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ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスはザ・ビートルズの“Sgt Peppers’ Lonely Hearts Club Band”をカヴァーした未発表音源が公開されている。

この音源は元米『ローリング・ストーン』誌のデヴィッド・フリックが司会を務める「シリウスXM」の『ブレックファスト・ウィズ・ザ・ビートルズ』で初オンエアされている。「世界で最もエキサイティングな新グループ、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスがロックにとって最高の年にやったライヴ音源をお届けします。ザ・ビートルズによるサマー・オブ・ラヴの傑作からオープニングのテーマ・ソングを演奏しています」とデヴィッド・フリックは紹介している。

「このザ・ビートルズのチャンネルでどこよりも早くかけることができて光栄ですし、嬉しいです」とデヴィッド・フリックは続けている。この音源は11月10日にリリースされる『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル1967』に収録される。

このアルバムに収められたパフォーマンスは、エクスペリエンスのデビュー・アルバム『アー・ユー・エクスペリエンスト?』の全米リリースのわずか5日前に行なわれたコンサートをライヴ録音したもので、ジミ・ヘンドリックスと彼のバンドをほとんど知らないオーディエンスの前に立たざるを得なかった時期の「ほぼ最後のコンサート」とプレス・リリースでは評されている。観客はヘッドライナーのザ・ママス&ザ・パパスを観に来た人たちで、ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスはオープニング・アクトを務めている。

ポール・マッカートニーやエタ・ジェイムスのもとでギタリストとして働いてきたブライアン・レイもこの日会場にいた一人で、「その日の観客が楽しみにしていたのはザ・ママス&ザ・パパスだった」と振り返っている。「ジミ・ヘンドリックスの曲は聴いていなかったし、彼の存在すら知らなかった。しかも、アーティストとしての彼の立ち位置はザ・ママス&ザ・パパスとはまったく異なっていた。伝えようとしていることも、身体が表現することも、すべての面で正反対だった。男がステージ登場してくる。バンドは3人だけで、彼らは全員アフロヘアー。ワイルドで、キラキラとした印象の、シアトリカルな衣装を身にまとっている。ジミが空気を切り裂くような音を弾く。大音量だけど、音楽的にも素晴らしい。そして彼は、フィジカルな表現を打ち出していく。股の下や背中でギターを弾き、口でも弾いてしまう。床に膝をつき、まるでギターと交わるような動きを見せる。頭を一撃された感じだったよ」

ブライアン・レイは次のように続けている。「なんというか、彼は人間の本能のすべてを表現している、そんな印象だった。美しくて、優雅で、セクシュアルで、暴力性と優しさが混在していた。一人の男を中心にしたバンドが、そのすべてを表現していたんだ。でも、オーディエンスの誰もが僕と同じように受け止めていたわけじゃない。僕と妹は『やられた!』って感じだったけれど、大半は、ちょっと拍手しただけ。なんとか理解しようとしていたんだろう」

今回リリースされる『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 1967』 は長くジミ・ヘンドリクスのレコーディング・エンジニアを務めたエディ・クレイマーが新たに発見された音源を修復し、グラミー賞受賞3回のクリエイター、バーニー・グランドマンがマスタリング・エンジニアを務めている。

ブックレットに掲載される写真はエド・カレフ、ヘンリー・ディルツ、アレン・デイヴォウらが当日撮影したもので、いずれも未発表となる。ライヴ・パフォーマンスだけでなく、バンドのメンバーがザ・ママス&ザ・パパスや、シーン・メイカーだったロドニー・ビンゲンハイマー、マネージャーのチャス・チャンドラーらと語り合う様子も収められる。

リリースの詳細は以下の通り。

ザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス
『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル 1967』
THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE Hollywood Bowl August 18, 1967
2023年11月10日世界同時発売
英文解説の完全翻訳・歌詞・対訳付
SICP6552/定価:¥2,640(税込)
1.イントロダクション
2.サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
3.キリング・フロア
4.風の中のマリー
5.フォクシー・レディ
6.キャットフィッシュ・ブルース
7.ファイア
8.ライク・ア・ローリング・ストーン
9.紫のけむり
10.ワイルド・シング

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