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ザ・ローリング・ストーンズのギタリストであるキース・リチャーズは音楽におけるAIの役割について語り、「くだらない」と評している。

アニー・マックとニック・グリムショウによる『サイドトラックド』にスペシャル・ゲストとして出演したキース・リチャーズは音楽におけるAIと作家性、アナログ盤の役割について語っている。

「ちゃんとレコードを聴きたいというなら、俺はデジタルなんてくだらないと思うね」とキース・リチャーズは語っている。「AIじゃなく、シンセサイザーにしても表面的なものだろ……でも、AIにしたって他のものと同じだよ。ツールにもなれば、オモチャにもなり得る。大抵の場合、そうしたものはオモチャになってしまうわけだけどさ。でも、使い方の問題だよな」

キース・リチャーズは次のように続けている。「レコーディングというのはある意味特別な芸術なんだ。どう言葉にすればいいのか分からないけどね。だって、音楽にできることを言葉にできたら、意味なんてないだろ。でも、アナログ盤は何が本物かを教えてくれる。俺はそういう形で聴くほうが好きだな。本物が好きなんだよ」

AIをツールとして使うというキース・リチャーズの考え方は他の多くのミュージシャンも考えていることで、先日ニルヴァーナのクリス・ノヴォゼリックは『イン・ユーテロ』の30周年記念盤でAIを使ったことを明かしている。

「ライヴ音源が入ることになったのも嬉しいね。というのも、AIを使ったんだ。ローマ、シアトル、ロサンゼルス公演のサウンドボードからのデジタル音源を使って、AIで楽器を分離できたから、素晴らしいミックスにすることができたんだ」

ザ・ビートルズが「最後の音源」でやっているようにニルヴァーナの未発表音源にAIを使うことは考えているのかと訊かれると、クリス・ノヴォゼリックは次のように答えている。「いいアイディアだね。今日、君と話せてよかったよ。興味深いね。それをデイヴ・グロールとパット・スメアにも訊いてみることにするよ。ザ・ビートルズの新曲を聴くのが待ちきれないね。だって、ザ・ビートルズだからね。ザ・ビートルズの新曲なんて聴いてみたいよ。AIの力を借りれば、今じゃそんなことになるんだからね」

先日、リンゴ・スターはザ・ビートルズの新曲についてAIをどう使ったかについて説明している。

「AIが作っているわけじゃないんだ。何かに見せかけているわけでもない。本物のジョンの声があって、ポールの声とベースがあって、ジョージのリズム・ギターがあって、僕のドラムがある」

「新しく録ったのはポールのベースと僕のドラムだね。数ヶ月前にやったんだ。それがうまくいってね。美しい曲だよ。狂った部分も出てくるんだけど、それでもなお美しい曲なんだ。そして、僕らの最後の曲だよ」

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