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ザ・ビートルズが1969年9月26日に通算11作目となるアルバム『アビイ・ロード』をリリースしてから今年で50年を迎えているが、ザ・ビートルズの4人が最後にレコーディングしたこのアルバム(同作の後に『レット・イット・ビー』がリリースされているが、収録曲のほとんどは『アビイ・ロード』よりも前にレコーディングされている)は今も、餞別の贈り物として燦然と輝いている。『NME』では同作が50周年を迎えたことを記念して、アルバムにおける最高の瞬間を選ぶという簡単なタスクを自分たちに課してみた。数多も挙がった候補から厳選した、10の瞬間をここに紹介しよう。

1. “Come Together”のハンドクラップ

「あれを僕に打ってくれ(Shoot me)」というジョン・レノンの囁きや、ポール・マッカートニーによる間違いのない歪曲したベースラインと共に鳴らされるハンドクラップのサウンドが、『アビイ・ロード』へと僕らをいざなってくれる。なんて粋な歓迎だろう。

2. “Something”のギター・ライン

“Come Together”のベース・ラインと同様、“Something”で奏でられるメロディーも実に象徴的なものだ。しかし、この曲の場合は数える程度しか登場していないにもかかわらず、そのメロディーは頭一つ抜けている。ギター・ソロの最後にもう一度披露される時には、より一層素晴らしいものになっている。

3. “Oh! Darling”における高音のヴォーカル

“Oh! Darling”におけるポール・マッカートニーのヴォーカルのベストを選ぶのは難しいが、2番目のヴァースで披露される「Believe me when I beg you(信じてくれ、本気なんだ)」の「you」で1オクターヴ上がるその瞬間だろうか。ポールはその直後のヴァースで咆哮も披露してみせている。

4. “I Want You (She’s So Heavy)”の最後の90秒間

A面の最後に収録されているのは、ザ・ビートルズ史上最も好色な楽曲の1つとも言える、ジョン・レノンによって書かれたスレンダーな悪魔のような楽曲である。予想外ではないかもしれないが、この曲はラスト・シャドウ・パペッツがライヴでカヴァーしている楽曲としても知られている。気まぐれにペースやトーンを変えて進むこの曲において、壮大で屈強なベースのリフが唐突に終わりを迎えることになる最後の90秒間は、『アビイ・ロード』全体における最高の瞬間の一つだろう。そして……。

5. “Here Comes The Sun”におけるジョージ・ハリスンのギター・パートすべて

B面の幕開けを告げるのは、“I Want You (She’s So Heavy)”とは対局に位置するこの楽曲だ。ジョージ・ハリスンはこの伸びやかで陶酔的なまでに楽観的な楽曲を、エリック・クラプトンの自宅で日光浴に興じながら書き上げている。完璧だろう。

6. 終盤のメドレー

“You Never Give Me Your Money”から文字通りの最後の“The End”まで連なる、メロディと音による途切れることのない楽曲の数珠繋ぎに初めて『アビイ・ロード』を通しで聴いた時には驚くことになるだろう。

7. “You Never Give Me Your Money”のギター・ソロ

素晴らしいギター・ソロが多数収録されているアルバムからたった一つを選ぶことは難しいが、サプライズに満ちた“You Never Give Me Your Money”のギター・ソロはベストに数えられる一つだろう。短いイントロの後でジョージ・ハリスンが奏でる、次第に音階を上げていくメロディックなギター・ソロは、短いながらにも至極の瞬間である。

8. 「ああ、聴いてくれよ、マル!」

“Polythene Pam”が中盤に差し掛かった頃、ポールが「そうだ!」と叫び、ジョンが「いいね!」と叫んだ後でギター・ソロの最後に差し込まれるのが、ロード・マネージャーであるマル・エヴァンズに向けられたこの台詞だ。当時のバンドの内情がいかなるものであれ、彼らはレコーディングを実に楽しそうに聴かせるのだ。

9. “Golden Slumbers”におけるポール・マッカートニーのヴォーカル

曲の冒頭こそ繊細に歌い上げられる “Golden Slumbers”だが、「黄金のまどろみが君の目を満たす(Golden slumbers fill your eyes)」のパートでポールはエンジンを全開にして、そのまま残りのヴァースを突き進んで行く。ポールらしくないヴォーカルとも言えるだろう。「とても力強いヴォーカルにしようとしていたことを覚えているよ」とポール・マッカートニーは後に振り返っている。「テーマがとても優しいものだったから、ヴォーカルを力強いものにできるよう努めたんだ。かなり満足のいく出来になったよ」

10. “The End”のソロ・パートすべて

リンゴにもソロがある。ポールにもソロがある。ジョージにもソロがある。ジョンにもソロがある。最後の2小節ではポール、ジョージ、ジョンによるソロが入れ替わり立ち替わりで披露されるのだが、互いにギヴ・アンド・テイクで支え合うこの関係性はある意味で、“The End”の最後で歌われる歌詞を言い表しているとも言えるだろう。「そして最後に、きみの受ける愛はきみがもたらす愛と等しくなる」

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