ザ・カーズのフロントマンのリック・オケイセックの妻であるポーリーナ・ポリスコワは亡くなった夫と過ごした最後の時間を振り返り、「本当に優しい人」だったと彼に追悼の意を表している。
リック・オケイセックは現地時間9月15日にマンハッタンにある自宅のアパートで亡くなっているところを発見されている。享年75歳だった。リック・オケイセックの訃報を受け、これまでに多くのミュージシャンが彼に追悼の意を表している。
今回、ポーリーナ・ポリスコワは米『ローリング・ストーン』誌の取材に応じてリック・オケイセックと共に過ごした時間を振り返り、彼の訃報を伝える際に経験したつらい胸の内を明かしている。
ポーリーナ・ポリスコワは当時、自宅でリック・オケイセックが亡くなっているところを発見している。リック・オケイセックは亡くなる数週間前に手術を受けているものの、ポーリーナ・ポリスコワは彼が亡くなったことは手術とは「一切関係がない」として次のように語っている。
「手術についてはどれだけ話をしたいか分からないけど、確かに成功していたの。彼は順調に回復していたのよ」とポーリーナ・ポリスコワは語っている。「だから、彼が亡くなったことは本当にショックだったわ」
続けて、ポーリーナ・ポリスコワはリック・オケイセックが亡くなる前夜、自宅にいた彼のためにクッキーを持って行ったことを明かして次のように振り返っている。
「(家へ行く)途中でリックのためにクッキーを買ったの」とポーリーナ・ポリスコワは語っている。「家に着くと彼がいつもの椅子に座っていて、『柔らかいクッキーを買ってきたわ』って伝えると、彼にこう言われたの。『オーケー。ありがとう、ハニー。今日はクッキーの気分だったから、あまり美味しくないクッキーを既に食べてしまったんだ。君が買ってきてくれた柔らかいクッキーは明日食べることにするよ。少し痛みがあるから、今日は早めに寝ることにする』って。それが私の目撃した生前の彼の最後の姿よ」
ポーリーナ・ポリスコワは続けて、リック・オケイセックがベッドで亡くなっているのを発見した時のことについて次のように語っている。
「一通り家事をした後で、その時は11時を回っていたんだけど、『おかしいわ。何かよくないことが起きているはず』っていう思いがよぎったの」と彼女は語っている。「コーヒーを淹れて、彼にあげようと上の階に持って行ったの。その時の彼は、(最後に見た時と)まったく同じ場所にいたわ。微動だにしていなかったの。その時点で私は察していたけど、信じることができなかった」
「彼のもとに歩み寄ると、彼はまだ眠っているようだった。けど、彼は本当に微動だにせず、目が少し開いたままになっていたの。正直、彼が目を覚そうとしているのかと思ったわ。彼の顔の前で手を振って、『ねえ、あなたのためにコーヒーを持ってきたの』って言おうとした。でも、彼の頬を触ったら、まるで大理石を触っているかのような感触でね。本当に怖くなってしまったわ」
「彼にお別れを言うためにリックの息子たちにも家に来てもらったの。彼らを待った後で、手を繋いでベッドを取り囲んで、彼に本当にさよならを告げたの」とポーリーナ・ポリスコワは振り返っている。「彼が亡くなってからも、数時間は彼の身体と一緒にいたの。彼が亡くなったということをきちんと実感できたから、ある意味ではよかったのかもしれないわ。彼は本当に私たちのもとを去ったんだってね」
同じインタヴューの中で、ポーリーナ・ポリスコワはリック・オケイセックについて心臓病が原因で亡くなったとする検視結果にも言及して、この結果には「当惑している」と語っている。
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