1973年の「ロー対ウェイド」事件における判例を覆す最高裁判決が出たことを受けて、複数のミュージシャンが声を上げている。
今年5月、サミュエル・アリート最高裁判事による草案の内容が明らかになっており、その内容はロー対ウェイドの判例が「根本から甚だしく間違って」おり、「憲法に耳を傾けて、中絶の問題を国民が選んだ代表者の判斷に戻す時だ」というものとなっていた。
草案は正式なものだったが、公開される数日前まで何度も練られ、票のやりとりが行われるため、最高裁の判決は最終的なものではないとされていた。
しかし、今回「ロー対ウェイド」事件の歴史的な判決が覆されたことが明らかになっている。これにより1973年以来となる形で人工中絶は米連邦での権利とは認められず、各州が中絶を禁止したり制限したりすることが可能となる。
これを受けて多くのミュージシャンが怒りを表明しており、テイラー・スウィフトはミシェル・オバマ元大統領夫人が書いた手紙をシェアしている。
「これが自分たちのいる場所なんだというのがものすごく怖い。何十年にもわたって女性たちの身体の権利をめぐって多くの人が闘ってきたのに、それが剥奪されたのです」
I’m absolutely terrified that this is where we are – that after so many decades of people fighting for women’s rights to their own bodies, today’s decision has stripped us of that. https://t.co/mwK561oxxl
— Taylor Swift (@taylorswift13) June 24, 2022
パール・ジャムはインスタグラムに動画を投稿して、そのキャプションに次のように添えている。「どの政府も、どの政治家も、どの最高裁も、誰一人として中絶、避妊、避妊薬への手段を妨げてはならない。選ぶ自由がないといけない」
「今日の判決は誰しもに影響を及ぼすもので、特に医療を受けるために移動することのできない貧しい女性に影響を及ぼすことになる。活動を続け、引き下がらず、諦めてはいけない」
ビリー・アイリッシュはグラストンベリー・フェスティバルのヘッドライナーを務めたステージで“Your Power”をアコースティック・ギターで兄のフィニアスと披露する時に次のように語っている。
「これは権力という概念とそれを乱用してはいけないことを忘れないことについての曲です。今日はアメリカの女性にとって暗い日になりました。今はこれ以上考えるのが耐えられないということを言わせてください」
5月にホールジーは自身の「ライヴ&パワー」ツアーで中絶における統計や事実などを示した抗議の映像をオープニングで流していた。ビリー・アイリッシュ、ミーガン・ザ・スタリオン、フィービー・ブリジャーズらも草案を非難する書簡に署名していた。
フィービー・ブリジャーズはインスタグラムのストーリーとツイッターで自身が中絶した体験について言及していた。「昨年の10月、ツアー中に中絶をしました」と彼女は述べている。「プラント・ペアレントフッドに行ったら、中絶のピルをくれました」
「簡単なことでした。誰もがこのようにアクセスできるべきです」とフィービー・ブリジャーズは続けて、中絶に関する寄付先のリストを共有している。
広告 ザ・ビートルズの新作ドキュメンタリー『ビートルズ ’64』がディズニープラスで11月29日(金)より独占配信!
Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.