月に膵臓ガンとの闘病の末に享年75歳で亡くなっている。生前、ウェイン・クレイマーはオークランド出身のシンガーソングライターであるブラッド・ブルックスと13曲中12曲を共作している。
今年5月に亡くなったドラマーのデニス・“マシンガン”・トンプソンもアルバムには参加している。本作は彼の最後のレコーディング音源になる。
アルバムは1971年にリリースされた『ハイ・タイム』以来、53年ぶりとなり、10月18日にリリースされる。アルバムからはリード・シングルである“Boys Who Play With Matches”が公開されている。
“Boys Who Play With Matches”の音源はこちらから。
「すごくヘヴィなんだ」とプロデューサーのボブ・エズリンは語っている。「革命的なメッセージがありつつ、素晴らしいユーモアのセンスもある。ちょっとヘヴィ・メタルも入ってるし、ちょっとファンクも入っている。でも、ヘヴィなレコードなんだ。ギターが左右、真ん中にあるレコードだよ」
「ほとんどの場面でギターが壁のようになっていて、ウェイン・クレイマーとその美学によるものなんだ」とボブ・エズリンは続けている。「ギターの男がその高みにいる時のスナップショットだね。彼の作品を聴いてもらって、彼が認められるようにしないといけない責任を感じている。だから、このプロジェクトには心血を注いだよ」
ウェイン・クレイマーは昨年11月に『アンカット』誌のインタヴューでこのプロジェクトについて次のように語っている。「長生きして、クリエイティヴであり続ける。それが俺のアティテュードなんだ。このアルバムは『ハイ・タイム』の出発点と地続きなんだ。アーティストとしての責任というのは生きている時代を反映させることだと思う。今の時代や直面している課題を反映した、ポジティヴなメッセージを届けるアルバムを作ることができたと思う」
今回の新作については2022年から予告されており、往年の映像とタイトル曲“Heavy Lifting”の一部音源を作ったトレイラー映像がインスタグラムで公開されていた。
新作のトラックリストは以下の通り。
1. ‘Heavy Lifting’ (feat. Tom Morello)
2. ‘Barbarians At The Gate’
3. ‘Change, No Change’
4. ‘The Edge Of The Switchblade’ (feat.William Duvall & Slash)
5. ‘Black Boots’ (feat. Tim McIIrath)
6. ‘I Am The Fun’ (The Phoney)
7. ‘Twenty-Five Miles’
8. ‘Because Of Your Car’
9. ‘Boys Who Play With Matches’
10. ‘Blind Eye’ (feat. Dennis Thompson)
11. ‘Can’t Be Found’ (feat. Vernon Reid & Dennis Thompson)
12. ‘Blessed Release’
13. ‘Hit It Hard’ (feat. Joe Berry)
Additional Tracklisting (2CD/2LP):
1. ‘Ramblin’ Rose’
2. ‘Kick Out The Jams’
3. ‘Come Together’
4. ‘Motor City Is Burning’
5. ‘Borderline’
6. ‘Gotta Keep Movin”
7. ‘Future/Now’
8. ‘Poison’
9. ‘Shakin’ Street’
10. ‘Sister Anne’
アルバムにはゲストとしてレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュ、アリス・イン・チェインズのウィリアム・デュヴァール、ライズ・アゲインストのティム・マキルラスらが参加している。
アルバムのボーナス・エディションにはサウンドガーデンのキム・セイル、フガジのブレンダン・キャンティ、マーカス・デュラントが参加したライヴ音源も収録される。
ウェイン・クレイマーとデニス・“マシンガン”・トンプソンに加え、MC5の元マネージャーであるジョン・シンクレアも今年4月に亡くなっている。
ジョン・シンクレアの代理人であるマット・リーは現地時間4月2日の朝に鬱血性心不全のためデトロイトの病院で亡くなったことを発表している。
ジョン・シンクレアは影響力のある活動家としてアメリカにおけるマリファナ合法化への闘いとMC5での活動で知られている。デヴィソン出身のジョン・シンクレアは公民権の提唱者でもあり、急進的な反人種主義グループ「ホワイト・パンサー党」の共同設立者でもある。
ジョン・シンクレアはイギー・ポップ&ザ・ストゥージズの立ち上げにも関わっており、イギー・ポップはジョン・シンクレアの訃報を受けて追悼の意を表している。
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