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ブラック・サバスは初めてライヴを行った由緒あるバーミンガムのパブが取り壊されるかもしれないという懸念があった中で建造物として文化財に認定されている。

ザ・クラウンというパブはステーション・ストリートにある危機に瀕していた建物の一つで、一部では「ヘヴィ・メタル生誕の地」とも目されている。同じ通りにあったUKで最も古い営業中の映画館、エレクトリックは先週閉館している。

今回、ザ・クラウンはヒストリック・イングランドの助言を受けて、デジタル・文化・メディア・スポーツ省によって第二級指定建築物に認定されている。

ザ・クラウンはこれまで10年間空きテナントとなっていて、元々はバーミンガム・オープン・メディアがパブを買い取って修復することが計画されていた。しかし、バーミンガム市議会の資金難を受け、同団体は資金を失い、この場所を住宅に利用したいという開発業者との競争に直面していた。

『ガーディアン』紙によれば、15000人以上が「市民の誇り、文化的価値、歴史的資産」として通りを保護することを求める嘆願書に署名しており、今回指定されたことで再開発から保護されることになる。

ザ・クラウンの建物は1881年から通りに存在しており、ロック界でも大物アーティストがこれまでに出演してきた。ブラック・サバスが初めてのライヴを行ってきたことでよく知られているこの会場だが、シン・リジー、ザ・フー、スーパートランプ、デュラン・デュラン、ステイタス・クォー、ジューダス・プリーストもライヴを行っている。

「UKでは各地で音楽的な遺産となる場所が保護されており、バーミンガムも取り残されるべきではありません」とブラック・サバスのギタリストであるトニー・アイオミは今回の登録について語っている。「ザ・クラウンは私たちをはじめ、多くの成功を収めたアクトにとって非常に重要な場所です。新興のロック・シーンをブルース・クラブで支えた数少ない会場の一つであり、私たちの最初のギグが行われたホームでもあります」

バーミンガム・ミュージック・アーカイヴの創始者で、歴史家でもあるジェズ・コリンズも同様の見解を語っており、「音楽業界にとっては国際的にも特別な場所となっています」と述べている。「しかし、私たちには更なるものが必要です。ザ・クラウンを再オープンさせて、文化施設、音楽施設、そして人々が訪れたいと思う場所として生き返らせる必要があるのです」

ミュージック・ヴェニュー・トラストはUKにおいて2023年がライヴ会場の閉鎖という意味で「最悪の年」だったと発表しており、由緒あるザ・クラウンも閉鎖に直面する懸念を表明していた。

UKでは2023年に10%の草の根のライヴハウスが閉鎖することとなっており、政府の緊急対策や新しい大規模アリーナからの投資がなければ、「崖から転がり落ちることになる」とミュージック・ヴェニュー・トラストは述べている。

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