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先日、レディオヘッドがソーシャル・メディアから一時的にいなくなり、彼らのファンは出来る限りの力を寄せ集め、9作目のアルバムについて騒ぎ立てたが、それらを振り返ってみると、新曲“Burn The Witch”が2003年のアルバム『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』に由来していることに、あなたは気が付くだろう。その歌詞の一部は、そのアルバムのブックレットの角に書かれていたのだ。

この13年前とのリンクは曲のタイトルから明らかだ。それは『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』に収録された“2+2=5”と“Myxomatosis”と同じく、ジョージ・オーウェルの影を感じるもので、その間の十数年で、このオックスフォード出身のバンドは旋律的にだいぶ変化している。2003年頃のレディオヘッドの比較的ダーティなサウンドとは異なり、“Burn The Witch”で売りのみずみずしい演奏法はこの曲を“Spectre”に近い物にしている。“Spectre”は、レディオヘッドが2015年のクリスマスにゲリラ的に発表した、採用されなかったジェームズ・ボンド映画『007 スペクター』のテーマ曲だ。

“Spectre”の音源はこちらから。

“Spectre”は、圧倒的で、オーケストレーションによる楽曲だったが、今回の新曲“Burn The Witch”は、勢いのあるアップビートと推進力のあるスタッカートのストリングス、シンコペーションを用いたドラムマシンのスネア、そして、うねりのあるシンセで始まる。レディオヘッドの曲でこんなに甘い、ないしは楽しそうなメロディーは今までほとんどなく、この不穏な歌詞を際立たせている。歌詞の中で語られているのは「他者」の迫害からサディスティックな喜びを得る狂信者、または恐れや愚かさから罪をかぶることを受け入れる社会の羊についてだ。

“Burn The Witch”はこちらから。

この曲のミュージック・ビデオでは、「トランプトン」や映画『ウィッカーマン』を引用したストップモーション・アニメが全編に使われているが、瞬き1つすることなく陽気に魔女狩りを導いている、建前上では完全といえるコミュニティが表現されている。もし、この曲の中の偽りの社会のイメージが、レディオヘッドにとって多少直接的だとしても、問題はない(むしろ「Red crosses on wooden doors/If you float you burn」という歌詞はミューズのような何かがある)。トム・ヨークは、さらに、「これは低空飛行でのパニック発作」のような美しいフレーズをそこに入れている。ついでに言えば、「低空飛行でのパニック発作」とは、多くのレディオヘッド・ファンがおそらく今経験している心境とも言えるかもしれない。

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