アンディ・ウォーホールが監督したヴェルヴェット・アンダーグラウンドのライヴ映像から、マディソン・スクウェア・ガーデンで行われたLCDサウンドシステムのフェアウェル・コンサートまで。ビール片手にリラックスして、音楽史に残る素晴らしいライヴを、コンサート・フィルムと共に振り返ってみよう。
30位 ザ・バンド/『ラスト・ワルツ』
マーティン・スコセッシが監督を務めたこのフェアウェル・コンサート(後に彼らは再結成している)では、ニール・ヤングやエリック・クラプトンといった大物ゲストが登場し、リヴォン・ヘルムの先駆者としての功績を盛大に称えている。この映画は、「大音量でお楽しみください」というタイトル・カードで始まる。アドバイスに従って、ロックのルーツを楽しむことにしよう。
29位 シガー・ロス/『ヘイマ~故郷』
ポスト・ロック界のカリスマであり、故郷のヒーローであるシガー・ロスがアイスランドを巡る一連のツアーの様子が収められている。大きな野外ステージで行われた2つのショウから、反対運動を支援するライヴ、さらには家族や友人を援助するために行った喫茶店でのアコースティック・ライヴまでヴァラエティに富んだ映像を観ることができる。
28位 R.E.M./『グリーン・ワールド・ツアー』
1988年の『グリーン』により、インディーズ特有の不協和音とメランコリーを新たなレベルに押し上げたR.E.M.は、北米ツアーを行い、その後広く愛されることになる『グリーン・ワールド・ツアー』を撮影した。この作品は、コンサート・フィルムのスタイルに斬新な要素を取り入れた映像に仕上がっている。バックステージの特典映像もなく、気取ったインタヴューもない。ただ“It’s The End Of The World”のようなヒット曲の数々が詰め込まれている。
27位 ザ・プロディジー/『ワールズ・オン・ファイア』
2010年7月に行われたウォリアーズ・ダンス・フェスティバルには、65000人のファンが詰めかけ、リアム・ハウレット率いるメンバーが、自分たちのキャリアを集結したステージを見せ、ダンス・ロック界のヒーローとしての地位を確立するのを目撃した。この映像は、そのパワフルなステージを収めたものだ。1年後にリリースされたこのフィルムは、素晴らしい演出のおかげで、生のショウに劣らぬ興奮を体感させてくれる。
26位 ミューズ/『ハープ』
『NME』では2010年に、ミューズの『ハープ』を史上最も優れたアルバムの40位に選出している。だから、DVDヴァージョンが同様に我々を感動させるものであったとしても、驚きではない。当時、絶頂期を迎えていた彼らがウェンブリー・スタジアムで行ったライヴは、壮大なSF映像さながらの、素晴らしいスペクタクルへと変貌している。
25位 ザ・クリブス/『ライヴ・アット・ザ・ブルードネル・ソーシャル・クラブ』
リーズの道楽息子たちが、ブルードネル・ソーシャル・クラブに帰ってきた。彼らは、クリスマスを挟んだ3夜を使って、最初のアルバム3枚をフルで(さらにB面とデモを加えて)演奏した。祝祭ムードのなか行われたこのライヴでは、フランツ・フェルディナンドやカイザー・チーフスといった仲間のミュージシャンも参加し、「ジャーマン vs バーマン」と題されたビールを注ぐ対決も行われた。収益はチャリティに……メリー・クリブスマス!
24位 ザ・ローリング・ストーンズ/『シャイン・ア・ライト』
ザ・ローリング・ストーンズは何事も中途半端にやらない。そんな彼らの2008年のライヴ・フィルムを監督したのは他でもない、マーティン・スコセッシだ。この作品は、ライヴ映像にバックステージと過去の映像を織り交ぜている。さらになぜか、ミック・ジャガーと“Live With Me”をデュエットするクリスティーナ・アギレラのカメオ出演も見られるものになっている。
23位 フランク・ザッパ/『ベイビー・スネイクス』
1977年にニューヨークで行われたハロウィン・ライヴの映像は、ハロウィンらしく不気味で、奇妙なクレイ・アニメがそれを増長している。しかし、あまりにも通常のライヴ映像のスタイルからかけ離れていたため、フランク・ザッパはそれを販売する代理店を見つけることができず、自分で売る羽目になった。時が経ち、彼のビジョンが正しかったことは証明された。
22位 プリンス/『サイン・オブ・ザ・タイムズ』
プリンスは1987年、下降するレコード・セールスへの対策として、ヨーロッパで5日に渡り撮影されたライヴ映像をフィルム化することを決めた。しかし完璧主義者のプリンスはその出来に納得できず、8割方の映像を自身のホーム・スタジオで撮り直した。結果的に、自然なコンサート・フィルムではなくなったものの、かえって魅力的なものに仕上がっている。
21位 ジェイ・Z/『フェイド・トゥ・ブラック』
ジェイ・Zが「業界から引退する」ことを明らかにしていたため、このマディソン・スクウェア・ガーデンで行われた一夜のスペクタクルは、彼の引退ライヴになるはずだった。ご存知の通り、引退は現実にはならなかったわけだが、それでも『フェイド・トゥ・ブラック』は大ヒットとなった。現代のラップ界のアイコンであるジェイ・Zが、絶頂期にふさわしいパフォーマンスを見せ、ビヨンセやR・ケリー、ファレル・ウィリアムスなどがゲスト出演して花を添えている。
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