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エド・シーランは自身のヒット曲“Thinking Out Loud”がマーヴィン・ゲイの“Let’s Get It On”を盗作したとして訴えられた件で、原告のエド・タウンセンドの相続人と共に新たな主張を行っている。

エド・シーランは“Thinking Out Loud”について1973年のソウルの名曲“Let’s Get It On”の著作権の3分の1を所有する会社「ストラクチャード・アセット・セールス」によって1億ドル(約112億円)を求める訴訟も起こされているが、2016年に同曲の共作者・共同プロデューサーであるエド・タウンセンドの相続人によっても訴訟を起こされている。

音楽サイト「コンプリート・ミュージック・アップデート」によれば、エド・シーランのチームとエド・タウンセンドのチームの両者は今回、レッド・ツェッペリンの“Stairway To Heaven”を巡る裁判で先月下された判決が考慮されるべきだとそれぞれ主張しているという。

レッド・ツェッペリンはエド・タウンセンドの相続人が訴訟を起こすより2ヶ月前の2016年6月、“Stairway to Heaven”がスピリットの“Taurus”を盗作していたとして訴えられていた裁判に勝訴している。

レッド・ツェッペリンの当時の裁判は、楽曲の著作権が、アメリカの著作権局に提出された形態でのみ保護されるという点を世間に再認識させることとなっている。これは著作権登録時に提出された楽譜を参照するということで、“Let’s Get It On”などの昔の楽曲にも適用される。レコーディング時に曲に追加された要素は楽曲の著作権では保護されないという。

エド・シーランの弁護士は先日の裁判でレッド・ツェッペリンの一件に言及して次のように述べている。「著作権が保護される範囲を決めるのはレコーディング音源ではなく、提出書類という判決が下されました。従って、第9巡回区控訴裁判所はこの点を考慮し、著作権で保護される範囲に基づいて、原告の主張の多くを退けたのです」

法的に過去の楽曲の保護範囲が制限されるという事実は実質的にエド・シーラン側の主張を強めることとなっている。

しかしながら、レッド・ツェッペリンが勝訴を収めていた前述の裁判は先日、下級裁判所裁判官が陪審員団に間違った指示をしたとして、第9巡回区控訴裁判所によって新たな裁判として法廷に差し戻されるべきだと判決が下されている。

レッド・ツェッペリンの裁判は差し戻されることとなったものの、エド・シーランの弁護士は、第9巡回区控訴裁判所が当時下した判決には依然として満足していると述べている。

一方、エド・タウンセンド側も著作権の範囲についての見解を示し、今回の一件は陪審員によって裁かれるべきだと主張している。

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