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ポール・マッカートニーは1980年末にジョン・レノンが殺害された後、ジョン・レノンが自分にとってどんな存在だったかを言葉にするのが難しい自分がいたと語っている。

「世界の誰しもにとって困難だった。というのも、彼には愛されたキャラクターがあったし、クレイジーな人でもあった。彼は特別な存在だったんだ」とポール・マッカートニーはシリウスXMで1982年発表の『タッグ・オブ・ウォー』の制作について振り返っている。

「本当につらくて、話すこともできなかった」としてポール・マッカートニーはジョン・レノンの死を受けて大衆から追悼の意と悲しみが寄せられる中で何も発することができなかったと説明している。

「訃報を聞いた日にスタジオから家に帰ってきて、テレビをつけたら、『ジョン・レノンはこんな人だ』、『彼はこういう人だった』、『ジョン・レノンに会ったことがある』と人々が言っていたのを覚えている。それを見て『よく分からないけど、この人たちの1人はなれない。テレビに出て、自分にとってどんな存在だったかなんて言えない』と思った。『あまりに深く、あまりに大きいもので、言葉になんかできないよ』ってね」

ポール・マッカートニーは「少し感情が落ち着いてきたところで」『タッグ・オブ・ウォー』の前半最後に収録された“Here Today”を書くことでジョン・レノンの死を受け止められるようになったと語っている。“Here Today”の歌詞はポール・マッカートニーの仮定の質問にジョン・レノンが答える内容となっている。

歌詞は次のような内容になっている。「君のことはよく分かっていると僕が言ったら、君はなんて言うんだろう/もし君が今もここにいたら/知る限り、君は笑ってこう言うだろう/僕らは全く変わってしまったと/もし君が今もここにいたら/でも、僕はかつてのことを覚えているから/これ以上泣くのを我慢しているんだ」

「レコーディング・スタジオになる建物にいたんだけど、上に小さな空き部屋がいくつかあった」とポール・マッカートニーは新たなインタヴューで語っている。「それで部屋を見つけて、ギターを持って隅の木の床に座って、“Here Today”のオープニングのコードを弾き始めたんだ」

ポール・マッカートニーは歌詞の一部が「泣いてしまった夜」に言及したもので、フロリダ州キーウェストにいた時のことに関連していると語っている。「ハリケーンだか、そうした理由で公演が延期されて、何日か演奏できないことがあったんだ」

「それで小さなモーテルに泊まったんだ。何をしたかというと、飲んで酔っ払って、演奏してなかったから演奏もした。あの夜は酔っ払って、感情的になっていた」とポール・マッカートニーは続けている。「すべてをさらけだすことになった」

「でも、その中で心を通わせることがたくさんあった。お互いいくつか本音も言った。『君のことは大好きだよ』『君がそういうのが好きなんだ』とかね。気持ちを打ち明けあった。あれは僕にとって特別だった。あんなことになったのは一回限りだった」

昨年、ポール・マッカートニーは『ザ・リリックス:1956トゥ・ザ・プレゼント』の出版イベントでジョン・レノンとの共作作業について次のように語っている。

「2人とも一緒に成長していったんだ。人生とは階段を昇っていくようなもので、僕ら2人は並んで階段を昇っていた。それはすごく楽しかったよ。今ではザ・ビートルズとしてのレコーディング・キャリアは終わったから、僕も1人のファンのような感じなんだ。彼と一緒にやるのがどれだけ素晴らしかったか、彼がどれだけ優れていたかは忘れないよ」

ポール・マッカートニーはジョン・レノンの死について「不条理でしかない」とも語っている。「すごく難しいね。折に触れてそのことを考えて、『分からないのに、なんで毎日泣き崩れているんだ?』なんて言うことになるんだろうね。本当にひどいことだよ」

一方、ポール・マッカートニーは先日、2022年のグラストンベリー・フェスティバルでヘッドライナーを務めた「マジカルな」体験について振り返っている。「フェスティバルは特別ですが、グラストンベリーは特にそうで、多くの人にとって1年で大きなイベントとなっています。新型コロナウイルスで2020年と2021年がキャンセルになったこともあり、やり遂げることはより重要なことになりました」

「観客からも感動的なシーンでしたが、ステージに上がると、旗や丘が延々と続いていて、みんながこの体験に加わるのにイエスと言ってくれたことは大きなことでした」

「レイ・ラインといったことを知ると、場所のスピリチュアリティを感じることができます。グラストンベリーのようなイベントで、素晴らしいヴァイブとエネルギーで一つになると、参加できてよかったと思います」

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