エルトン・ジョンはかつて「みすぼらしい」格好をしていたボブ・ディランを庭師と勘違いして着替えを渡そうとした逸話を明かしている。
エルトン・ジョンは今月発売される自叙伝『ミー(原題)』の中で、キャリアでも自由奔放だった頃に開催したパーティーをボブ・ディランが訪れた時のことを振り返っている。
「80年代も終わろうとしている頃にロサンゼルスで盛大なパーティーを開いて、僕の知っている人たち全員を招待したんだ」とエルトン・ジョンは振り返っている。「夜に差し掛かる頃には言うまでもなく完全に正気ではなかったんだけど、その時に僕の知らないみすぼらしい格好をした男がライトアップされた庭に入ろうとしているのを見つけてね」
「一体誰なんだ? スタッフの1人の庭師に違いない、なんて思ってね。彼がドリンクを入れようとしていたから、なんだと大声で言ったんだ」
「そのおかげで一瞬、沈黙が流れたんだけど、沈黙を破った音響スタッフからこう言われたんだ。『エルトン、あれは庭師ではありません。ボブ・ディランです』とね」
彼は次のように続けている。「コカインでハイになりながらも、償いをしようと彼のもとに駆け寄って、家まで案内しようとしたんだ。『ボブ! ボブ! そんなひどい格好じゃ君をここにいさせられないよ。2階へ行って、すぐに僕の服に着替えさせてあげよう。こっちへ来て!』ってね」
エルトン・ジョンは続けて、ボブ・ディランが自身の提案に「恐ろしそうな」表情を浮かべていたとして次のように述べている。「彼はエルトン・ジョンのような格好をする代わりに何かできることはないか、一生懸命考えているかのような表情を浮かべていてね。ハズレくじを引いてしまったかのような様子だったよ」
ボブ・ディランを庭師と勘違いしてしまったエルトン・ジョンだが、2人はパーティーを経て一緒の時間を過ごすようになったのだという。「別の機会にボブをサイモン&ガーファンクルとのディナーに誘って、その後で言葉遊びをしたんだ」とエルトン・ジョンは記して、ボブ・ディランについてパーティーでやるようなゲームを得意とする人物ではないと明かしている。
「彼は『音節は何個あるか?』のゲームの要領を掴むことができなかったんだよ。振り返ってみれば、(ボードゲームの)『サウンズ・ライク(・ア・プラン)』も得意じゃなかったね」と彼は振り返っている。「世界最高の作詞家で、ロック・ミュージック史上最高の作家であるにもかかわらず、彼は単語に入っている音節が1つなのか2つなのかも分かっていなかったし、韻の踏み方も知らなかったんだ!」
「彼はお手上げという感じだったね。僕は彼に向かってオレンジを投げ始めたんだ。翌朝に友人から聞いたところによるとね」
エルトン・ジョンは自叙伝の中で、1980年代にコカインでハイになってザ・ローリング・ストーンズの公演を「乗っ取ってしまった」逸話も明かしているほか、2017年に前立腺ガンの手術を受けた時のことも振り返っている。
エルトン・ジョンの自叙伝『ミー』は現地時間の10月15日に刊行される予定となっている。
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